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自分が考えるSDGsを本気でやってみる。

物事の多くは表面的な見え方だけで判断されている。
例えば土に還る素材は環境に良さそうだし、オーガニックコットンは品質が良さそうに感じる。
事実はどうかは置いておいてその「聞こえの良さ」が少しずつ企業活動に取り込まれてきた。
その「聞こえの良さ」がエンドユーザーの購買欲をどれだけくすぐるのかはわからないが企業としてはSDGsを謳わない商品はどんどんと販売しにくくなっていく、いつの日からかSDGsは企業の中でめんどくさくて、わざわざ乗り越えなきゃいけないハードルになっていき、ハードルを越えるために「聞こえの良さ」を意識した商品がどんどんと生み出されている。


SDGsに悩むボク

SDGsは2015年の国連サミットで締結された国連加盟している193カ国が2030年までに達成すべきゴールを決めたものだ。

日本でも徐々にそれが浸透してきてSDGsが語られるようになってきた、
大きな企業や銀行員の胸元にはSDGsバッヂがきらりと光り「環境負荷が少ない」とか「人権問題を」と見かける回数も多くなってきた。

当初ぼくはこのSDGsが大嫌いだった。
大嫌いだったというか「そんなもの守って当たり前だろう」というスタンスだった。
別にSDGsなんかなくても差別をなくしたいと思っているし子供達が生きるこの地球を綺麗にしたいと思っているし、誰でも自分のアイデンティティを生かしながら生きがいを感じていたいと思っていた。
だからぼくは2016年に起業してまだ日本でSDGsが主流じゃない時からMY HOME ATELIERというサービスを作った。
職人が自分の技術を自宅で活用することで「少量生産」で地球環境を、
地方で新しい働き方をすることで「地域格差をなくす」ことへつながる。
それが正しいと思って活動してきたつもりだった。

それにSDGsはどれも本質をついていないものが多いと感じていた。

冒頭に書いていたけれど土に還る素材の何が環境にいいのだろうか?
正確に言える人はどれくらいいるだろう。
そして実際に「土に還す人」はどれくらいいるだろう。

またオーガニックコットンはなんとなく体に良さそうだけれど、製品を洗えば残留する農薬は無くなるし、
そもそも育てる過程でオーガニックなせいで害虫が多く手間がかかる、もちろん薬漬けにしろ!ってことではないにしろ一長一短な部分が大きい。
品質としても野生で育てたトマトとハウスで栽培しているトマトだったらハウスのトマトの方が美味しく形が整っているのと同じように、
オーガニックじゃないコットンの方が品質がいい場合も多い。

「なぜ、オーガニックコットンなのか」を「なんとなく安心じゃない?」と考えるひとが多いと思うのだ。

ただ、ぼくもそうやって考えていたし、そんな深く考えるほど人は暇じゃない。
「なんとなく」で物事は決まっていく。
ぼくが嫌いなのはその「聞こえの良さ」をビジネスとして活用して本質を伝えない企業なのだ。

お客様が知らず知らずのうちに環境負荷をかけているのは仕方がないとして、企業がそれを知っていながら伝えないのはお客様を裏切っているように感じているのだ。

「聞こえの良さ」がビジネスの中心になる少し前から「ストーリーで商品を売る」という概念が入ってきて困惑した。

商品が良く、その上で語られるストーリーではなく「ストーリーありきでものを買う」がマーケティングの中心になってしまいそうだったのだ。
結果として今はプロダクト中心のマーケティングに戻ってきている気がするのだけれどそれでもまだ企業は本質をついていない「聞こえの良さ」で販売をしてるのではないだろうか。


現代のもののけ姫こと渋谷さんとの出会い


そんな悶々とした日々を過ごしていた時に何気なくyoutubeを見ていたら現代のもののけ姫こと渋谷さんを発見した。
僕たちは小ロットで服作りをすることができるが、その小ロットをもっと活かす方向性を考えていてずっと車椅子の方や障がいを持った方に向けた洋服の生産をしたいと思っていたのだ。

すぐに「これや!」と思ってtwitterからメッセージをお送りした。
「僕たちは小ロットで服作りができます、一緒に服作りしましょう」

するとすぐに返信が返ってきた。
それがつい3ヶ月くらい前の話だ。

そして今週4/5-11まで大阪のルクアイーレで商品をお披露目することになった。

とんでもないスピード感である。
その経緯についてはこちら↓

渋谷さんとの出会いは本当に刺激的だったし、僕もいろんな認識をとらえなおすきっかけになった。

このプロジェクトのきっかけでもあり、衝撃的だった一言は
「普通に買える値段で普通の服を作りたい」である。

車椅子に乗っているからもっと輝こう!みたいなメッセージや、
いろんなことに挑戦しよう!
障がいは個性だ!

いろんな「聞こえの良い」言葉を見ていたが、渋谷さんはとにかく「普通がいい」と言ったのである。
(もちろん上記のプロジェクトも素晴らしいし、否定するつもりは全くない)

そりゃ考えてみたら当たり前で、普通の女の子が普通に洋服を買うように、
障がいを持っていてもそりゃ普通に買いたいもんだ。

専門的な洋服を小ロットで作ろうとするととんでもないコストになるし、一般の企業はなかなかできない。
挑戦するならヴァレイだろう。

そんな勝手な使命感と共にこのプロジェクトを立ち上げた。


どうせやるならガチでやる

どうせやるなら徹底的にサスティナブルにやろう。
そう決めていた、聞こえの良さではなく本気で作って本気で持続できることをやりたいと思った。
だから裏側では細かな契約や、価格設定などもこだわった。
無理しても続かないし、単発で終わらせたら意味がないから。

そして今回の課題は「買える価格で作る」だった。
しかもちゃんと利益を出せるように。

そこで協力してもらったのは株式会社ワンピースだった。
僕の友人でもあり尊敬する経営者の久本氏に電話をかけた。

ワンピース社は質の良い商品を生産するメーカーだがどうしても在庫が残ってしまったりすることもある。
そこで久本社長やワンピースの皆様のご協力もあってワンピース様の商品を仕入れさせていただき、ヴァレイでリメイクを行うことにした。
そうすることで0から作るコストを削減しながら本来の上代に近い価格で販売することができるようになった。

もちろん渋谷さんとガッツリと相談しながらそうやったら車椅子の方でも、そうでない方でも着ることができるのか1つ1つ粘り強く検討して行った。

そして出来上がったのがKainos×Valley×ワンピースの商品達だ。


僕たちはこの企画を通して、
マイノリティの方でも着られる洋服を、企業連携と協力を通じて損しない形で仕入れ、MY HOME ATELIERでの少量生産を活かして形にしていった。
まさにガチである。

そしてその商品を4/5-11まで大阪ルクアイーレ4Fにて販売を行う。


当日は渋谷さんのKainosだけではなく、
途上国の伝統テキスタイルを活用したアフリクル


日本製でサスティナブルな服作りをコンセプトとしてるrrrrrrrrr


そして私たちが運営するアラタシブランドも一緒に出店する。
どれもSDGsにガッツリ取り組む「聞こえがいい」だけじゃなくブランドだ。


SDGsをガチでやってみる。

そんなこと言うと「間違えていたらどうするんだ」なんて言われるかもしれないし、多少ハードルも上がっていたりする。
けれどやっぱり僕は本気でやりたいと思ったのだ。

そんな経緯などについても8日9日にはトークセッションもありお話しさせていただけると思うので、ぜひ会いにきていただけると嬉しいです。


SDGsガチでやってみよう!


皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

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