日曜の午後、公園で日向ぼっこ。
耳に入る音に没入した後の一枚。

2/18(日)
朝から仕事だった。 仕事の合間、一年前の今頃は…二年前の今頃は…と思い出してしまった。
一年前のちょうど今頃は、遠距離彼氏がいながら他の人とデートをしてしまった頃だった。それがとっても心地よくて、ときめいて、そんな自分に驚いたから（もうこれはお別れしないと…自分にも彼氏にも良くない）と気を張り詰めていたんだった。一年前の2月は電話で真剣な別れ話を3回して（全て私からふっかけた）、それでも決着がつかなかった地獄のような月だった。
あれから一年、ちゃんとその彼氏とは縁が切れた上、その時デートした人ともやっぱり合わずに疎遠になっているなんてね、誰も想像しなかったよね。そして誰かの存在に寄りかからず、自分の時間を自分で満たせるようになっているとはね。人生は思い通りにいかないからやっぱり面白い。ぼーっと生きてる暇はない。
仕事の後、よく晴れた海に行って日向ぼっこ。うみねこの鳴き声と、護岸コンクリに波が優しくあたるさざめきのような音、湾の向こうで軽トラがアクセルを踏み込むエンジン音しかしなかった。  公園のおじいと落ち合って、日が暮れるまで話し込んだ。私のひとり旅のすべてを聞いてくれた。
もう19時、おじいと話しすぎたからちょっと急いで年上のご夫婦の家に向かう。スパイスカレーをみんなで食べようの会が行われていた。ずっと仲良くなりたかった女性と、ずっと憧れていたこの街で1番素敵なカフェのオーナーさん、よく食べてよく笑う芸術家のお兄さんと食卓を囲んでカレーをご馳走になる。このメンバーで集まるのは初めてだったけど、皆さんの優しさのおかげで話がちっとも途切れない。 こうやって、他者への配慮で満ちた精神的に豊かな方々と一緒に、世界を信頼しきって顔をくしゃくしゃにできるご飯の場があるのは本当にありがたい。
遅い時間までトランプで盛り上がり、23時頃4人で夜道を歩く。ちょっと凍った歩道も4つの白い息も、私、忘れたくないよ。

2/19(月)
月曜の職場は（つ、通夜…？？）ってくらい、皆さんの覇気がない。月曜の朝から元気いっぱいなのは私だけなのかもしれない。変に空気を読み、私も目線を下げて息を殺して過ごす。つまんないな〜。（あと何日で新しい職場…！）と、望ましくない逆算をしてしまった。つまんないな〜しか浮かばない日だった。
新しく買ったお財布が届いて嬉しい。2ヶ月くらい悩みまくった末に決めたとっておきのお財布。3月の縁起がいい日までお財布を寝かしておくことにする。

2/20(火)
今日も職場は空気オモオモで、撃沈して過ごした。それだけ。
てか思ったけど全ては私の気の持ちよう、では？
攻撃的な人がいなくて業務量も多くない閑散期、周りが無言でカタカタpc鳴らしてる静かな時間。捉え方を変えたらそんなに苦じゃない時間では？ 上司の顔色を窺いすぎる自分がバカみたい。
帰宅してすぐにハイボールを作ってしまった。酔うと思い出すのは決まってあのこと。バカみたい。

2/21(水)
顔がまん丸に浮腫んでる。ウケる。
今日はちょっとだけもがいてみた日。頑張ったかも。
職場にて（消化試合な日々…）なんて、私らしくないこと考えたくないよ。
おじいに呼ばれて公園に行ったら、箱に入ったデッカいみかんをもらった。みかんじゃなくてタンカンって言うらしい。屋久島産のデカみかん。
クリープハイプの太客限定アーカイブが今日までだったから、タンカンをもぐもぐしながら配信を見た。髪の毛ツヤツヤおじさん、ハット似合いすぎおじさん、おしゃれおじさん、低音ボイスがイケイケおじさん、4人のおじさんに癒やされた。
お世話になってる父みたいな上司が還暦の誕生日だからチョコレートをあげた。夜になってお礼のラインが届いた。

2/22(木)
なんだか今日は！気持ちがスッと晴れて過ごせた。昨日までのやな感じの私じゃなく、適度に愛想を振りまけるいつもの私だった。良かった良かった。
元推しと2人で作業する時間、フツーの同僚だった頃みたく和気あいあいと物を運んだ。これよこれ、忖度なく話ができて、お互いのテンポが合うこのバランス、この空気。勘違いしてしまうほどのこの心地良さ。懐かしいね。ありがとね。
職場の数人に、昨日もらったタンカンを配る。おじいはたまに採れたて農作物もくれていたから、その都度職場で配っていた。だからタンカンを差し出すだけで「あ〜あの公園のおじいさんですか」と分かってくれる。話が通じてしまう。ウケる。
本当は今日、遠方の友達に合コンに誘われていた。数時間有給を取ってまで行く勇気がなくお断りしたものの、ほんとはちょっと興味があった。合コンに行ったことのない27歳だから。 でも今日は帰り際のタイミングで偶然昔の知人に会えたから、今回の選択はオールオーケーとする。1時間近く話し込んで、この人も今頑張ってるんだなぁ、私たち頑張ってこ〜ぜ👊の気持ちになれた。

2/23(木)  祝日
一日中運転した日。
用事があって朝イチでじいちゃんちに寄る。テレビ台の上に立派なひな人形が飾ってあった。うちの母が生まれた時の初節句で買ったから半世紀以上前のものらしいけどものすごく立派で、品があった。三人官女は置くスペースがなくて箱の中だよ、とばあちゃんが笑う。仕舞いっぱなしは勿体無いからと、この2、3年で飾るようになったらしかった。親の愛情ってものをまじまじと感じて、母親がちょっと羨ましい。ひな人形は凛としていて、まつ毛の一本一本に至るまでものすごく繊細に描かれていた。この人形の真の価値に気がつけるのはある程度の年齢を重ねた頃かもしれない。
そこから友達と合流してロングドライブへ！と思ったところで奇跡が起きた。信号待ちしていた街中の交差点で仲良しの子とばっっったり会う。車ですれ違った瞬間お互い気がつき、すぐにLINE通話がかかってきた。今から〇〇とランチだと言うから、「うそ〜ん！私たちも向かう！」の勢いでUターンし、インドカレー屋さんに集合した。
そう、私たちは10年来の友達だからこんな風に偶然遭遇しちゃうこともある。お互いが直感で生きていれば自然と出会う星の下に生まれた仲間なのである。高校生の頃も部活の後にインドカレー屋でたらふく食べたことがあるけど、まさか10年経っても同じメンバーで同じことをできるなんてねぇ。しかも、可愛いお子も加わって。とんだ幸せだなぁ。
一歳になったばかりの友達の娘は、天使のようににっこり微笑んでくれるお姫様になっていた。ほんと〜に可愛くて癒された。どうかこの子に幸せがたくさん降り注ぎますように。
そこから1人は解散し、残りのメンバー（＋お姫様）でロングドライブに出発。私が4月から暮らす街の土地勘を掴むためのドライブという名目で、本当は私1人で行けばいいものを、こうして着いてきてくれる友達のありがたさが沁みる。車内でぺちゃくちゃ喋りながら、この間、このテンポ、あ〜〜はちゃめちゃに好き〜〜〜って感じた。お互い化粧を覚える前からの仲、大人になる前からの仲だから、自分の心を丸裸にして過ごせてしまう。いつかの私の葬式にはこの仲間が来てくれればあとはもうどうでも良い、と真顔で思う。
21時、やっと自宅に到着。SUUMOでアパート探しに取り掛かる。

2/24(土)
函館ひとり旅で買った可愛い顔したくまを朝ごはんにした。
お昼に林さん（89歳のお友達）の家。転勤が現実味を帯びてきた頃から、林さんの家によく行くようになったな。今日はきりたんぽ鍋を作って待っていてくれた。秋田出身の旦那さんと結婚してから義母に教わった味らしい。私が顆粒だしで作ろうとしてもぜっったいに到達し得ない美味しさだった。ご馳走様です。
そのあとはいつも通り丁寧にコーヒーを淹れてもらい、2人でお菓子を広げてずーっとおしゃべり。前に私がひとり旅に出ることを伝えた時はひどく心配されたけど、何事もなく過ごせたこと、思い出たくさん作ってきたことを話したら安心したみたいだった。
林さんはあと数ヶ月で90歳になるらしい。私の3倍以上生きてきた女性。目をキラキラ輝かせながら「これまでを振り返るとたっくさん思い出がある」って言うのが素敵すぎたな。そして、この歳にして毎晩350ml缶のビールで晩酌をするのが楽しみのひとつだと教えてくれた。
わ〜、なんて可愛らしいの。私もそんな元気いっぱいのおばあちゃんになりたいよ〜〜。
「誰かにネガティブな言葉を向けたくなった時はグッと堪えること。いつか巡り巡って自分に返ってくるものだし、（あの時あれを言わなくて良かった…）と思える日が必ず来るから」「紙に書いた言葉は残らないけど、口にした言葉は残るもの」って言ってたのがなんかすごく頭に残った。 文字で残す言葉より、口から発した言葉の方が長い時を越えても残るものだなんて、27の私にはまだ分からなかった。90まで生きる人が言うことなんだから、ほんとなんだろな。

2/25(日)
物件探しで夜ふかししちゃったせいで、お昼まで寝た。熟睡のプロ。
昼過ぎ、この街で1番素敵なカフェのイベントに寄る。オーナーさんには会えなかったけど知り合いの女性に会えた。イベント限定の桜餅をいただいた。春が近いなぁ。
それから図書館で本借りて、ジムでランニング。19時頃ジムを出たら雪が降っていてびっくりした。2週間前に大雪が降った時（今年はこれが最後の雪だろうなぁ、もう春が来るのかな）としみじみ思ったのに、あれから２回目のドカ雪だった。なんだい、まじで三寒四温じゃんか。
走ると気が紛れるから良い。芸人さんのラジオを聞くと、ますます気が紛れるから良い。
物件探しで脳みそが疲れ果てて、あんまり難しいこと考えられなくなった。契約まであと少し。ど〜なる、私の新生活の拠点。