見出し画像

【キャリア】広告運用という仕事を卒業する理由

私は新卒でインターネット系の広告代理店に入社し、広告運用業務に従事していました。
そしてこの度、転職をもって広告運用という仕事からは離れることになります。このnoteでは今回私が広告運用という仕事を卒業する理由について書いていきます。
まず、広告運用という仕事についてご紹介したいと思います。
広告運用というのはGoogleのリスティング広告やInstagramやX(旧Twitter)に代表されるSNS広告のパフォーマンスを最大限発揮できるように調整を行なっていく仕事になります。
インターネット系の広告代理店の採用サイトのインタビューとかだと「各媒体を熟知した運用のプロが広告のパフォーマンスの最大化を実現」といったようなフレーズで説明されています。
本来、パソコンとお金さえあれば誰でも出稿することのできるインターネット広告の代行が商売として成立しているのは、この「広告運用者しか知り得ない独自の手法がある」といった前提があるからと言えるでしょう。
そして、私はこの職業から足を洗うことを決めました。
さて、ここから本題ですが、その理由は「誰でも同じ結果を出せるようにしたいプラットフォーマーvs自社にしか出せない独自手法を生み出したい広告代理店、という両者の足並みのずれに危機感を感じた」からです。
インターネット広告代理店は広告の素人である広告主から、広告運用のプロとしての仕事の対価としてお金をいただいています。
何も知らない広告主にはない自社に蓄積された実績、広告に対しての独自知見を商品として商売をしているわけです。
一方、昨今のGoogleやMetaといった広告を提供しているプラットフォーマーは、逆の動きをとっています。
誰が広告を出しても同じパフォーマンスを出せるように改良を続けているということです。
具体的にはGoogleではP-Max、MetaではAdvantage+ shopping canpaignというプロダクトがそれに当たります。
これらのプロダクトは効率最大化にあたって、細々とした調整を必要としません。むしろ調整をしない方が機械学習の進行を促すことができ、パフォーマンスを最大化させることが可能です。
これは「広告運用者しか知り得ない独自の手法」を強みにしてきた広告代理店とは逆を行きます。
つまり、広告代理店に頼まずとも、AIの力を使うことで高いパフォーマンスでの配信ができるようになってしまいました。
考えてみれば当たり前です。
プラットフォーマーの目的は自社への広告出稿料を最大化させることであり、それにあたっては広告代理店経由でも広告主から直接でも、どちらでもいいのです。
どちらでも良いのであれば、広告出稿のハードルは限りなく低い方がいい、そして出稿していただいた広告主には良い広告効率を提供することが継続的な広告出稿に繋がる。
そのためには属人化してしまう要素をなくすことのできる広告プロダクトの開発というのは必然の流れと言えるでしょう。
そして、誰でも高いパフォーマンスが出せるのであれば、わざわざ手数料を取られる広告代理店に依頼する必要もなくなっていく可能性があります。
といったように、広告代理店が守っていきたいものと、プラットフォーマーが推し進めていきたい事柄が完全に逆行しているのです。
私はこういった傾向はより強まっていくと考え、広告運用からの卒業を決めました。今後は手法に縛られないマーケティングの最上流に従事する、もしくはプラットフォーマーサイドで自社の広告プロダクトを拡販・開発していくといったような役回り以外は、かなり厳しいものになるのではないかと予想しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?