マダミスはゲームの中身の制作が終わったからといって完成したわけではありません。ビジュアル類を用意してはじめて世に送り出すことができるのです。
　今回はマダミスのビジュアルの中でも特に重要な「キービジュアル」について、制作方法・テクニックと、その重要性を解説していきます。

　「マダミスが完成したんだからキービジュアルなんか適当に作ってリリースだ！」と思っている制作者の方。そんな人こそ少し思いとどまって、本記事を読んでいただきたい。

◆なぜキービジュアルは重要なのか

最初にキービジュアルの重要性について解説していきます。
キービジュアルに力を入れることで以下のような効果が見込めます。

①作品の面白さ・作り込みを視覚的にアピールすることができる

　マダミスはプレイヤーに遊んでもらってはじめて完成する物語です。
しかし、マダミスには「遊んでみないと面白いかどうかがわからない」という性質があり、制作者は、いかにして「遊んでもらう」という段階に持っていくのかということを考えなければなりません。

　ましてや、今やマダミスは千を超える勢いで作品数を伸ばしています。そんな中から「遊んでもらう」と考えると、その難しさがわかると思います。

　多くのシナリオの中から自分のシナリオを選び取ってもらうにあたって、ひと目見た時にワクワクするというのが、いかに大切かというのがイメージできたかと思います。

　このように、そもそもの期待感を高めて遊んでもらうために「面白そう」と感じさせるようなキービジュアルを用意し、内容の面白さ・作り込みをアピールする必要があるのです。

　また、マダミスは一人ではプレイできません。友達をシナリオに誘おうとしたときに、しっかりしたキービジュアルを見せたときと、そうでないときで反応が変わるというのも想像に難くないでしょう。

②シナリオのことを覚えてもらいやすくなる

　キービジュアルはシナリオのタイトルとセットで覚えてもらえることが多く、ビジュアルを印象付けることで、同時にタイトルも覚えてもらうことができます。

　安っぽいキービジュアルやダサいキービジュアルを採用したマダミスは、興味を持ってもらえる可能性が低いので、そもそも記憶に残りません。
そういった意味でもキービジュアルは重要なのです。

　また、おすすめのシナリオを紹介するとき、
「この前プレイした『〇〇』っていうシナリオが面白かったので、おすすめです」
と聞いて、シナリオのビジュアルさえ覚えていれば、
「『〇〇』がキービジュアルに書かれた／キービジュアルがかっこいい シナリオですよね」
などと反応を返すことができます。

　キービジュアルは「プレイした人とプレイしていない人の共通言語」としても効果を発揮するのです。

◆キービジュアルの構成要素

　さて、ここからはキービジュアルの作り方について解説していきます。