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【アニメ感想】クラッシュギア 95点

【魅力】

●純粋にシナリオの完成度が高い

本作は一見子供向けアニメだけど舐めてはいけないです
第1話からしてその構成は素晴らしいです

天才の兄ユウヤで保ってたクラブだったけど今は亡くなっていて万願寺が部長でした
そんな万願寺が新しくクラブを作るため抜けてそれに続いて他のみんなも万願寺についていきました
主人公のコウヤは兄とは違いダメ人間なため見限られたということです
いきなり廃部寸前という最悪なスタートです
そして主人公コウヤの目的と作品のテーマを提示して最終回に向けての伏線も張られています

しかも全68話でいわゆる捨て回というのがほぼなくほとんどの回が意味のある回なので話の内容がかなり詰まっています

その内容はシリアスな回が多くコウヤやクラブのみんなが挫折や困難を乗り越えて成長する作品となっています
特に例の回とコウヤが兄の本当の死因を知った回はかなり精神的にきつかったです

●ご都合主義展開をしない

クラブの新しいメンバーを集めて満を持して挑んだ万願寺カップはまさにそれです
最初の演出からしてこの大会でいい試合をして新しいクラブのすごさをみんなに知らしめるのかと思ったらまさかの全敗

特に第3試合のエディ対クロウドでクロウド持ち前の聴力でビリヤード型ギアの弱点を見切ったかと思ったけどそれも効かず負けました

あそこは絶対クロウドが勝つと思ってたから丁度そのへんあたりで自分はこのアニメめちゃくちゃ面白いなって気づき始めました
ラストの万願寺との初公式戦も新ギア「鎧輝」のお披露目回にもなってしまいました

だから本作は先の展開が予想しにくくいつも目が離せない内容となってます

●クラブの友情

最初は結構ドライな関係でした

部員の一人がつらい目にあっていても「これはあいつの問題だ」っていって突き放すようなシーンがあったり目先のエサに釣られてクラブのみんなを裏切るシーンなどが割とありました

でも何度もぶつかり合って困難を乗り越えて少しずつ本当に信頼しあえる仲間になっていくその描写がとても丁寧です

●リアルとの違い

リアルのギアファイトはめちゃくちゃしょぼいけどアニメだと全然違います
SEやCGがかなり凝っていて迫力あるものになってます

ギアのパーツをいろいろカスタマイズしたり試合毎に整備したりアニメならではの要素が追加されてギアファイトが奥深いものになってます

相手の動きを読んでギアを操ったり戦略的になってるのもいいです

【好きな試合】

●キシン対キョウスケ (クラッシュ巌流島)

個人的に今作ベストバウト
初戦のキョウスケはギアに細工をしてたのにキシンの先読みでやられ二度目はガルダフェニックス作成に全ての時間を費やしておりキシン対策できず負け
リベンジを果たせて本当によかったです

シチュエーションもいいです
果たし状なんて古臭いもの使って戦いの舞台は特定の時間しか現れない小島
しかも試合ではないので観衆もなし
まさに男と男の対決って感じがして好きです

二度目の試合後キシンはキョウスケを見限ったような発言をしてました
果たし状を貰う当日将棋の試合相手が棄権して強いライバルに飢えてたキシンがいました
そんな中で果たし状を貰って勝負に燃えたキシンがまだキョウスケを見限ってないと分かったのもよかったです

あの剣士のオッサンがまた出たのも嬉しかったです
かつてクロウドにアドバイスをした奴が今度はキョウスケをサポートしてそうきたかと思いました

先読み能力がずば抜けてるキシンに対し揺れる柳のようにあえて無になるっていうのはよかったです
そこからのファイアスピナーの炎での蜃気楼を使った逆転勝ちは最高に熱かったです
試合後はお互い永遠のライバルとして認めて〆もよかったです

●キョウスケ対クロウド (W杯2ndstage)

キョウスケが絡む試合はいい試合率高いです
キョウスケは本当はクロウドとは戦いたくない
クロウドは負けを恐れる弱い自分に逃げてました

そんな2人の想いがぶつかり合う最高の試合でした
クロウドはキョウスケと仲違いするきっかけになった試合同様今回の試合でコウヤの不祥事での失格負けを期待してました
弱い自分に気づいて絶望するけどコウヤや他のメンバーたちに弱くていい 弱いから努力して頑張れると励まされました
弱い自分を認めてようやく本気を出して勝利を掴みました
キョウスケはクロウドにイカサマパーツを渡してようやく例の事件とのケリがつきました

キョウスケもランファンとの出会いで運命に立ち向かう強さを得てお互いが成長できた素晴らしい試合でした

●コウヤ対万願寺 (W杯決勝)

コウヤが万願寺に初めて1セットとった試合で今までずっと完敗だったから成長を感じることができました

最終セットで第1話からの伏線回収とともにコウヤが万願寺の想いにようやく触れることができました
万願寺はユウヤに弟を託され悪を演じてコウヤの前に立ちはだかる最大の敵となりました
でもここでようやくお互いを最大のライバルとして認められるようになりました

兄の死を乗り越え目標のW杯優勝とともに無駄も不足のなく物語を終えることができました

【主人公 コウヤ】

クラブをサボったり遅刻したりでかなりダメ
しかも自信過剰で血の気が多くすぐ調子にのったりもします

でも自分にとってはめちゃくちゃ好みな性格です
これは例えるならアニメポケモンの初期のサトシに似てます

売られた喧嘩をすぐ買ったりまぐれで勝てたリーグベスト16という戦績をやたらアピールしたりなどさまざま

こういう主人公が強者に身の程を知らされて努力するシーンはめちゃくちゃ好きです

【総合評価】

一つ気になる点があります
それはワンフーを引っ張りすぎたことです
平常時はコウヤコウヤとうるさく覚醒したら野獣みたいになって自分はあまり好きになれなかったです
あの監督も嫌いだしアジア杯で負けて早く退場さて欲しかったです
ただランファンだけはかなりいいキャラでした

古いし子供向けなどという外側の情報だけで判断はできないです
偏見を捨てて純粋に中身だけをみるならそこらへんに転がってる名作たちと遜色ないといっても過言ではないと思ってます
これは流石に自分の好み補正がかかってるけど(自分はいわゆる子供向けアニメがめちゃくちゃ好き)

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