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ブーニン復帰公演♪をテレビで鑑賞

去る11月6日の夜にNHK・BSプレミアムで放送された「天才ピアニスト・ブーニン 9年の空白を越えて~復帰公演 完全版~」を観ました。

番組の概要は以下の通り。
1985年、ショパン国際ピアノコンクールを当時としては史上最年少の19歳で優勝したピアニスト、スタニスラフ・ブーニン。度重なるケガや病を乗り越え9年ぶりに挑んだ、6月25日八ヶ岳高原音楽堂の復帰公演の完全版。演目は、ブーニンが9歳の時、初めて人前で披露したシューマンの「色とりどりの小品」。さらに10月のドキュメンタリーでは放送されなかった演奏後のトークや、反田恭平・山下洋輔の未公開インタビューも。(番組HPより)。

10月に先行放送されたドキュメンタリー「それでも私はピアノを弾く〜天才ピアニスト・ブーニン 9年の空白を越えて〜」は、夫婦二人三脚で臨んだ公演までの日々を追ったもので、ご夫婦の真摯なお人柄が反映された丁寧な作りがとても良かったので、今回の放送を心待ちにしていました。

全国から駆け付けたファンの前で9年ぶりに演奏したプログラム全曲だけでなく、演奏後の、舞台裏に戻ってからのコメント、舞台でのトークショー、さらに東京・昭和女子大学人見記念講堂での復帰公演で披露されたアンコール曲(ショパンのマズルカ)が収録され、加えて反田恭平さんの、聴いている方の背筋が伸びるような、演奏家としての思いのこもったコメントまで盛り込まれた、充実の一時間でした。

中でも一番心に響いたのは、アンコール曲として弾いた、ブーニンさんの代名詞たる「ショパン」です。マズルカの3拍子のゆらぎがなんとも美しい珠玉の演奏でした。
ブーニンさんのリハビリはまだこれからも続くようですが、順調に進んで、ご本人としても音楽的に納得のいく演奏ができるようになる日が早く来てほしいと思います。

復帰公演の本プログラムは、シューマンの「色とりどりの小品 作品99」全14曲。短い曲を連ねた作品ということで、小林愛実さんがショパンコンクール3次予選で圧巻の演奏を聴かせてくれた「24の前奏曲」が自然に連想されました。
ブーニンさんと小林愛実さん。お二人とも非常に集中力が高く、全身全霊で打ち込む演奏ですが、集中のタイプが少し違うように感じます。
ブーニンさんは、ピアノで歌う喜び、音楽の美しさに没入している天才。
小林愛実さんは、音楽の神様に渾身の演奏を捧げる巫女。

拙い表現ですが、そんな趣。

ちなみに、ブーニンさんと愛実さんが、
集中するピアニストを、聴衆が息をのんで見つめる型
 
ならば、
反田恭平さんは、音楽の豊かさ、美しさを共に楽しみましょうと聴衆を巻き込む型
のようにも感じます。

(あくまで私個人の感じ方ですので、全然違うよ! とお思いの方、怒らないでくださいまし…。)

二本の番組で、ご夫婦の歩みに大いに感銘を受けたので、早速図書館でブーニンさんの著書やCDを予約しました。手元に来るのが楽しみです♪

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