CDミックスだから、配信上は音が小さくなる、は誤りである事(ラウドネス問題)【DAW制作編】
こんにちは。郷に入れば郷に従えという言い伝えがありますが、もしも今、あなたの乗る船が沈みかけている時、そのまま沈むことを選ぶでしょうか。(今回はネガティブで重い内容です)
その船を作った人、操縦している人、その船の上で必要な仕事をしている人、すべての人、先人たちに心からのリスペクトを払いながらも、命は守らなくてはいけません。
利己的にならず、高慢にならず、リスペクトを払いながらも、冷静さを保ち、生きながらえるには、一体何ができるでしょうか。
音楽と日本を愛するものとして、相対個性と、絶対条件、そして信念について、日々考えさせられます。
【結論】CDミックスだから小さくなるという主張は、真ではない
さて、非常にセンシティブですが、やはりこのままではまずいと思うこととして、
"邦楽曲は、数値上の音量の大きさだけが異常に大きく、聴覚上は大きくない"
という問題を挙げざるを得ません。
詳しい根拠や数値は一度置いておき、以下に具体的に実例を示したいと思います。(専門的なレベルの話になります)
【検証】音源を実際に比較して聴く
まずは、ラウドネスノーマライゼーションをオフにして(いわゆるCD状態での比較)、何かお好きに選んでいただいた邦楽の音源と、下記音源を比べてみてください。
押し並べて、同じくらいの音量となるものが多いか、上記曲の方が大きな印象になる割合が多いと思いますが、いかがでしょうか。
では次に、ラウドネスノーマライゼーションをオンにして、もう一度聴いてみてください。(いわゆる配信プラットフォーム比較)
どのように聞こえましたか??
【分析】検証結果のまとめと数値の分析
次に実際の音量を計測してみます。(過程は省略しますが、気になる方はご自身で計測してみてください。)
すると、邦楽曲の多くは、数値上は高い音量数値を示しているのに(-3.0lufs等)、聴覚上は同等、または小さいものが多く、ラウドネスノーマライゼーションを挟んだ状態に至っては、ほぼ全ての音源が小さい、
という事に気付きます。
上記に挙げた曲は-5.0lufsから-8.0lufsほどです。
検証と分析結果をリスト化し平均化すると、次のようになります。
1. 数値上の音量
邦楽曲 ≧海外曲
2. CD上
邦楽曲 ≦海外曲
3. 配信上
邦楽曲 < 海外曲
これは、数値上は大きいが、人間にとっては効果を発揮しておらず、CDでも配信でも音量負けしてしまっている、ということを表していると考えられます。
よって結論として、CDミックスをすると音が小さくなる(音が小さければ大きくなる)というのは真ではない、ということになります。
【補足と考察】
以下に、補足を上げさせていただきます。
・上記以外の、例外もある
決して海外が全て素晴らしいというわけではありません。Kpopでも、洋楽でも、うまく音量面のケアができていなさそうだなと感じる音源もありますし、逆も然りです。
たとえば昔の音源で、Aviciiの曲などは、まさに音圧だけ高く、聴覚上は小さい、というようなものが多いです。
ここから考察するに時代とともに常に進化していく必要がある、と考えられるのではないでしょうか。
・音量が大きいということがどれほど大事かということは、人による
また、実際のところ、こんなにシビアに音量を気にして聴いてる人がどのくらいいるのか、という問題はありますし、売り上げにどこまで直結しているのかも裏付けは全くありません。
日本の音楽市場規模は2位で、現在も成長しています。
・音の美しさや音楽性をどう捉えるかは、人によるが、しかし音量の大きい小さいは万人に共通している
文化、伝統、あらゆるものへのリスペクトを忘れず、音楽に対しても謙虚に、この2つを忘れないようにしたいですね。ミーハーさと、オタクさ、両方が求められる世界だなとつくづく思います。
音が大きい方がよく聞こえるのは、確実でもあります。
以上、ざっくりですがまとめました。
少なくとも、上記検証理由から、大陸の海外と島国の日本では電気の質が違う、CDミックス、こういった主張は、科学的ではないと考えられます。
兎にも角にも、日本の音楽は素晴らしいですし、その一方で西洋に迎合するところは迎合して、相対的なものと絶対的なものをバランスよく共存させていきたいですね。
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