[透析]除去率の求め方・使い方
除去率とは?
1回の透析治療により、各種の溶質(BUN、クレアチニン等の小分子物質やβ2ミクログリブリン等の低分子量蛋白)がどの程度抜けたかを、透析前後の血液中の濃度変化から算出する方法。
除去率の計算式は?
小分子量物質と低分子量蛋白(大分子量物質)で計算式が異なるため、以下の2つの式を使い分ける。(当院では、式Aを用いてBUN除去率を毎月計算している。HDF治療を行う場合は式Bを用いてβ2ミクログロブリン除去率を計算するとよい。)
(式A)小分子量物質の除去率R
(式B)低分子蛋白(大分子量物質)の除去率R
除去率を実臨床でどう使う?
透析条件が今のままでいいのか、効率を上げたほうがいいのか、下げたほうが良いのかの指標となる。
除去率が低い→毒素がたまるので透析条件を上げる(Qb>Qd>膜面積)
除去率が高い→毒素がへる→いい透析ができている
ただし、後述の[計算例;症例2]ように透析前値が低い場合は除去率が低く出るので、除去率が低いからという理由だけで透析条件を上げないこと。
除去率の計算例
★症例1
★症例2
症例2では、症例1と比較してBUNの除去率が低下している。このように、BUNの除去率は、透析前(後)値の影響をうけることに留意が必要。突然除去率が低下した場合は、食事量(とくにタンパク質の摂取量)が極端に減った結果、透析前BUN値が低下していることがるので注意する。
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