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アメリカ中西部 KfT#20 旅の終わり、しょうゆ味を食べたい


夜中の出発


さあ、いよいよ帰国の日がやってきた。
デンバー国際空港へ向けて出発。名残惜しいけど。
マイルスはタクシードライバーの夜勤で、昨夜出掛けていった。

飛行機の時間を確認。
フライトは早朝だから、昼寝をして、夜中に出て、2時間掛けてデンバー国際空港までドライブすることになる。
安いフライトは、スケジュールが中途半端で、夜に到着して早朝に出発する。実際に行動できない日が往復で2日でてしまうから損してしまう。もう少し出費しても、行動しやすいスケジュールの方がいいかもしれないな。

昼寝をしたものの、ダニーの車の中ではすっかりうとうと寝てしまう。
さっき欲張って飲んだハーシーズチョコレートミルクがぐるぐるしてきた。
「と、トイレ行きたい」
空港までもう少しだったけど、ガスステーションでトイレ休憩。

ドライブの時間も含めて、余裕を見てダニーの家を出発して、デンバー空港へ出発3時間以上前に到着。朝早すぎて、空港にはだーれもいない。
夜中に起きてるのが辛くて、どよどよ、気持ち悪い。
スーツケースに突っ伏して寝てしまう。
待合ベンチで、ダニーが隣に座っていてくれていたが、
店も空いていない薄暗い空港で、さすがのダニーも3時間も一緒に待てない。
「じゃあ、、行くね」
「あ、ごめん、眠くて、、、」
ちょっと寂しかったけど、仕方ない。
「ハグ?」
「もちろん」しっかりハグして、
「ありがとう!」
「日本に着いたらメールするんだよ」
「OK!」

早朝のデンバー国際空港


誰もいない空港で、あと2時間はある、吹抜のある薄暗いロビーを少し歩いててみたり、少し明るくなってきた外の景色。なんとか時間まで過ごした。
徐々に係員がカウンターに入ってきた。
話しかけてきた係員に「Please speak more slowly?」と言ってみたり、
空港ゲートの白人アメリカ人の働きぶりを眺めたり、目が合って微笑んでみたり。
手荷物検査過ぎて、吹抜ロビーを過ぎて、出発ゲートの広い待合室へ。

やっとオープンした早朝のコーヒーショップへ、人が詰めかける。
スパニッシュ系の少年が一生懸命にレジをさばいている。一生懸命で丁寧。

行きはシカゴオヘア空港でトランスファーだったが、とても緊張した。
確かそのころの2013年頃から、入国審査 imigrationが厳しくなったのではなかったかと思う。指紋認証を初め、質問をたくさんされる、ということで、かなり長蛇の列だった。
滞在先を聞かれて「英語の先生」と答えたが、審査官に「Boyfriend? 」と返されて、違うけど、話が早いから、まあここではそれでいいや、と「Yes」でおわり。
トランスファーの時間が1時間半くらいでとても短かったのだ。すごく焦っていたような気がする。そんな雰囲気バレバレだったろう。

帰りのトランスファーはダラスフォートワース空港
これがものすごく大きく、広い空港で、空中電車のようなモノレールがぐるぐる、網の目メガネのように走っている。
ガラス張りで、青空の中カプセルみたいな中に入って、だだっ広い空港をぐるぐるまわっていく。ブースにひとりだった。
窓に張り付いて、わあすごい、"近未来都市”みたい!うきうきしていた。

帰りは早かった。道案内サインの方向へ進んでいけば、あっという間に乗り継ぎゲートに着く。

日本の空気と味


成田には、午後3時頃に到着。
成田空港のロビーの雑踏に出されるやいなや、無性に醤油味の、それも濃いめの味付けものを食べたくなり、中華料理屋に飛び込んで、中華ご飯を食す。野菜と肉のとろみがかかったごはんが、たまらなく美味い!

空気と気候が食を決めるのだろうか。
旅行中、まったく食べたいと思わなかった日本食、お米ごはんや醤油味のものを、成田に着いたとたんに食べたくなるなんて、不思議!

そして、ちょっと迷ったが、成田から東京にある実家まで電車を乗り継いで、ナバホ族の町、ペイジで買った大きめのドリームキャッチャーなどなど、実家へ直行してお土産を届けることにする。

そして実家から自分の家まで、さらに長い旅路になったが、東京のいつもの電車の中、スーツケースと共に、夜遅く、自分の家へ帰り着いのだった。

その後しばらくは、体は東京にいても、頭の中はコロラドやアリゾナ、ユタの自然の中にいる感覚と体があっちとこっち、バラバラで、自分がどこにいるのかわからないような、なんとも不思議な感覚がしばらく続いた。


その後のダニー


そしてしばらくして、妹のリニーから、ダニーはタバコをやめて、マイルスとは住まいを別にし、引越して、今はガールフレンドと一緒に、同じくコロラド州で、Happyな生活を送っていると聞いた。


<御礼と予告>

2013年10月にアメリカコロラド州に住むダニーとコロラドからアリゾナ州、ユタ州をロードトリップした約12日間の話はこれで終わりです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
【アメリカ中西部の旅】KfT(KYOKO from TOKYO)#1話〜#20話まであります。他のストーリーも読んでいただけると嬉しいです。

この後、2016年11月アメリカ大統領選挙のあった年の5月に、アメリカミシガン州へ、農業を始めるために家族と引越したダニーの妹、リニーの家へ滞在させてもらった話が続きます。
コロラドよりもさらに緑豊かで、広大なアメリカのカントリーサイドでの体験を綴っていきます。

どうぞお楽しみに!



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