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「レバトロンがテンセントとケントンIoTとの戦略的パートナーシップ締結」のリリースをITの素人なりに丁寧に読んでみた

だいぶ前の話ですが、深田萌絵氏が社長を務めるRevatron株式会社が2018年12月6日に、テンセントとケントンIoTとパートナーシップ契約を締結したというリリースが発表されています。
リリースの文章は専門用語や横文字が多い為、用語の解説を交えながら素人目線で読んでいきます。

リリースのリンクは👇

https://archive.is/hHqe1

このリリースは深田氏が書いたとの事です。

さて、リリースの本文に移ります。
しばらく用語解説が続きますので、ITに明るい方は斜め読みするか、上のリリースを読んだ上で6.要約まとめまで飛ばせば時間短縮になると思います。


1.導入

Revatron株式会社(レバトロン 本社:東京都中央区 代表取締役:浅田麻衣子)は、2018年12月6日(木)、中国深セン市に本拠地を置く中国SNS大手Tencent社(以下、テンセント)と中国半導体企業Kentton IoT Technology社(以下、ケントンIoT)とBoT(Blockchain of Things)技術開発及びプラットフォーム開発に関する戦略的パートナーシップ契約の締結を発表いたしました。

https://www.dreamnews.jp/press/0000186124/

1-1テンセントとは

WeChat(中国版line)やスマホゲーム等を運営する中国の大手IT企業です。ご存知の方も多いと思います。

テンセントは中国政府と密接に協力していると指摘されています。

巨大ネット企業であるテンセントは中国政府とも密接に協力している。

https://jp.reuters.com/article/harrington-china-idJPKBN1H50A8/

また、WeChatは情報漏洩の危険性を以前から指摘されています。

ポンペオ氏は、北京字節跳動科技(バイトダンス)のティックトックやテンセント・ホールディングス(騰訊)の「微信(ウィーチャット)」などを「信頼できない中国製アプリ」と指摘。そうしたアプリは「米国民の個人データにとって重大な脅威」であり、中国当局による検閲の道具になっている可能性があると述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-06/QEM3FXDWLU6901

この記事だけでなく、WeChat+危険性で検索すると、沢山の記事がヒットします。

1-2ケントンIoTとは

坤同科技(北京)有限公司の子会社(黄色)です。リリースには中国半導体企業と書いてありますが、名前の通りIoTの会社だそうです。下の図では半導体企業が兄弟会社に有ります。その兄弟会社の半導体企業は中国共産党肝入りの国家プロジェクトに関わったとの事です。(参考資料❶参照)

https://youtu.be/QWnfFa20IiM?si=EDHImX-pm1KKIt4N

1-3 IoTとは

IoTとは?で検索

1-4 ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは?で検索

ブロックチェーンのご参考にどうぞ。


1-5 導入まとめ

レバトロンとテンセントとケントンIoTの三社で、ブロックチェーンの技術開発とプラットフォーム開発者に関する戦略的パートナーシップを結んだ。

2.映像技術

RevatronはケントンIoTと共同で米FPGA大手Xilinx社のFPGAをベースにデプスカメラ・ソリューションをテンセントに提供します。テンセントは人工知能開発において先駆けた技術を持ち、3次元映像をベースとしたマシンラーニングにも意欲的に取り組む意向です。通常、2D画像で行われるマシンラーニングを3D映像で行うことにより、精度や認識率が向上するため、無人店舗等での顔認識時の誤認率を引き下げることが目的です。

https://www.dreamnews.jp/press/0000186124/

2-1 FPGAとは

FPGAとは?で検索


2-2 デプスカメラとは

デプスカメラとは?で検索

2-3 映像技術まとめ

レバトロンはケントンIoTと、深度情報(物体の奥行き情報)を取得できるカメラと、その情報を処理するソフトウェアを組み合わせたものをテンセントに提供する。
テンセントは人工知能開発をしている。
無人店舗等での顔認識の誤認率を引き下げる事が目的。

顔認証システムですかね。
色々過去ネタを探していたら、顔認証について、偶然興味深いポストを見つけました。

怖いので、皆様のご想像にお任せします。

3.3Dマシーンラーニング

3Dマシンラーニングによる認識ソリューションは、商用車の自動運転、AGVなどの認識用ソリューションにも利用されます。

https://www.dreamnews.jp/press/0000186124/

3-1 AVGとは?

物流におけるAVGとは?で検索

3-2 3Dマシーンラーニングまとめ

3Dマシーンラーニングは商用車の自動運転、無人搬送車にも利用される。

4.世界VR展、中国5G通信メンバーとパートナーシップ

2018年10月20日(土)に中国南昌市で開催された世界VR展において開かれた『5G+VRフォーラム』にRevatronはスピーカーとして登壇し、5G時代に必要とされる映像の高速伝送技術に関して世界に先駆けるソリューション・ベンダーとして中国5G通信メンバーともパートナーシップ契約を締結しました

https://www.dreamnews.jp/press/0000186124/

4-1 中国5G通信メンバーとパートナーシップ

ここは多少長くなります。
中国5G通信メンバーの名前が書いていないので具体的な社名等は分かりませんでした。検索しても上手く検索出来ませんでしたが、中国の5G通信といえば真っ先にファーウェイとZTEが思い浮かびます。また、レバトロンは通信会社のチャイナモバイルと色々な関係があるようです。(参考資料❷)
チャイナモバイル+ファーウェイで検索してみると、2018年1月15日に以下の記事が出ています。

ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)はこのたび、チャイナモバイル(中国移動)の研究所で第5世代移動体通信(5G)向けコアネットワークに関する技術検証を完了し、すべての点で優れたパフォーマンスを達成しました。

(中略)

ファーウェイは長期にわたり、チャイナモバイルと5Gコアネットワークにおいて協業を進めてきました。2016年のMobile World Congress(MWC)では、同社と共同で5Gネットワークスライシングのデモを披露しました。

(中略)

ファーウェイは、5G を支える標準規格の策定、製品の研究開発、商用前展開において、世界を牽引しています。今後も5Gの先導役として、チャイナモバイルをはじめとした世界の大手通信事業者とともに5Gの商用展開を推進し、5G時代に向けた垂直産業のデジタル変革の実現を支援していきます。

https://www.huawei.com/jp/news/jp/2018/hwjp20180115c

また、チャイナモバイル+ZTEで検索してみたところ、2018年4月9日に記事が出ています。

通信設備・機器大手の中国ZTE(中興通訊)は2018年4月2日、移動通信大手の中国チャイナモバイル(China Mobile=中国移動)と共同で実施した第5世代移動通信システム(5G)を使った電話サービスの実証実験に成功したことを明らかにした。

チャイナモバイルとファーウェイ。
チャイナモバイルとZTEは密接な関係があるようですね。


余談ですが、深田氏は2018年6月に画像センシング展に関するインタビューで中国企業と共同開発していると答えています。

https://archive.md/Lwlc5

映像系の話です。共同開発しているのはどの企業でしょうか?

4-2 パートナーシップまとめ

2018年10月20日(土)に世界VR展で開かれた『5G+VRフォーラム』にRevatronはスピーカーとして登壇。また、中国5G通信メンバー(チャイナモバイル?他の会社?)ともパートナーシップ契約を締結しました。

5.文末

Revatronは、5G通信時代に向けて放送用4Kロスレス動画伝送ソリューション、IVoI(インスタント・ビデオ・オーバー・インターネット)ソリューションを開発し、来年春以降から市場に投入する予定です。

12月5日(水)から7日(金)にかけてパシフィコ横浜で開催される国際画像機器展でDOORsの展示を行ないます(62番ブース)。

3Dマシンラーニングの詳細は、同展示会内で12月6日(木)15時10分から開催される弊社代表の浅田によるセミナーでご案内します。セミナー詳細は主催者までお問い合わせください。

https://www.dreamnews.jp/press/0000186124/

5-1 文末まとめ

特筆すべき点は無いので省略します。

6.要約まとめ

❶レバトロンとテンセントとケントンIoTの三社でブロックチェーンの技術開発とプラットフォーム開発者に関する戦略的パートナーシップを結んだ。

❷レバトロンはケントンIoTと、深度情報(物体の奥行き情報)を取得できるカメラと、その情報を処理するソフトウェアを組み合わせたものをテンセントに提供する。
テンセントは人工知能開発をしている。
無人店舗等での顔認識(監視カメラ?)の誤認率を引き下げる事が目的。

❸3Dマシーンラーニングは商用車の自動運転、無人搬送車にも利用される。

❹2018年10月20日(土)に世界VR展で開かれた『5G+VRフォーラム』にRevatronはスピーカーとして登壇。そして、中国5G通信メンバーともパートナーシップ契約を締結した。

❺新製品、展示会、セミナーのお知らせ

要約は以上です。
ここからは周辺情報に触れていきます。

7.世界VR展の写真とパンフレット

集合写真について
リリースの集合写真は世界VR展の『5G+VRフォーラム』のものです。深田氏・ジェイソン ホー氏(深田氏のビジネスパートナー)が写っています。深田氏の右隣はファーウェイAR/VRの社長、その右隣はチャイナモバイルの副所長だそうです。

パンフレットの写真を翻訳しました。

パンフレット25ページ
チャイナモバイルの方
パンフレット26ページ
ジェイソン ホー氏とファーウェイの方
パンフレット27ページ
ZTEの方

出演者一覧

パンフレット24ページ

出演者は以下の通りです。

・中国移動研究所副所長、魏晨光
・ヘンリー・ジー GSMA 中華圏戦略協力部ゼネラルマネージャー
・Fredrik Lindholm エリクソン北東アジアコアネットワーク製品部門副本部長
・Lee Youngho VR セールスマネージャーKT
・エドゥアルド・エステベス クアルコム製品管理担当副社長
・ホン・チェン 北京郵電大学世紀学院研究産業部門ディレクター
・曹三星 中国伝播大学共同イノベーションセンター副所長兼 インターネット情報研究所副所長
・崔勇 清華大学教授、長江青少年学生
Jason Ho CTO of Revatron kabuskiki kaisha
・Tengyue Li Huawei Technology Co., Ltd. AR&VR 社長
司会者:新華網有限公司副社長 沈江京
・Liu Xin 美谷文化技術有限公司 ゼネラルマネージャー
・GMW Media Co, Ltd ゼネラルマネージャーChen Jiandong
Zhu Fang ZTE チーフビデオアーキテクト
ZTE チーフビデオアーキテクト Wu Yi
・フェイ・ジュン 中国中央美術学院デザイン学院教授

パンフレット24ページより

8.5G通信メンバーとは?

上記の出演者で通信系企業が数社あります。中国の通信会社は
・中国移動(チャイナモバイル)
・ファーウェイ
・ZTE

の3社がありました。
この中にパートナーシップを締結した中国5G通信メンバーがありそうですね。

半導体や中国に詳しい知人に、この記事の5G通信メンバーとはどこを指すのか?について尋ねてみたところ、この映像の高速伝送などの分野ではファーウェイとZTEは外せないのではないか?との回答を頂きました。
余談ですが、テンセントが日本の小規模なベンチャー企業レバトロンとなぜ契約するのか?という点を不思議に思ったようです。

チャイナモバイルとの関係

過去ポストを探ってみると、2016年に深田氏の米国の会社は映像技術関連でテンセントとチャイナモバイルとの関係を示唆しています。


また、チャイナモバイルとは裁判の訴状(平成30年行ウ557 仮差押無効請求事件)で契約をしていると明記されています。
契約した5G通信メンバーとはチャイナモバイルの他に上記1社、もしくは2社を指している可能性がありますね。

チャイナモバイルとテンセントと契約済み http://blog.livedoor.jp/advantagehigai/archives/66166347.html

※上記の裁判は、2018年12月13日に提訴され、12月21日に棄却されています。チャイナモバイルとテンセントが被告によって、中国の発展を妨害するような甚大な被害を与えられたとの主張をしています。

http://blog.livedoor.jp/advantagehigai/archives/66166347.html

9.時系列

この記事周辺の時系列を並べます。
2016年
テンセントとチャイナモバイルにDOORテクノロジーが選択されたと記述
2018年
1/15  ファーウェイ、チャイナモバイルの記事
4/9     ZTE、チャイナモバイルの記事
6/14  深田氏、インタビュー記事
リアルタイム3次元映像合成システムについて
10/20 世界VR展 5G+VRフォーラム
ジェイソン ホー氏登壇、5G通信メンバーとパートナーシップ締結
12/6   テンセントとケントンIoTとパートナーシップ締結
12/13  訴訟提起 
12/21  訴訟棄却

2019年
1/19   深田萌絵氏新刊発売
「日本のIT産業が中国に盗まれている」

このリリースの内容が本当なら、この本の執筆と同時進行で中国企業とパートナーシップ契約を提携していたという事になります

10.深田氏の説明に対する疑問

10-1共同開発

2021年6月14日の動画で、テンセントとの仕事について言及しています。
「テンセントとセキュリティのソリューションを出したのは国防に何の影響ももたらさないから問題ない」と言っていますが、カメラの内容や伝送技術の内容によっては、深田氏がよく使う「デュアルユース」として監視カメラに転用されたりしたら、とても危険な研究のような気がしてなりません。

10-2 提携についての懸念

2021年のFBに、ケントン半導体は浙江財閥に乗っ取られているとFBに書いています。(ケントン半導体はケントンIoTの兄弟会社で子会社ではない。1-2 ケントンIoTとはを参照。)

ケントンIoTとの提携の事は指摘されていましたが、ケントン半導体とも取引があったのでしょうか?であれば、中共肝入りの国策事業として登場した会社なので大変な事ですね。
(参考資料❶参照)
普段から浙江財閥は中共と繋がっていると非難していましたが、その為にケントンIoTを切ったのでしょうか?それとも、無関係をアピールする為に浙江財閥という言葉を使ったのでしょうか?

また、テンセントや5G通信メンバーとのパートナーシップはどうなったのでしょうか?
とても気になりますね。

11.事実関係の整理

・リリースは深田氏が書いたもの
(テンセント側の発表は未確認)
・集合写真は表題のテンセントとの契約とは無関係のもので、文中の中国5G通信メンバーとの契約時のもの。むしろ、文中の方をアピールする目的があったのか?
・レバトロンとケントンIOTはデプスカメラ・ソリューションをテンセントに供給する
・顔認識が目的。過去に監視カメラ産業に参入する意欲を見せていた
テンセントは以前から危険性を指摘されており、WeChatも情報漏洩の危険性を指摘されている
ケントンIoTは中共トップの肝入りの国策プロジェクトとして登場したケントン半導体の兄弟会社
中国5G通信メンバーと提携(メンバー会社の記載無し、過去チャイナモバイルと関係)
・チャイナモバイルは、ファーウェイとZTEとそれぞれ共同で実験していた
「5G+VRフォーラム」にレバトロン、ファーウェイ、ZTE、チャイナモバイルが参加
・深田氏の米国の会社はテンセントとチャイナモバイルは2016年から関係があったとの記述がある
ケントンIoTと共同原告で日本国を訴えていたが、棄却された(参考資料❷参照)
・訴状ではテンセントだけでなく、チャイナモバイルとの契約も明記されていた
リリースを出している時期と中国の危険性を訴える著作の執筆の時期が被っている。著書ではファーウェイの危険性について触れているが、自身はファーウェイと共同実験を行っているチャイナモバイルとの契約している
・2021年にケントン半導体の話が突然出て来て無関係を示唆

12.所感

深田氏は国会議員や言論人、会社などを中国に結び付けて批判する事が多いです。
ここで載せた深田氏側の発表は、相手側の発表が確認できないものが多く契約の真偽は分かりませんが、発表の記録を見る限り深田氏は中国の脅威を訴える傍らで危険性が高いと言われる中国の会社とビジネスを行っていた、又は行おうとしていたと読み取れます。

動画やFBで支持者向けに釈明を行っていたようですが、勘の良い方はこのように感じるようです。

まあ、そう思いますよね

13.おまけ

2018年に5G関連を推してきた深田氏ですが、翌2019年には「5G革命の真実」という本を出版し、なぜか5Gの危険性や健康被害を訴えていました。これは、どこかで見た光景のような気がしますね。


2024年2月27日に銀座で街頭演説を行ったようです。

tsmcの誘致にはソニーとアップルも関わっています。その2社まで監視システムに関与してるとは思えません。


14.出典(参考資料)

参考資料❶
前後半に分かれています。前半にケントンの兄弟会社について解説しています。

後半はこちらでもご覧頂けます。


参考資料❷
私が当記事を書いていて、追加情報を重ねるうちに👇の記事と似た内容になってしまいました。私の記事よりも深堀りしているところはしっかりと掘り下げていますので、是非ご一読下さい。

こちらは、深田氏がケントンIoTと共同原告で日本国を訴えたという訴訟関連を動画で解説されています。


参考資料❸
何度も読んで参考にしました。とてもコンパクトに纏まっています。ITに明るい方なら私の記事より要点が纏まっていて読みやすいと思います。


参考資料❹
深田氏がケントンIoTと日本国を訴えた訴訟の判決文など


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