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プリクラ、ポケベル、メンソール

さきほどセガさんのツイートが流れてきまして…

添付された画像のフレーム一覧とプリクラ手帳を
見たとたんに記憶がブワッっと湧いてきまして
そのまんまツイートしたんです

1995年というのは21歳の大学生であり
車の免許を取得しアルバイトしたお金を頭金に
自分の車を持った年です
そして携帯電話は学生の一部での普及であり
ポケットベル全盛期でもありました

就職氷河期が忍び寄る気配はあれど
学生であるボクは呑気に大学生活を
謳歌しておりました

同級生との短い恋を終えて落ち込んでいた
とある週末に小さな奇跡は起こりました

手持ちのポケットベルに誰か分からない番号から
『ハジメマシテ』の文字・・・
暇を持て余すタイプの学生だったボクは
当たり障りなく
『コンニチハ』などと返事をしてたと思います
(なにせ四半世紀前なのでうろおぼえ・・・)

もどかしいほどに短文の送り合いを繰り返し
(だいたい12文字前後しか送れなかったような)
相手が短大に入学した学生寮に住む子と分かり
相手から『ベルトモニナロー』ときたので
(この時代のポケットベルは基本的に英数字と
 カタカナくらいしか送れなかった)
ベルトモ(ポケットベルを送り合う友達の事)に
なりました

親元から離れて住むことの大変さや
学生寮がある場所の辺鄙さなどを
短い文章を何度も送り合って理解し
いつか相手の学生寮の最寄りのコンビニ前の公衆電話から
ボクの自宅に電話がかかるようになりました

そんなやり取りを繰り返すうちに
お互いに会おうよと決まり
夏の始まりを感じさせる蒸し暑い日に
京阪枚方市駅で会いました

スポーツ推薦で短大に入った彼女は
高校から身長165センチで成長がとまった
ボクとは違い引き締まった高身長で
ちょっと猫背でした

京阪沿線としてはそこそこ大きな駅ではあったのですが
大学生が遊べるほど栄えてもなく・・・
駅施設内のファンシーショップでお揃いの可愛らしい
キーホルダーを買い、近くのバーガーショップで
軽食と雑談と言う今の中高生のような事を
していました・・・

初対面でのぎくしゃくも緩和し
やっと親し気になった頃には夕方になり
彼女が学生寮に戻るためのバスの時間が迫りつつありました

そんな時に駅施設で見かけたのが
最初のツイートのプリクラ機だったのです

もうなんのフレームを選んだのかも覚えてません
当然今みたいに美白やら目ぢからアップの機能もありません
プリントされたシールもハサミで切らないと
分けて貼る事も出来なかったような・・・
でもあの時の僕らは出会った記憶を残せるチャンスに
テンションは上がったんです

出来上がったプリクラはお互いぎこちない笑顔でした

でもすっごく嬉しかった
もうボクは彼女を好きだったんですね・・・

バスに乗った彼女を見送り
電車で来たボクは2時間以上をかけて
少し涼し気な風を感じながら徒歩で家路につきました
2人で撮ったプリクラを何度も眺めながら・・・

その後は何度となく2人で深夜のドライブや
カラオケを楽しみ親しくはなったんだけれど
何度も告白しては振られたりしてました・・・
諦められないボクは折を見ては告白と失恋を繰り返し
2年近くの時が過ぎました

globeの『Anytime smokin' cigarette』をよく歌ってくれました
高音域になると泣き声のようになるのが可愛かったです・・・

お互い学生の終わりを意識しだす頃に
やっと恋は成就しました
卒業して地元に帰ったとしても
会いに行くからと繰り返しながら伝え
返事のかわりにもらったキスは
彼女がその時に吸っていたタバコだった
ラッキーストライクメンソールの味がしました・・・

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その後数年は彼女の地元である愛知に
何度となく行くようになり
そしてまた振られる日がくるのですが
それは別のお話・・・

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