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飲食店に入るとき、ヘルパーは必ず注文しなければならないのか|外出支援あるある②

こんばんは。時にガイドヘルパーをしていますありすりつです。

移動支援の時、自分の飲食代についてはヘルパーの全額自費負担、ということに私の事業所ではなっています。そこには何の疑問も不満もないのですが、ヘルパーである私は、飲食店に入るたびに必ず注文しなければならないのか、といつも疑問に思います。

例えば1日に3件の移動支援が入っているとして、3人とも飲食店や喫茶店に入るとします。

それは私がそのように誘導するのではなくて、利用者さんが希望して入店します。

利用者さんがそのお店のスイーツを食べたくて、そのお店のピザを食べたくて入店する、休憩したくて入店する、、様々な理由で入店します。

利用者さんは身体障がいであれ知的障がいであれ、視覚障がいであれ何であれ、ともかくヘルパーを伴っていなければ入店することができません。

なぜなら自分で注文や支払いができなかったり、食事自体に介助が必要だったり、そんな理由で、外食を楽しむにもヘルパーの同伴が必須なのです。

しかし、毎回、利用者さんとお店に入店するたびに私も注文していたら、私にとっては実質時給が下がるのと同じです。

なので、利用者さんに一緒に食べることを求められない限り、私は注文しないことにしています。(「1人で食べたって美味しくない」という利用者さんには頑張ってお付き合いしています!)

もちろん注文せずにいると、周りの目が気になることもあるし、お店に対しても、他のお客さんに対しても、利用者さんに対しても、何だか恥ずかしいし、情けないし、申し訳ない気持ちになります。

でもそんな気持ちを噛み殺してでも、毎回注文することはできません。お金がないので。

お金がないと言ったって、その代わりに子どもを習い事に行かせたり、必要な洋服を買ったり、家族で外食をしたり、病院代を支払ったりしているので、最終的に昼食が貧乏になってしまうのは自分の配分ひとつではあります。

しかし介護職の給料は、決して高くはありません。私も心を鬼にして配分を決めなくてはなりません。

ちなみに、私の昼食予算は…引かれそうなので公表するのはやめときます。

最近ではようやく環境改善されてきているのか、私のクレーム活動の賜物なのか、よくわかりませんが、一昔前に比べると、言われる頻度は減りました。

地域差があると思いますが、関西圏ではつい5年前ぐらいまでは注文しないことを受け入れてくれない飲食店によく遭遇しました。

「申し訳ありません、当店ではご来店のお客様分のご注文をいただかなければなりませんので」

「すみません、私はヘルパーで、一日に何度も違う利用者さんと飲食店を訪れるので、そのたびに注文するというわけにはいかないので」

「そうなんですね、それは本当に、申し訳ありません。ただ当店では、お席代もございまして、お一人様につきお一つ以上は、注文を受け賜ることになっておりますので」

まぁ確かに、私も小さな飲食店で働いていた頃、回転が激しい時間帯にはひと席でも空けておくのは惜しい感じで、お客様の承諾を得て相席していただいていた経験があります。

そういうタイプのお店であれば、さすがの私でも(例えば牛丼チェーン店とかだったなら)、何かしら一番安いものを注文しようと思うところです。

しかし、そうではないタイプのお店。例えばレストランとか、喫茶店、イタリアンのお店、スイーツのお店とか。

一番安い1品でもめちゃくちゃ高い…。

そういうお店は2人掛けの席に1人が座っているじゃないですか。

だったら利用者さんも1人と見てもらって、私は影武者みたいに思ってもらえたらいいじゃないですか。

「彼(利用者さん)がこのお店のファンなんです。ここのピザが本当に好きだそうで。彼は障がいがあって、1人では注文とか、会計ができなくて。私はただの同伴者なんですよ」

「それは本当に申し訳ないのですが、(本当に申し訳なさそうに言う) しかしながら当店ではそれはできかねますので

…できかねる?!

私はあの当時は本当にお金に苦しくて、利用者さんの手前、喧嘩とまではいかないものの、相当頭に来て抵抗したのですが、受け入れてもらえず、悲しみに打ちひしがれながら一杯500円のコーヒーを注文したのを覚えています。

あの頃は何度も同じ状況に遭遇しました。私は自然と利用者さんが高級なお店に行かないようそれとなく誘導してみたりして、でもそれって利用者さんにとっては機会損失で、虐待じゃないかって今では思うのですが。

近頃は言われることは滅多になくなりました。たまにありますが、応戦するのに疲弊するので折れちゃうことが多いです。(もちろん元気な時はめっちゃ戦います)

しかしコーヒー1杯500円とか、昼食に1,000円とかが積み重なると、回り回って遊びに連れて行けない我が子たちの機会損失に繋がるとも言えるわけなのですよね。(今では物価高騰もあるんですけど)

だからどうかどうか、私たちヘルパーが影武者であることを、ご利用者さん達が主役なのだということを、どうかどうか、飲食店の皆さまにはご理解いただきたく存じます。

※と言っても利用者さん1人で食べるというのも実際寂しいものです。なるべくお付き合いできる機会は私なりに作って、「美味しいね」と微笑みかけている優しい私もいるのです。

でももはや削るところが見当たらない今日この頃。お金の配分のことばかりいつまでも考えておられず。それより仕事を増やして収入を増やす他に道はないと痛感します。頑張りましょう。

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