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お母さん

母が用事があって1週間ほど我が家で一緒に過ごした。
いつも通りな我が家で、栄養満点でしかも私たちの要望をかなえてくれて、低カロリーなご飯を作ってくれた。とてもありがたかった。
一緒に買い物に行ったり、外食したりしながら過ごした1週間はとても楽しかった。
一番楽しんでいたのは、犬3匹だろうと思う。
母がちょっと移動するとゾロゾロとついて行き、台所へ行くと狭い台所にそれぞれが場所を取りおこぼれを狙う。

私はなかなか実家に帰られない。離島だから船に乗らなくてはならないからだ。
パニック障害のおかげで船はまだちょっと怖い。

父が病気で大変な時にはなんとか薬を飲んで半泣きで船に乗った。
おかげで、父と会ってぎりぎり話すことができた。筆談だったけど。
その頃のわたしは薬の副作用の一番ひどい時で体重が30kg増えていた。
わたしが父の足元に回ってカーテンを閉めようとしていたらあまりの太さに、ベッドと壁の間に入られなくて、困っていたら酸素吸入のマスク越しに父が大爆笑していた。
「今、おとーさん、笑ったよね?」というと父はヒーヒー言いながら涙を流して笑いながら首をわずかに横に振っていた。「これはね、副作用なの!しょうがないんだからっ!もう!変わってやりてーわっ!」
・・・ってな1日があったことを思い出した。

母は、父と55年間くらい、ずっとお店をやってきた。
今は時間やメニューを減らし、母一人で切り盛りしているが、だいぶきつそうだ。腰に持病もある。
でも父と一緒に育てて築いてきたこの場所を守りたいのかな。
そんな気持ちもわかる気がするし、自分の歳やこれからの人生を考えると、わたしたち兄妹が近くにいないところで過ごすにはやっぱりいろんな問題がある。

今やいろんな家族が抱えている問題なのかなぁと思う。
母とカレーライスを食べながら、わたしは、母と2人でこうやって、あと何回食事ができるだろう、なんて思ってしまった。

ご飯は楽しいことを考えながら食べるともっとおいしく頂ける、と思った。
そもそも、勝手にネガティブすぎて、母に失礼なこった。

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