劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」I〜IIIの考察・感想 間桐桜の聖杯戦争 その4

劇場版の完全なネタバレを含みますので、ご注意ください。
劇場版を見ないで読むのは、本当に勿体無いのでやめましょう。

このNoteの内容は私の主観(妄想や憶測)に関するものなので、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。

前回Noteです。特殊な見方でHFを振り返っています。
今回だけ読んでも話は通じないと思いますので、必ず前回のNoteをご確認ください。

2章(続きから)


衛宮邸、玄関


士郎がアーチャーの左腕を付けて帰って来ます。桜は「士郎に家の外に出ないでほしい」という思いが、大怪我に繋がったことにショックを受けます。
士郎が遠坂(とイリヤ)を衛宮邸に連れて来たことで、呼びかけに反応できないぐらい不安定になります。

法則4:ヒーロー(遠坂凛)は悪役(間桐桜)を攻撃します。

[ここでの遠坂の攻撃は、精神攻撃です。そして破壊力は十分です]
[桜は非常に不安定な状態になってしまいました]

衛宮邸は桜のホームグラウンドです。
遠坂は桜のホームグラウンドに乗り込んできた形なります。

土蔵(法則発動)


土蔵の中で、士郎と遠坂が話をしています。桜が土蔵の様子見に来たことで法則が発動します。

遠坂は士郎の高跳びの話をします。立ち聞きしていた桜は、士郎の笑い声と同時に、ショックのあまり過呼吸を起こします。
また、しゃがみ込んで涙を流します。これは相当動揺しています。

法則1:ヒーロー(遠坂凛)とヒロイン(士郎)は互いに惹きつけ合います
法則4:ヒーロー(遠坂凛)は悪役(間桐桜)を攻撃します。

[遠坂の精神攻撃は、桜にクリティカルヒットします。ほぼ致命傷です]
[もはや待ったなし。桜は一瞬で崖っぷちへ追い込まれました]

土蔵は桜と士郎が、ささやかなデートをした場所でもあります。

※ちなみに、植田佳奈さん(遠坂の演者さん)は、このシーンの演技について、インタビューでこう答えています。

――魔術師らしい部分が描かれた印象的なシーンはどこでしたか?

植田さん:
これまでだと、図書室でのシーンの慎二への言葉や、虫蔵を見つけたシーンなどですね。今まで作品では怒って感情を思いっきり出していたところが、今回は逆に冷めたように無機質になります。

――そんな中でも第二章の土蔵でのシーンは女の子らしい凛が描かれていたと思います。

植田さん:唯一女の子の凛が出ていい場面は、あの土蔵のシーンだけだと思っていました。そこだけ口調もいつもより柔らかいですし、それを聞いた桜が嫉妬してしまうような親密な関係を見せたいという意図もありましたので、あのシーンだけは士郎に対しての凛の感情がはっきりと出ていました。

――あのシーンだけは、あえて他のシーンとは違った雰囲気を作っていたということですね。

植田さん:第二章の時から桜のことを話している時はかなりクールにしていましたが、それでも「もっと無機質に、もっと抑えていいです」と言われることが多かったです。ところが、土蔵のシーンだけは意識して柔らかい口調にしてみたところ何も言われなかったので、その調整は合っていたのかなと思います。

https://dengekionline.com/articles/27560/

劇中で唯一、遠坂が魔術師ではなく、女の子として士郎と話しています。
桜のショックがとても大きいのは、当たり前の話です。

また、遠坂は士郎に対して、女の子としての感情を持っている、ということになります。これも後々、重要です。

士郎の寝室


桜は一世一代の大勝負に出ます。余力を残すなど、もっての外。
場に遠坂はいません。

ヒーロー:衛宮士郎
ヒロイン:間桐桜

になります。
士郎は桜の気持ちに応えて、一線を越えます。

[桜は、士郎(聖杯)を手に入れた。と自覚します]
[裏の聖杯戦争は、桜の勝利で終了しました]

※士郎は物ではないので、あくまでも「桜の自覚」というのが重要です。

ここは考察の余地があるので、書き方を変えます。

桜は、自分への気持ちが「家族としてか、女の子としてか」と尋ねています。それに対して士郎は、少し考えてから「俺は桜が好きだ」と応えます。
これは、日本語として解答になっていません。玉虫色の回答です。

少し考えたのは恐らく、「女の子として好きだ」は嘘になるから言えなかったんだと思います。この時点で、士郎が女の子として1番好きなのは、憧れの「遠坂凛」、次点で「間桐桜」です。

※補足
物語の開始の時点で、士郎の憧れ(恐らく初恋の女性)は「遠坂凛」です。
士郎と遠坂は聖杯戦争で共闘、ピンチを助け合い自然に惹かれあっています。男性にとっては、正に夢のようなシチュエーションです。

他の女の子に惹かれる理由はありません。
もし、そんな芸当が出来るとしたら、それはセイバーでしょう。

(話を戻して)理由を書いていきます。

士郎は嘘を言えない。
これを前提条件とします。

士郎が桜を「家族として好き」なら、そのまま、そう答えるはずです。
何の問題もありません。
士郎が「家族として好き」と言わないということは、士郎は桜を家族として見ていないということです。よって、「家族として好き」は除外します。

士郎が桜を「女の子として(1番)好き」ならば、これもそのまま答えるはずです。士郎が「女の子として(1番)好き」と答えない。ということは、これは嘘になるからです。つまり、1番好きなのは桜以外です。候補は遠坂以外に考えられません。

桜が2番目に好きにも関わらず、この状況で、「桜が女の子として好きだ」と答えるのは、あまりにも無責任な男の答えです。士郎はそういう男ではありません。

これが、女の子として1番好きなのは「遠坂凛」、次点で「間桐桜」の理由です。

なので、士郎は少し考え、「俺は桜が女の子として(1番)好きだ」から、嘘の部分を除き、「俺は桜が好きだ」と答えた。と考察しています。

桜が何故、玉虫色の回答で良しとしたのか。それは「家族として好き」でも一線を越えようとしたからです。士郎から「家族して」と言われても、「家族でもいいです。抱いてください」と答えたはずです。

なので、玉虫色の回答でも問題なかったんだと思います。
桜は士郎から、「好き」という答えが引き出せればそれで十分です。

仮にもし、ここまで桜が考えていたとしたら、「家族としてか、女の子としてか」と聞いた時点で、桜の勝ちは決まっていました。
尋ねておいて、答えはどちらでも良いのです。策士かもしれないですね。

小ネタ1
桜が部屋に入るなりワンピースを脱いだのは、色仕掛けを使うと決めていたんだと思います。男性に対してはかなり有効な手です。魔力供給を血で我慢し、踏みとどまったのは正解でした。

小ネタ2
「姉さんが先輩が連れて行っただけで、凄く怖なって」と桜は泣きます。
士郎は謝ったのですから、桜の涙をもっと重く重く受け止めるべきでした。女性の涙は武器でもあり、この言葉は重要です。忘れると、後で痛い目に遭います。

小ネタ3
すれ違いとして、士郎は桜の影の異変に気づいてから、桜を強く抱きしめます。これは愛情表現というより、自身の不安を掻き消すためです。
桜は、強く抱きしめられたことを愛情表現として受け止めました。

小ネタ4
桜が部屋に入った時間は23:20分、次に時計が写った時は23:50分です。行為はまだ続いていました。士郎がすぐ果てたとしても、桜は気にもとめないでしょう。でも、これには「士郎よくやった!」と思いましたね。

衛宮邸、居間(法則発動)


遠坂が朝食を作ろうとします。家事は桜の仕事(アピールポイント)です。
1章で、セイバーが手伝うと申し出た際は、桜は表情を曇らせていました。

今までなら法則発動で、精神攻撃になります。
ですが、士郎と一線を超えた今なら、これは瑣末な問題ですらありません。士郎と視線が合えば、桜はもうそれで十分です。

その後、テレビの前で士郎と遠坂が顔を近づけて話しています。
これも問題なしです。気持ちを確かめて一線を超えた男女なら、何の不思議もありません。ましてや、まだ翌日です。

[桜は、士郎(聖杯)を手に入れた。と自覚しています]
[裏の聖杯戦争は、桜の勝利で終了済みです]

イリヤの視線が意味深で、とても面白いですね。

衛宮邸、寝室


桜は、自身の変化を自覚しつつも、幸せな時間を過ごしました。

[桜は、今が劇中で一番幸せな時間かもしれません]

一線を越えると、女性から男性への好感度はさらに増すそうです。

衛宮邸、桜の寝室


既に士郎は、ゾウケンの言葉により、桜が影の正体だと知っています。

士郎は真夜中、殺す覚悟を持って、桜の寝室へ忍び込みます。
士郎は大粒の涙を流して苦悶し、桜を殺すことは出来ませんでした。

桜は目を瞑っていただけで起きていました。
桜は士郎を苦しめていると強く自覚します。
自ら問題を解決するため、間桐邸へ向かいます。

[桜も、大きく苦しんだはずです]

間桐邸、桜の部屋


慎二は桜を暴行しようとします。
更に慎二は桜へ、過去自分がどのように桜を暴行したのか、士郎へ伝えてやると言います。

桜は、完全に黒い感情に飲まれてしまい、慎二を虚数の帯で殺害します。
桜は、虚数の影と一体化しました。

[今の桜は士郎と結ばれており、これを邪魔する行動には容赦しません

慎二が桜に渡していた小瓶は、慎二が作った、魔力に反応する薬だったはずです。慎二は、薬が自分に反応しない事を嘆いていました。

桜には薬が反応しました。
慎二は薬が失敗作ではなかったことを確認すると同時に、桜の持っている能力に劣等感を感じた。という流れだったはずです。


以上で、2章が終わりです。
次回で最後になると思います。

次回に、法則、法則って、結局それなんなのよ。と
最終決戦で遠坂が桜だけ呼んだ理由、桜が遠坂を刺せた理由など、3章をベースに考察してみます。

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