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#49 バクタプルでヨーグルトの王様「ズーズーダウ」を食べまくる!🇳🇵

5/19〜21 バクタプル〜地震で9割が崩壊した町🇳🇵

バクタプルへのバスが、ラトナ公園の東側から出ている。歩道橋を渡って歩いて行くと、若い兄ちゃんが「バクタプル!バクタプル!」と言っているのですぐに分かる。あと2分で出発するというので、車内で食べるキットカットを横の売店で買った。座席はほとんど満席だった。バスの扉は常に開けられていて、ドア前に立っている兄ちゃんが、バスが止まるごとに外に出て行って乗客を呼び込む。ちょうど通学時間帯なのだろうか、学校の制服を着た学生たちが良く乗り込んできた。カトマンズ市内の道路は舗装がしっかりしているので、バスに乗っても快適で、一時間ほどでバクタプル市内の西側に着いた。
着いてしばらく歩いていると、女学生が寄付を募っていた。地震の復興のためかと思って聞いてみたが、どうやら学校への寄付らしい。
ホテルは町の北東にある。バックパックとサブバッグを担いで歩いていくと、途中で「ハロー」と声を掛けてくるおじさんがいた。またタクシーの勧誘か...と思って素通りしようとすると、「ヘイ!」としつこく声をかけてきて、しかも自分の前に立ちはだかりやがる。うるさいな、「ホテルには歩いて行くんだ!」というと、何かの証明書を出してきた。何の証明書なのかよくわからなかったが、「ここを通るのにお金を払う必要がある」と彼は言った。インドのデリーでこの類の通行料詐欺があると聞いていたので、ますます怪しくなった。おじさんに看板を見せられ、そこには入域料1800円が必要だと書いてある。「そんなことあるか?」と疑い、「分かった。ちょっと待って、調べるからさ。」とおじさんに伝えてネットで検索すると、どうやら本当に必要みたいだった。1800円を払うと、ライスペーパーで出来たチケットをくれた。滞在期間を告げると、その期間に応じた有効期限を書いてくれるシステムだ。自分はとりあえず一週間にしてもらった。

ライスペーパーで出来た入域チケット
ちょっと高いけどまあしょうがない

ホステルに荷物を置いて、少しゆっくりしたあと市内の散策に向かう。ズーズーダウの看板が出ているお店があったので、さっそく買ってみた。使い捨て素焼きの土器に入っている。上の薄い膜はチーズケーキのようになっていて、その下は濃厚なヨーグルトだった。27年間食べてきたヨーグルトの中で間違いなく一番美味いヨーグルトだった。日本で売り出せば流行すること請け合いだ。後で調べてみると、水牛のミルクとダヒヨーグルト種菌で作られるのだとか。とにかく、クリーミーなのにしつこくない爽やかさが気に入った。しかも一つ50円だ。お店によって少しずつ味が違うそうで、こうなったら食べ比べしない手はない。バクタプル滞在中に自分好みのズーズーダウを見つけようと思った。結果的に、ポッタリー広場(焼き物広場)近くのものが気に入って、二回通った。

王様ズーズーダウ50円


市内の古い建物を見て回っていると、「ガイドしますよ」と、三人ほどが時間をおいて営業してきた。いつもならノーサンキューだけ言うのだが、少し話してみることにした。
「何年ガイドやっているの?」「15年」「俺は22年だよ。」
「すごい!英語はどうやって覚えた?」「たくさんの人と話してだよ。」
「それだけで?」「うんそれだけ」
脱帽だ。
自分は貧乏な旅人だから、というと勧誘はなくなり、いろんな話を聞かせてもらった。
「ここだけの話さ、ガイドするのにどこの国が一番カモになるの?笑」
「インド人だね😄写真を撮るだけで彼らは満足するから説明する必要がない。場所に連れてくだけで満足するんだ笑」
「本当に?笑」
これはなかなか面白いことを聞いた。
昼食に誘われたが、すでにダルバートというネパールの伝統料理を食べた後だったので、また今度と言って彼らと別れた。

ネパール伝統料理ダルバート

翌日、今度はまだ学生と思われる男の子が「ガイドどうですか」と話しかけてきた。「ごめん、昨日色々聞いたんだ。2015年に大きな地震があって、町の9割が壊れた話とか」
そういうと、
「その通りです。僕の父親もその地震で死にました。」
彼の話によると、バクタプルの町だけで12100人もの人間が亡くなったのだという。そして彼は、「もっと英語を勉強したいから、僕のために『ネパール↔︎英語辞典』を買ってください」と言った。彼の熱意は素晴らしいと感じた。しかし、ここで今、彼に辞典を買ったとしても、この国の根本問題を解決することにはならないとも思った。カトマンズのスワヤンブナート寺院からの帰りに橋の上で出会った、あの女の子の顔が浮かんだ。
この彼の場合は簡単な英語はすでに話せているから、魚の獲り方は知っている。自分で稼いでいけるはずだ。だがあの少女は....

「ごめん。僕は買ってあげられない。でも、人とたくさん会話して、自分でお金を稼いで買うことを祈ってるよ」

観光客が通る町の中心や大通りはもうほとんど元通りになっているが、一歩裏道に入ると、確かにまだ壊れた家屋が残っていて、町の男たちが手作業で修復していた。払った入域料が復興のための資金になってくれていると思うと嬉しい。

大麦を天日干ししている。
僧の行列
修復作業
お年寄りたちは基本座ってじっとしてた笑

明日はナガルコットに行こうと決めた。6人部屋ドミトリーを自分一人独占して深く眠った。

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