真風涼帆さんの退団発表を受けて


2022.9.28
真風涼帆さんのファンであれば永遠に記憶に残るであろうこの日…

真風涼帆さんの退団発表がされた日だ。
都内は金木犀の香りがほのかに街に漂う、秋の気配が感じられるとても天気の良い日だったと思う。



私が真風さんにハマったのは先のnoteの通り、
トップお披露目公演のシトラスの風だった。
映像とはいえ真風さんがトップの作品は最初から観ていたのでラッキーと言えるだろう。


しかし私個人のバタバタやコロナのせいで、実際に真風さんを生の舞台で拝見したのは『アナスタシア』だった。
この作品は真風さんトップとして大劇場5作目。

この頃になると宝塚の仕組みやトップスターの任期について知識を得ていたので、トップの任期後半に差し掛かっていることはわかっていた。


『推しは推せる時に推せ』


この言葉に後押しされるように、私は後悔なきように全力で真風涼帆さんを応援することを誓った。


『ホテルスヴィッツラハウス』
『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-/Délicieux!-甘美なる巴里-』
『バロンの末裔/アクアヴィーテ!!』
『NEVER SAY GOODBYE』
『FLY WITH ME』
『HiGH&LOW-THE PREQUEL-/カプリチョーザ!!』

全てを自分のできる限り全力で観た。
これらの作品をすべてリアルタイムで観られたことはとても幸運だったと思う。


その少し前から真風さんがフェミニンな雰囲気になった印象があったが、本格的に退団の気配を感じたのは『FLY WITH ME』だった。


舞台では「男らしさ」「色気」「かっこよさ」「オーラ」etc.が今までよりも強く感じられて、ギラギラとますますかっこよくなっていったが、
オフでは持ち前の「かわいらしさ」に磨きがかかったような風に見えた。



『FLY WITH ME』における野口先生作詞の「SEIZE THE DAY-いまを生きる-」

これを聴いた時に「宙組トップとしての姿を見られる時間は残り少ない」ということを確信した。


極めつけは『カプリチョーザ!!』のトレンチコートを着た真風さんを見た時だった。「わがままばかりでごめんね」と銀橋で歌い、寿さんが「アリヴェデルチローマ」を歌っている中で踊る真風さん。
そのあと全員の合唱となり、一筋の光が差した階段を登り、客席に振り返って笑顔で去って行く。
『アビヤント』の安蘭けいさんを彷彿とさせる演出に「退団」を確信した。


予想通り兵庫での公演が終わった2日後に退団発表があった。
もちろん悲しくて寂しくて。涙すら出ないほどのショックで、ずっと喉の奥がツンとする日々を過ごした。「贅沢を言うならもっと前から応援したかった」と過去の自分を悔やんだりもした。


でもそんな私は真風さんの言葉を思い出して救われた。それは

「それぞれのアレ」

という言葉だった。


これは真風さんが『HiGH&LOW-THE PREQUEL-/カプリチョーザ!!』の宝塚大劇場千秋楽のカーテンコールで述べたもの。

熊本出身の真風さんは宝塚や東京といった「宝塚歌劇」に触れることのできる場所から物理的に離れた場所にいたはずだ。
何回も劇場に足を運ぶ人もいれば、地方に住んでいるが故になかなか観劇できない人、生観劇はしなくとも配信で楽しむ人もいる。
さまざまな人がいることをしっかりと理解して、「それぞれの応援の形」に対して「それで良いんですよ」としっかりと伝えたかったが故の発言だと私は思う。(完全に憶測)

その言葉を思い出す度に、
「自分ができる範囲の微々たる応援でも、真風さんに伝わっているのだな」ということを感じて、
自然と寂しさが和らぐようなそんな気分になれる。


自身の退団発表前にファンに向けてそのような発言をすることによって、少しでも寂しさを和らげてくださったようなそんな気がして、ますます尊敬と感謝と好きな気持ちが増した。
本当に優しい方だと思う。



私にとって唯一無二の男役である真風涼帆さん。
男役として隙のないかっこよさ、抜群の着こなし力、色気、哀愁、包容力。
人としての優しさ、おおらかさ、面白さ、可愛らしさ。

好きなところは書ききれないほどある。
出会った時が遅かったので、本当にあっという間だった。

でもこんなに幸せや感動を毎日与えてくれる人に出会えた私は本当に幸せ者だと日々実感する。


真風さんはいつもファンに対して

「明日への活力」

になるように舞台を届けたいとおっしゃる。


真風さんファンならみんな口を揃えて言うだろうけれど、沢山の幸せを常に与えてくださった真風さんにはただただ幸せでいてほしい。

下級生から抜擢続きで、トップになってからも私が想像できるだけでも大変なことが沢山あったと思う。そんな中でもいつも笑顔で、全力で男役に捧げてくださって、毎日の活力をくださった。

まさに真風涼帆さん=「希望という名の光」である。

退団後にどんな道を歩まれるかはわからないけれど、真風さんが幸せならそれでいい。

男役:真風涼帆さんに出会えた人生で良かった。

ありったけの愛をこめて。

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