電車のロング缶

朝9時頃、いつも通りの電車に乗りバイトへ向かう。僕は神奈川県の端に住んでおり、バイト先は東京のど真ん中。つまり、なかなかの時間電車に揺られる時間がある。電車の中では、読書、ラジオ、ドラマ、アニメに限る。映画にもトライしたことが何度かあったが、電車の中だとびっくりするほど集中できず、電車と映画鑑賞の相性は最悪だ。今日は、青いシートに腰掛けぼーっと窓を眺めながら、ラジオを聴いていた。そんな時、視界の端で何かが動いた。その正体は何か確かめるために、そっと目を向けた。
空き缶だ。サントリー角ハイボールのロング缶だ。荒波に浮かぶ船のように、コロコロと音を立てながら車内を右往左往している。
他の乗客は、自分の足元に空き缶が転がってきたら避けたり、軽く蹴りどこか別の場所へと転がしている。つまり、とても迷惑なのだ。誰だか知らない酔っぱらいが車内でお酒を飲み(車内でお酒を飲むのも断固反対である)空き缶を車内に置いて帰る。その酔っ払いのせいで、僕たち四号車の乗客達は空き缶を使った、ドッチボールとサッカーを融合させた競技を繰り広げざるおえない。
そして僕は考えた、この空き缶への適切な対処とはなんなのだろう。頭のいい人に聞いてみたいものだ。

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