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新・呼吸器内科専門医について

 こんにちは、呼吸器内科専攻医の楽俊です。
 今回は新専門医制度下(J-OSLER-呼吸器利用)での呼吸器内科専門医取得について、必要な業績や講習会などをまとめていきます。申請の時に業績が足りないなど最悪の事態にならないように、J-OSLER-呼吸器を始める段階で目を通しておくことをお勧めします。

1. 新専門医制度について

 新・呼吸器専門医制度では、呼吸器内科領域専門研修制度に沿って、呼吸器専門医取得を目指します。他のサブスペ同様、症例登録はすべてJ-OSLERでの登録となります。
 新・呼吸器内科専門医制度の大まかな要点は以下の通りです。日本呼吸器学会HPから抜粋です。

 簡単にまとめると、呼吸器内科指導医が2名以上在籍している基幹施設での研修1年以上、かつ連携施設/特別連携施設での研修1年以上、totalで3年以上の研修が必要です。どちらか片方の施設のみでの研修では認められないので注意しましょう(意外と指導医やプログラム責任者が理解していない場合があります)。
 内科専門研修との連動が4年目以降で認められており、最短で医師6年目(初期研修を含む)で修了認定、7年目で専門医試験を受験し合格すれば呼吸器内科専門医の取得が可能です。

2. 専門医の認定申請資格

 続いて専門医試験を受験するための条件です。

①申請時に日本呼吸器学会の会員であり会費を納めていること。
②基本領域専門医資格(内科の場合は内科専門医)を有していること。ただし内科専門医試験は未受験で、内科専門研修の修了認定を受けている人は同年度の申請が認められています。その場合は内科専門医試験を合格次第、合格証明を提出する必要があります。
③J-OSLER-呼吸器で呼吸器内科領域専門研修の修了認定を受けていること。J-OSLERの症例登録・病歴要約については以下で詳しく説明しています。

3. 提出書類

①専門医認定申請書
②受験料20,000円
③医師免許コピー
④基本領域専門医資格の証明書類

⑤臨床呼吸機能講習会の受講
 受験年度は問われません。1年に1回、8-9月頃に開催される臨床呼吸機能講習会への参加(1回でOK)が必須です。3日間と長丁場で、参加に40,000円かかります。WEBでも見れますが、授業の合間や終わりに出席が取られ一定以上の出席がないと単位がもらえません。内容は非常に勉強になるものが多いので、ぜひまじめに受講しましょう。ただ3日間のうち1-2日は平日であることが多く、受講のハードルは高めです。2024年は8月29(木)-31日(土)に大宮ソニックシティで開催予定となっています。専門医取得予定で受講がまだの人は早めに受講しておきましょう。参加証明書の保管も忘れずに。講習会のリンク貼っておきます。

⑥呼吸器専門研修修了証(J-OSELR-呼吸器修了後に印刷可能となります)
 修了認定にはJ-OSLER-呼吸器内で学会参加、学会発表、論文発表などの学術活動・業績登録が必要となります。以下に詳細を記載します。

・学会参加
呼吸器系および内科系学術集会や企画への参加6回(年2回以上)
(推奨される講演会として、臨床呼吸機能講習会(必須)、日本呼吸器学会学術講演会、各支部主催の地方会、および呼吸器関連学会の学術講演会・講習会など)
臨床呼吸機能講習会を含めて、毎年2回以上・全6回の学会参加が必要です。参加証明書が必要になりますので忘れずに保管しておきましょう。

・学会発表
呼吸器関連学会での発表3回が必要です。筆頭演者を1編含むのが望ましいと記載されていますが、すべて共同演者でも問題はなさそうです。これはなぜかユルイですね。抄録やプログラムを写真で撮りJ-OSLERに登録します。

・論文発表
呼吸器病学関連で3本の論文発表が必要です。筆頭著者を1編含むのが望ましいと記載されていますが、すべて共著者でも問題ありません。大学病院や大きめの総合病院に所属していればある程度論文は大丈夫だと思いますが、地域の市中病院などに勤務していると、ここが最もハードルになる所かなと思います。なんとか頑張って自分で論文を作成するか、共著者にしてもらいましょう。症例報告でも原著論文でもどちらでも大丈夫です。

 以上の書類を呼吸器学会へ提出することで、専門医試験の受験資格を得ることができます。他の内科サブスペに比べてやや取得難度は高い方でしょうか。正直最短で専門医をとることにあまり意味はないと思っていますが、ダラダラとやるよりは時間を決めて早めに取り組んだ方が良いです。
 とにかくコツコツJ-OSLERを登録し、論文をなんとかすることが重要です。気管支内視鏡専門医を取得予定の方は、気管支内視鏡学会総会での発表あるいは気管支学への論文投稿が必要なので、併せて進めることをお勧めします。

 書類提出について、2023年度は2023年6月1日(木)~7月3日(月)が申請期間だったようです。絶対に忘れないようにしましょう。試験は2023年10月8日(日)にTOC有明で実施されました。試験の時間割・内容は、
着席10時30分 終了予定時間:15時40分
10時45分~12時30分 一般問題:共通 計70題
13時45分~15時30分 実地問題:共通 計50題
とのことでした。合否結果は12月に郵送およびHPに合格者名記載で発表となっています。

 以上今回は新・呼吸器専門医に取得について説明しました。参考になれば嬉しいです。呼吸器専門医試験については、受験後に改めてまとめようと思っています。

 すべて無料で公開していますが、note作成のモチベーションアップにつながるので、寄付いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

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