REALBLADE(1st.)第9話「ひとりでできないもんっ!」

※この話は「オリジナル作品」です。登場人物、事件等は架空の内容である。しかし、当然著作権はありますので何卒ご了承下さい。

第9話:「ひとりでできないもんっ!」

《前回までのあらすじ》
最近、結婚式場にもなる教会が潰れたり荒らされると言った事件が多発していた。結婚願望があるルナや咲子はパートナーにしたい男性をそれぞれ付けて、様々な境界を調査してまわる事にした。そして遂にルナ達はとある教会で結婚詐欺被害に遭った男性とばったり出会うのでしたが、何とその男性には悪魔が憑いており幸せをぶち壊そうとその男性を今まで操っていたのだった。一時的にケビンに悪魔が憑依してしまったが、その時にルナの愛の金剛剣で悪魔を見事にケビンから切り離すことが出来て、それからは教会が荒らされたり無くなったりする事は以前と比べて少なく出来たそう。

〜ある日のブレイダーズ本部にて〜

ルナ:「・・・」

タツジ隊長:「・・・ルナ。この報告書は、どう言うつもりなのかな?」

ルナ:「・・・」

タツジ隊長:「・・・君の事だ。何か職務中にあったのだろう。君のメモリーからも何があったのかを知れるが、先ずは直接君の言葉を聴きたい。話してくれないか」

ルナ:「はい。・・・とある職務中、現場周辺の住民らと言い争いが起こりました。私がその張本人でした。」

ケビン:「隊長。それには事情があるのです。」

タツジ隊長:「事情?ケビン君、その事情を教えてくれ。」

ケビン:「…あれは昨日発生した怪獣災害で起こりました。報告を受けて現場に駆け付けたルナと私の両隊員の職務時の態度や対応が"気に入らない"もっと早く行動して欲しいと言う苦情を受けて、その時にルナが…」

ルナ:「ケビン、ここからは自分の口で話しますから。
私は地域住民らの苦情処理中に彼等に対して(しょうがないでしょ…こっちだって生身の人間なんだから出動が遅れる事だって有るんだから。そんなに文句があるのならアナタもこれを機に軍に入ってみてみてはいかが?)と言い返す事がありました。今回の私の失言の件について隊長、ケビン隊員、申し訳ございませんでした。」

タツジ隊長:「うーむ、大体の状況は理解出来た。…だがルナ、ここでするべきなのは私達への謝罪では無い。」

ケビン:「割と僕は彼女からの心からの謝罪が欲しかった…」

ルナ:「では隊長。私は何を…」

タツジ隊長:「それは…」

(緊急コールサイン!緊急コールサイン!ブレードライン中央都心部エリア112に怪獣が出現!繰り返す。…)

タツジ隊長:「さっきのやつだがなルナ。一言で表すらならば…」

ルナ:「隊長!そんな話は後々聞きますから!ケビン、エリア112に向けて怪獣討伐と行きましょう!では、両隊員出動します!!」

ケビン:「あ・・・・。」

タツジ隊長:「ケビン、こう言う時はどうするか分かっているかな?」

ケビン:「ええ勿論。…ケビンは相棒を助ける為に出動致します!」

タツジ隊長:「(…万が一の場合は私も…)」

(エリア112に先に着いたルナは出現した怪獣に手持ちの金剛剣で早速一騎打ちに入るのだったが・・・)

ルナ:「ぁあ・・・、ぅ、!!!(壁と衝突する)」

怪獣:「・・・・シシシシシシシシシ」

ルナ:「(…今日の怪獣、シシシなんて…もしかして今のこんな私の姿でも見て笑ってたりするのかな…?)」

ルナ:「…なんて考える…暇は無い。さっき壁に打ち付けられて…このままだと大ピンチ…!!」

怪獣:「・・・・シシシシシシシ(ニヤリ)」

ルナ:「(このままだと・・・確実に・・・し・・・)」

ケビン:「ルナーーっ!!!🗡️」

怪獣:「(頭部に金剛剣が突き刺さる)……!!グ、グギュウウウウウウウーーー・・・・・!!!!!」

ルナ:「え!?か、怪獣が・・って、ケビン!!助けてくれてありがとうケビン!」

ケビン:「怪我はございませんかルナ姫」

ルナ:「誰がか弱き乙女よ!!」

ケビン:「だめだ…話が噛み合っとらん(笑)」

(ルナのピンチに駆け付けた騎士ケビンの金剛剣により、怪獣は見事倒され、エリア112ではすぐさま瓦礫撤去や人命救助作業が開始された。)

ケビン:「エノメ・ルナ隊員、これに懲りずに…ってルナ?」

萩原:「ケビンさん。ルナさんは恐らく一日でも早く騎士になりたくて苛々しているのでしょう」

ケビン:「そうか…。隊長にもルナが騎士に一日でも早く騎士になれる様に促してみるとするかな…」

(その後、ルナは本部に帰り隊長より怪獣討伐の時の事を解説したがその日はその後も怪獣が復活しないか警戒にあたる様にルナとケビンに街のパトロールに周る様に命令を下したのだった。しかしルナはあくまで一人で怪獣を倒すのだと子供の様に駄々を捏ねるのだった…)

ルナ:「今日からは一人で!たった一人ででも出来るんだって事を証明したい!ケビン、悪いけども今日よりわたくしエノメ・ルナは勝手ながら単独行動に出ます」

ケビン:「え、ええ!?それはダメだと思うけど」

ケビン:「一人で出来るもんというのは、子供までだよルナ」

ルナ:「私はブレイダーズの隊員です。」

ケビン:「………僕にも我慢の限度がある。ルナ、コンビは解消しない?」

ルナ:「ええ。先に言ってくれてありがとう。じゃあ、今日からは私一人でやって行くわね」

萩原:「待って下さいルナさん!」

ルナ:「オサム、今はあなたに構って居られないの」

ケビン:「僕が審査員だったらルナを絶対に騎士には適しているとは評価しないね」

萩原:「(昔は学歴、今は職業的…。)これだけで人は争いを簡単に始めてしまうのは致命的ですよ。あなたもあなたですよケビンさん。」

ケビン:「そうだね。僕が悪かった。情け無い所を見せてすまないオサム」

萩原:「でも今のルナさんには何を言っても聞きません」

???:「何を言っても…?あなた達の騎士道精神は何処に行ったの?それでも人を助ける騎士なの?」

ケビン:「…!!」

(・・・隊長に命令を出されていたルナは街のパトロールをしようとしていたが、仕事上のパートナーが今居ないので途方に暮れて居たー・・・・)

ルナ:「さっきはあんな事言ってしまったけど、いざ一人でやろうと思うと怖い・・・」

咲子:「ルナ!」

ルナ:「え?さ、サッちゃん!?」

咲子:「・・・ほい🍵。お茶でも呑んで頭冷やして」

ルナ:「うん・・・いただくね。」

(何の助けか、ルナの困った時にはいつも騎士が助けに来てくれるのだった。そして、心を許せる相手だからこそその人に心を開いて自分の気持ちを吐露しだすのだった。)

(それは恐らく騎士への並々ならぬ愛と尊敬の心があったからだろう。ルナは次第に愛の裏返し、つまりある種の嫉妬心とも思える行動を起こすのだった。)

ルナ:「…ねえサッちゃん、話を聞いてもらっていい?」

咲子:「良いよ。話してごらん」

ルナ:「ありがとう。サッちゃんは何で今の仕事してるの?」

咲子:「勿論、自分にピッタリの仕事内容だからよ。」

咲子:「ほら…私がやる人の顔を見て依頼内容を渡したり、色んな確認作業をしたりするけども、こう言う仕事内容って意外と人がやりたがらないらしくて、このブレイダーズに入ろうとしたのも副職で今やってる怪研(怪獣研究所)の研究生の時に私の代わりって居るのかなってふと思ったのよ。」

ルナ:「へ〜…。そんな事思った事あるんだ。でも、いつ怪獣に襲われて…その、最悪命を失うってケースもあるよね?」

咲子:「死ぬのが怖くない…って言ったら嘘になるよ。でも、私が亡くなっても私の代わりになる人が何処かにいるならそれでいいんじゃないかな?」

ルナ:「そんなことまで思っていたの!?」

咲子:「話は戻るけど、まあケビンにも、オサムにも…他の騎士にだってきっと(自分の代わりなら居るだろう)って思った事が一度くらいはあると思うのよ。」

ルナ:「大体の事はケビンから聞いた事があるから知っているよ。」

咲子:「あのタツジ隊長でも(私が殉職しても本来代りにやる筈だった人が軍の中にいるから〜…)って小声で言ってる時あったの。」

ルナ:「あの隊長が!?」

咲子:「意外だよね〜。まあ軍人も騎士も人なりって事かな。」

咲子:「でも、それだけでルナの同情を引く様な事はしたくないの。あくまで私をはじめとした騎士も鎧を外せば人の形を持っているのよ。」

ルナ:「うん…。そうだよね、騎士になりたい思いが先行していたから周りが見えなかったわ。ごめんなさい」

咲子:「いいよん♪………ん!?」

ルナ:「なに?」

(深夜の静寂を破るかの様に不気味な声が街中に響き渡り始めるのだった)

壁を伝って「シシシシシシシシシシシ…シシシシシシシシシシシ…」と言うその声はどんどんと大きな音へと変わっていった。

ルナ:「こちらルナ、本部聞こえますか?」

ケビン:「こちらブレイダーズ本部。聞こえているよ」

ルナ:「オサム!ケビン!さっきはごめんなさい。今街中に怪獣の声みたいなのが響き渡っているの」

萩原:「怪獣の声ですね?分かりました、マザースコープより情報を収集しますから少々お待ちを」

ケビン:「オサム、僕はルナを助けに行ってくる」

タツジ隊長:「怪獣ならば皆で行って倒すのだ!ブレイダーズ各隊、怪獣討伐の命令を下す。全員出動!」

ケビン/萩原:「了解!!」

咲子:「あれが…ルナに大ダメージを与えた憎き敵…!!」

ルナ:「大ダメージって程では…あ、危ないっ!!」

怪獣:「シシシシシシシシシシシ」

(その時、怪獣が巨大な尻尾をブンブンと振り回し、それがルナのお腹を直撃してしまうのだった!!」

ルナ:「ぁぁーーーーっ!!!!」

咲子:「ルナっ!!」

ルナ:「・・・・・」

咲子:「ルナは私が守ります。私も騎士なんですから!!こんごぉおおーーっ!!けぇええええーーん!!」

怪獣:「シシシシシシシシシシシ」

咲子:「ーーー・・・(相手の方が動きが上!!)」

怪獣:「グルゥウウウウウウ………グルゥウウウウウウフフフ…」

ケビン:「あの怪獣の声…!ま、まさか動く時と停止している時とで使い分けているのかもしれない。オサム、ルナと咲子は君が守っていて欲しい。」

オサム:「了解。コンピューティングツール、ガーディアン作動!!」

ルナ:「はぁ…はぁ…っ、ひとりで…できるって…」

ルナ:「まだ私は、ひよっこなのかもしれない…。ケビンや、皆とは違って私は騎士じゃない…でも…」

萩原:「ルナさん。……だったら鍛えましょう。その心、その剣、そしてその優しさを。」

ルナ:「え・・・」

ケビン:「優しさだって弱ければ、人を守れないぞルナ」

咲子:「騎士がその鎧を身に纏っているのも、弱い自分から守る為の物なの。己が弱い事を相手に曝け出す事も必要…だけどね」

タツジ隊長:「その弱さを悪意ある者に握られれば自分で自分の身を滅ぼす事となる。」

ケビン:「ルナが守りたいもの、強くなりたいと言う思い、それは単なる入り口に過ぎない。貴女は騎士になりたいのだな…?」

ルナ:「…はい。」

ケビン:「ならば悪い事は言わない。甘さは捨てよ。」

ルナ:「甘さを…捨てる」

ケビン:「貴女はまだ乙女だ。救いようのない程に」

ケビン:「だがその乙女が誰かの為に盾となり、剣となると言うのなら漢であり、何よりも騎士である私がそれまでは貴女を守る。それが・・・」

ケビン/萩原/咲子/タツジ隊長:「騎士である!!」

怪獣:「グルゥウウウウウウ………」

ケビン:「(今の我々の声に怪獣は驚いて動きが停止している…!!やるなら今しかない。)ルナ!君の金剛剣で倒してみるのだ」

ルナ:「で、でも・・・倒せるか・・・」

ケビン:「ひとりできる…ひとりでできるんだから!」

ルナ:「!?」

ケビン:「それが君の口癖なんじゃないのか?」

ルナ:「そうだけど…。そうだけど…」

萩原:「騎士は時に単独で王や主君の隣で盾となり剣ともなります。いつも群れなければ何も出来ないのは騎士では通用しないのです。」

タツジ隊長:「だがバックアップなら任せろ。今は君を中心にパーティは動いている。」

咲子:「ルナ!!」

ルナ:「・・・(ありがとう…私は騎士になる)こんごぉおおおおーーっ、けぇえええーーん!!!!🗡️」

(私は金剛剣を取り出したが、今日のはいつもよりも何だか光り輝いている様に思えた。金剛剣はその名の通りダイヤモンドの硬度を真似て作られた兵器だが、持つ人の心に反応してその硬度を上げる事が出来るのだ!)

怪獣:「……!!シシシシシシシシシシシ……!!」

ケビン:「あの鳴き声になった。奴が動き出すぞルナ!」

咲子:「フリーズガン!!」

萩原:「よし…!!怪獣の足を凍らせた。動きが止まっている今ですよルナさん!」

ルナ:「金剛剣、いっとぉおおおおーーーりぉおおおーーだぁぁあーーんんっ!!…………」

怪獣:「し…シシシシシ………ぐ、グォオオオオ!?!!(ドカーーーーン)」

(怪獣は金剛剣一刀両断をまともに喰らい、大爆発を起こし今度こそ怪獣を討伐する事に成功するのだった)

ルナ:「フィニッシュ……!!」

タツジ隊長:「・・・状況終了。各自、怪獣が爆発四散した後処理を頼みます。」

ケビン:「よくやったよルナは」

ルナ:「ううん、やっと倒せたんだ…。だから私はまだ…」

ケビン:「今日から騎士にならずしていつ騎士になる気なのかな?」

咲子:「一日でも早くなれる様に付き合ってあげるから!」

萩原:「金剛剣だけではなく、ルナさんの心も磨き上げなくては騎士になれる日は遠いです」

タツジ隊長:「だが無理ではない。分かるな?遠くとも騎士になるのが不可能ではないのだ」

ルナ:「……はい!!」

(今日の一日は朝から胃が痛くなる様な事があったけども、騎士は一日にしてならずと言う諺もある様に私はその一日一日を有意義に過ごしていき、一歩ずつ前に進んでは後退する事を続けています。隊長や皆の助けがあって怪獣を倒せた、でも私のしている仕事って別の人物がやる事もあり得たんだよね…。
そう、私は一人でできる仕事をしているけど実際は一人ではできないもん!!って事に気が付けました。以上、本日の報告を終える)

説明1:(コンピューティングツールとは、オサムやケビン等のコンピュータやアナライザー等の職務に就く人達が自在に操れる展開型の移動や攻撃など人みたいな動きが可能な小型ロボットの事である)

説明2:(ガーディアンとは、コンピューティングツールの中では防衛や対象となる人物を守り抜く事を任されているロボットの事である)

≫第10話に続く

【次回予告】

ケビン:「ね〜お願いしますよルナ様〜🙏」

ルナ:「だ〜め。なんと言われようと私はやらないもん♪」

萩原:「またあの二人何しているのかな?」

咲子:「オサムは初めて見るもんね。…あれはね、ケビンのおねだり癖よ。」

萩原:「おねだり?デートにでも頼んでいるんでしょうか?」

咲子:「ノンノン。デートじゃないそうよ」

萩原:「え!?じゃあ一体・・・」

咲子:「それは次回のお楽しみ。」

ケビン:「さて、次回REALBLADE第10話「お願いシンドローム」です」

ルナ:「さあ、次回もリアルを掴め、ブレードの名の下に!!!」