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楽しい訪問介護|ホームヘルパーが語る介護現場の実態とは

こんにちは。常勤で訪問介護のヘルパー&サ責をやってます、ありすりつです。

「何が楽しいんじゃい」と思ったそこのあなた!

私も最近テンション下がり気味です。報酬アップのニュースも、訪問介護においてはネガティブな内容が多いですね。

今回はホームヘルパー歴10年以上の私が、なぜこんなに長く訪問介護の仕事を続けてこられたのか、何を心の指針としてやってきたのかを、伝えていきたいと思います。

まず最初に、何度この仕事を辞めたいと思ったかわかりません。
かつて3Kと呼ばれた有名なフレーズ通りの、
キツい、汚ない、給料安い、、
肉体労働のみならず、感情労働という、利用者さんのストレスにも向き合っていかなきゃならない、辛いばかりの日々。

ヘルパーにも人権はあるんだぞ!と思うような、ただ使い走りのようにこき使われるだけの日々もありました。

近年、訪問介護のお仕事は不人気なのか、周りの事業所はどこもかしこも人材不足。求人を出してもさっぱり人が来ない状況です。

ヘルパーさんも全体的に高齢化していて、卒業していく方も増えてきました。

ではなぜ、それでも訪問介護が楽しいと言えるのか、なぜこれからも続けたいと思うのかをお話していきたいと思います。

なぜ訪問介護は楽しいと言えるのか

私が訪問介護の仕事を好きで続けていられる主な理由は次の3つです。

①訪問介護だから

施設の方、すみません。でもこれはとても重要なことです。
訪問介護は1つの時間の中で支援する人は1人です。
つまり、1人に全集中できます。
ワンフロアを共にする嫌な上司にギラギラした視線を注がれ続ける心配もなければ、常に複数人数の中で空気を読み続けて疲労困憊する心配もいりません。
仕事の内容は計画書という名の、決められた仕事にフォーカスしていればよく、余計なことはしなくていいし、1対1な分、何であっても利用者さんから喜んでいただきやすいと言えます。

②給料が安定している

ふざけんじゃねー安すぎるんじゃボケーと思われる方もおられるかもしれません。
確かに、報酬単価だけを知ると、きちんとヘルパーに還元されているのか、と疑うほど、ヘルパーの給与は安く感じます。
しかし、国の制度に基づいた事業なので、大きなインセンティブは望めないものの、やればやる分だけ、地に足のついた収入が見込めます。
ノルマに追われた販売職や営業職時代に比べると、安心して続けていくことができます。

③色々、専門家気分を味わえる

業務が多岐に渡るため、一つ一つの分野の技術を丁寧に習得していけば、何屋さん気分も味わることができます。
いくつか、簡単に紹介させていただきます。

・入浴介助
私がお風呂好きなので、利用者さんに気持ち良く入浴していただくのを、汗だくになりながら支援するのは、変な話、気持ちが良いものです。
シャンプーするときは自分が美容室で洗髪してもらう時の気持ち良さを再現するかのように洗髪します。

・口腔ケア
同じく、歯医者さんで歯科衛生士さんに磨いてもらう時のあの心地良い感じを再現しようと試みることができます。

・排泄介助
最初はとてもビビりましたが、排泄は自然の摂理なので仕方がありません。
便を見て、今日も健康で良かったですね、と思います。
私が結構、潔癖なので、手早く優しく汚さずに処理を行うことがポイント。
利用者さんがサッパリすると自分もサッパリします。
処理するだけでなく、便や皮膚のチェックも行う所で、プロ感アップです。

・体位変換、移乗介助
私は力がないのと、元々腰痛持ちなので、いつも自信がないのですが、思うよりは苦労していないかなと思います。
要は体を密着させるとか、水平移動するとか、利用者さんの残存能力をうまく利用し、体全体の筋力をうまく使って介助を行うと、あまり力ずくで何とかするようなことにはなりません。
また怪我予防のために、ストレッチやピラティスで体のメンテナンスを行うようになり、健康的です。
んんん…ヘルパー気分ですね。

・調理
調理は超苦手です。飲食店でアルバイトをしていましたが、決まったレシピでやるのと、利用者さんの冷蔵庫にある食材で作るのでは全く違います。
初めの頃はよく家であれこれ練習して挑んだものでした。
今でも得意ではないのですが、やる以上はやらねばなりません。
でもやり出したら、利用者さんに食べていただくために一生懸命作ります。限られた時間の中ではありますが、自分の手料理で今日も利用者さんの健康が保たれているのかと思えば、大げさですが、シェフ気分です。

・掃除
もともと潔癖な所があるので、汚いのは嫌いなのですが、まあでも自分が入ることによって部屋がキレイになっていく様を感じるのは何とも言えない快感があります。
利用者さんや職場の上司には伝わっていない部分もあるかもしれませんが、私は人様のおうちをキレイにして、とても自己満足しております。
んんん、でもこれはハウスキーパー気分ではなくホームヘルパー気分。
あくまでも制度範囲内での掃除ですので。

・移動支援
主に障がい者の方の外出を支援するのですが、身体障がいの方であれば、何よりもコミュニケーション第一。
利用者さんの意向を汲みながら必要な支援を行うのですが、いかに車椅子を利用者さんの意思に沿ってスムーズに移動させるか、とか、スロープやエレベーターの場所にすごく詳しくなるプロ、みたいな感じになります。
知的障がい者の方の外出支援は、これは行先を決めるのが私は少し苦手ですが、今はわりと外出自体を楽しめているので、んん…外出を一緒に楽しむプロ?
「Y!乗換案内アプリ」を使えば時間も料金管理もある程度完璧になります。

しかし移動支援も、ただどこかへ遊びに行く、というばかりではありません。
ある日は障がい者団体さんの対市交渉やデモにお付き合いしたり、ある日は裁判所で起訴状を代筆したり、裁判で発言(言語障害ため)を支援したり、ある日は公園で鬼ごっこをするために利用者さんから鬼に指名されたり。

・事務
サービス提供責任者になると計画書などの書類を作ったり、会議に出たり、実際に契約、解約などを行ったりするので、パソコン作業や、ビジネスマナーなども身に付けなければいけません。

1人何役やねん、といった具合です。

というわけで、すべては介護保険制度、障がい福祉の制度の中で行っていくサービスになるのですが、利用者さんによって細かいミッションが全て異なってきますので、何でも屋になってはいけませんが、仕事の幅はかなり無限に近いものがあります。

それを楽しめるかどうか。

…楽しいでしょ!

給料上げてください。


長文すみません、ありがとうございました。

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