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頻出のEQグラフ3選!


EQグラフってなぁに?

EQグラフはGTO wizardやPioSolverなどのツールにおいて、”互いのレンジに何十点のハンドがどれぐらいの割合で含まれているのか”を表すグラフです。
EQグラフを見ることで、どちらのレンジがどれぐらい、どの部分で有利・不利なのかを直感的に理解することができます。

EQグラフの見方

EQグラフの縦軸はEQ(勝率)を表しており、上が100%、下が勝率0%です。横軸はレンジ内の割合を表しており、一番右がレンジの最上位ハンド、左がレンジの最下位ハンドのEQを表しています。
緑線がBTNのEQグラフ、水色線がBBのEQグラフです。それぞれがお互いのレンジ全体を反映しています。

このグラフであれば、レンジの上位30%はBTN側がEQ(勝率)で勝っていますが、それ以外の部分はBB側のレンジが勝っているというような解釈となります。

EQグラフ(例)

早速記事の本題に入っていきましょう!

頻出のEQグラフ①拮抗型

グラフの形状

拮抗型のEQグラフは、お互いのレンジの勝率がどのEQ帯においても拮抗している場合に現れます。

シチュエーション

拮抗型のグラフはSRPのFlopにおいてよく見かけます。
下のEQグラフはBTN vs BBのSRPでフロップが「Td7h6d」の時のEQグラフです。
弱いレンジから、強いレンジにかけて、おおよそお互いのレンジの強さが同じである。もしくは多少差があれど、下の図のように緩やかな場合は拮抗型に当てはまります。

BTN vs BB SRP Flop Td7h6d

取るべき戦略

拮抗型のEQグラフの場合の戦略は「レンジの一部を選んで75%未満のサイズでベットする」になります。ここまでぼやーっとした説明だとわかりづらいかもしれませんが、レンジ全体として大して有利ではないので、レンジ全体を使ってベットしていく戦略はEVロスとなります。
また、お互いにナッツ級のハンドが存在するのでOverBetを用いた戦略にするのも、EVロスとなってしまうことが多いです。

なので、無難に75%以下のサイズでベットレンジを構築するのが良いです。
参考程度に、上のEQグラフの場合のBTN側の戦略を貼っておきます。

BTN vs BB SRP Flop Td7c6d BTN戦略

頻出のEQグラフ②ワンサイドゲーム型

グラフの形状

今回の例では水色線(BB)側が一方的に強いハンドを持っています。このように強いハンド郡がどちらかのレンジのみに発生しているグラフをワンサイドゲーム型と名付けます。

シチュエーション

フロップでベットコール、ターンチェックアラウンドの後のリバーにおいて、よく見かけられます。
例として以下のスポットを挙げます。


◎Preflop
BTN raise 2.5bb
BB call
◎Flop Kd7h2h(5.5bb)
BB x / call
BTN bet 1.8bb
◎Turn 8c(9.1bb)
BB x
BTN x
◎River 6h(9.1bb)
BB ?????


上記の状況におけるEQグラフは以下のグラフになります。
レンジのどこで比較してもOOP側が圧倒的に優位であることが分かります。

取るべき戦略

ワンサイドゲーム型のEQグラフの時にBBが取るべき戦略は、それぞれの基本的にはハンド毎のEVを最大化するような戦略です。
EQ95%のハンドを持っていたらOverBet、EQ80%のハンドだったらLargeBet、EQが70%ぐらいしかないハンドだったらBlockBetというようにプレーすると良いです。

例に挙げた、スポットのBB側の戦略は以下のようになっています。

レンジ全体の戦略

非常に強いハンド郡(2p+)だけを集めると、OverBetが主に使用されており、

比較的強いハンド郡(トップペア)だけを集めると、中ぐらいのサイズのベットが頻繁に使用されていることが分かります。

比較的強いハンド(トップペア)の戦略

また、更にマージナルなハンド郡(アンダーペア、セカンドペア)だけに焦点を絞ると、ブロックベットに頻繁に組み込まれていることが分かります。

弱いバリューハンド郡(アンダーペア+セカンドペア)の戦略

上記3つから自分が持っているハンドの強さに応じて、ハンド単体の期待値が最も高くなるような戦略を取っているということが分かります。
互いのレンジのナッツ級ハンドの量によって、とるべき戦略が変動しますが、ハンド単体の期待値が最も高くなる戦略は簡易的には

EQ 90-100%→オーバーベット
EQ 80-90%→ラージベット
EQ 70-80%→ブロックベット
EQ 25-70%→チェック
EQ 0-25%→ブラフベット

とするのが良いと思います。

頻出のEQグラフ③ポラー型

この種類のEQグラフがPokerをしていて、出現頻度No.1です。絶対に覚えましょう!
ここではお互いのレンジのポラライズ度合いに応じて、強ポラー型と、弱ポラー型の二つに分けて説明します。

1⃣強ポラー型

グラフの形状

グラフの形状は以下のような形です。
今回は緑線がBTN、水色線がBBのレンジを表しています。このグラフでは、BTN側が一方的に、ナッツ級のハンドトラッシュハンドを有しており、BB側はほとんどすべてEQが50%附近のマージナルハンドを持っていることが分かります。

ポラー型のEQグラフの例

シチュエーション

この形状のグラフはSRPのダブルバレル後のリバーや、SRPのフロップでCBを打った後のターンでラグの場合に観測されます。

取るべき戦略

このEQグラフが出てきたときにBTNが取るべき戦略はカンタンです!
このグラフの場合の戦略はレンジ内の上位ハンドと、下位ハンドを使ってポラライズしたベットをすることです。
以下に代表的なスポットとその時の戦略を載せておきます。


例:
BTN vs BB SRP
◎Flop JsTs5h(5.5bb)
BB x / c
BTN bet 4.1bb
◎Turn 2c(13.7bb)
BB x / c
BTN bet 17.1bb
◎River 6h(47.9bb)
BB x
BTN ?????

EQグラフ
強ポラー型のEQグラフの場合の戦略

2⃣弱ポラー型

グラフの形状

弱ポラー型のグラフは下図のようなグラフです。
基本的な構成としては、ナッツ級において(赤線右)BTN、BBともに拮抗しており、それ以降のグラフ(赤線左)はポラー型のグラフになっています。

弱ポラー型の例

シチュエーション

このグラフはリバーにおいては、ほとんど出てきませんが、ターンでの出現頻度が非常に高いです。
具体的な状況としては、フロップで中サイズ~OverBetを選択した後に、ターンで
①ストレートドローが完成した
②オーバーカードが落ちた

場合です。

取るべき戦略

このグラフの時の戦略はポット50%-75%のサイズでの単一サイズ戦略が推奨されます。
ベット頻度は、斜線部分の面積によって決まります。この部分の面積が大きいほど、ベット頻度が高くなります。

以下に例を示します。

例:
BTN vs BB SRP
◎Flop Js8h3s(5.5bb)
BB x / c
BTN bet 4.1bb
◎Turn ①Ad②Kd③9d(13.7bb)
BB x
BTN ?????

①Adの場合

この時のEQグラフは以下のようになります。ターンカードが異なる場合と比較するので、この面積がだいたいどのぐらいだったか記憶しておいてください。

ターンAdの場合のEQグラフ

レンジ全体の戦略は以下のようになっています。

ターンAdの場合のBTN戦略

②Kdの場合

この場合のEQグラフは以下のようになります。Adの場合と比較して、真ん中部分の面積が大きくなっていることが分かります。

ターンKdの場合のEQグラフ

この場合のレンジ戦略は以下のようになります。Adの場合と比較してベット頻度が16%向上(56%→72%)しています。

ターンKdの場合のBTN戦略

③9dの場合

この場合のEQグラフは以下のようになります。この場合では、Adが落ちた場合と比較して、真ん中部分の面積が小さくなっていることが分かります。

ターン9dの場合のEQグラフ

ターンカードが9dの場合のレンジ戦略は以下のようになります。Adの場合と比較して、ベット頻度が13%低下(56%→43%)しています。

ターン9dの場合のBTN戦略

EQグラフの真ん中あたりの部分の面積とベット頻度に相関があることが、このスポットからもお分かりいただけると思います。
他のスポットに関してもおおよそ同じような傾向にありますので、他のスポットについては個々人でお確かめください。

まとめ

拮抗型・・・お互いのレンジが拮抗しているグラフ。フロップで頻出。75%以下のサイズで戦略を構築。

ワンサイドゲーム型・・・どちらか一方のレンジが大きく優位になっている場合のEQグラフ。ハンド毎のEVを最大化するように戦略を構築。

ポラー型・・・一方がナッツ級とトラッシュ、他方がマージナルハンドを持っている場合に登場するEQグラフ。
 1⃣強ポラー型・・・レンジ全体としてポラー型になっているグラフ。オー 
 バーベット
で戦略を構築する。
 2⃣弱ポラー型・・・ナッツ級は拮抗しているが、その他はポラー型になっ
 ているグラフ。中~大サイズのベットで戦略を構築する。

あとがき

今回は頻出のEQグラフを3つ紹介しました!
本記事で紹介したEQグラフが全SRPのEQグラフの8割程度を占めます。
EQグラフ、EQの分配を理解することは、脳内ソルバーを育てる課程で必須と言っても過言ではありません。
この記事がみなさんの座学の””を高めるキッカケになってくれれば本望です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
長かったですよね…(汗)
当初は1500字程度のライトな記事にするつもりだったのですが、書き足しているうちに4000字を超えてしまいました…

誤植など見つけましたらTwitter(@neru_poker43787)のDMまでご連絡いただければ訂正いたしますのでよろしくお願いします。

※本記事の内容が必ずしも正しいとは限りません。すべて計算機が出した計算結果から導き出された”経験則”に基づいて記事をまとめています。ご了承ください。

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