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はじめてのお一人様映画〜32歳の夏〜

先日、生まれてはじめて一人で映画を観てきた。
32歳にしてはじめて!
これは珍しいのかどうなのかはわからない。
何を観たかは聞くけど、一人で観たかなんて、
わざわざ聞くこともないからね。

あ、でも20代の頃に一緒に働いていた子たちは
よく仕事帰りに一人で映画に行っていたな。
新作が出るたびに今日は早く帰る!と夕方ごろからそわそわしてた。

その頃の私は、周りよりも早くに結婚も出産もしたから、慣れない子育てでいっぱいいっぱいで
映画を観るなんて、しかも一人で観るなんて考えられなかった。
だからといって、一人映画いいな〜と羨ましいという気持ちもあまりなかったと思う。
(一人時間を自由につくれることに対してはめちゃくちゃ羨ましくてたまらなかった!!)


だって、映画って誰かと観るものであるという観念が強く強くあったから。
子どもの頃は家族と、学生の頃は友達や恋人と、
子どもが生まれたら、子ども向けの映画を家族で観るもの。

一人で観る人は、よっぽどの映画好きか、
時間を持て余した人たちなのだろうと思っていた(失礼!)


たまに観たいなという映画はあったけど、
基本的にDVDが出るのを待つか、子どもや夫が観たいと言ったら行こうかな〜という感じで、自分から言い出すことはあまりなかった。


そんな私に一人映画のきっかけをくれたのが
小さな頃から大好きで毎回食い入るように観ていた「リトルマーメイド」

ビデオテープが伸びるんじゃないかと思うくらいに
何度も何度も飽きずに繰り返し観ていたアニメが
実写化されると知って、これは観なきゃ!
と久しぶりにビビビッときた!
覚えてないけど、これは一人で!と自分の中ですぐ決まった。



それから数ヶ月、公開した初日。
いつものように仕事をしていた。
数日経って、数週間経って、
いつものように仕事を、、、
あれ?あれれれ??

忘れてしまったわけではぜんぜんないけど、
むしろ行きたいという気持ちはあるんだけど、
なんだろう?この動かない感じは。



…薄々気づいてはいたんだけど、

少しすればDVDも出るだろうし、
ストーリーもわかっているのに観る意味ある?
賛否ある映画をわざわざ観なくてもいいじゃん。
もし面白くなかったらどうすんの?
観にいく暇があったら〇〇しておいた方がいいよ。

脳内で言い訳がどんどん膨れでる。
そうそう。仕事で忙しいってことにしておけば嫌な部分を見る必要がないからね。



その奥の方には、

私だけが楽しんだらダメ。
私の楽しみのためだけにお金をつかったらダメ。
=無駄なこと

家族が観たいものの方が価値があるし、
一人で楽しむことでみんなの和を乱してしまうのではという怖さがあるんだなあるんだなー。
誰かと観ることで一人で楽しむ罪悪感を少しでも減らしたいんだなー。

と分かったら
もう行ってみるしかないな!と思った。



定期的にやってくるこのパターンは、
やってみること、その後感じてみることでしか、
どうにもならないことが
最近よーく分かってきたところ。笑


その日はちょうど予定していた仕事がなくなって完全フリーな日、しかもサービスデーで笑
もう神様ありがとう!
とつぶやいて、すぐに予約を取った。



映画館へ向かう途中、ドキドキソワソワが止まらなかったけれど、
こうやって、あの時の直感を
自分のやりたい!ってことを
ちゃんと叶えてあげられることが最高に嬉しくてたまらなかった。


もちろん映画も素晴らしくて、歌声も鳥肌が立つ程美しくて、
心からひたひたに満たされた。
あの頃のどうにもならない怒りや悲しみや寂しさをまとった私の
支えになってくれたリトルマーメイドを
数十年後に映画館で観ることができるなんて、
本当にごほうびだと思った。

あの頃の私に戻ったような、
あの頃の私と一緒に観ているような感覚で
とってもよかったな〜。




行ってみて思ったのは、
一人だけで楽しんでもいいし、
家族で楽しんでもいい。

その時、その時で、私は自分の好きな方を選べる。


選ぶときはドキドキもするし不安もあるけど、
ちゃんと選べるんだということは忘れないでおきたいな。

生まれて初めての一人映画記念日。
大人の楽しみを知った日。
大人っていいな〜。



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