#M35 Kinki Kids「ボクの背中には羽根がある」

3月も半ばに入り、だんだん春が近づいてきた。
この年になると、そうそう新しい出来事には出会えないのですが
今年は周囲の環境に変化が起きそうです。

思えば、春に変化が訪れにくくなったのはいつ頃なんでしょうかね。

Kinki Kidsの「ボクの背中には羽根がある」が発売された頃は
変化したくなくて、このままの日々が続けばいいのにな、なんてことを考えていました。

この歌はKinki Kidsの中でもすごく好きな歌で
何年経ってから聴いても、心が穏やかになれる曲です。
作曲は織田哲郎で、これもまた私が長く聴かせていただいている方ですね。
90年代半ばはあちこちで織田哲郎の音楽を聴いてきましたからね。
ZARDやWANDSのようなビーイング系や相川七瀬、織田哲郎が作り出す音楽はJ-POPを本当に席巻してました。

と、織田哲郎の楽曲をたくさん聴いてきたようなことを言いながら、
この「ボクの背中には羽根がある」が発売された当初は
織田哲郎作曲だと気づくこともありませんでした。
そんなことを思いもせず、どこぞの民族楽器が使われたエキゾチックな曲だなぁと思って聴いてました。

二人のハーモニーも優しくて
彼らの曲の中でも相当上位に好きな曲ですね
ミュージックステーションやカウントダウンライブではあまり観ることがなくて
何年か前にどこかの音楽番組で歌っているのを観て
「ああ、何もかもが懐かしい」
と思ったものでした。
「硝子の少年」や「全部抱きしめて」、「フラワー」のほうが売上はあるのでしょうが
私はこの曲に「懐かしさ」と「優しさ」を強く感じているので
とても印象深い曲です。

当時住んでいた場所から引っ越そうとした頃で
人生の中では、長い長い自由時間の途中でした。
好きな時間に起きて、好きな時間に遊んで、好きな時間に眠れる日々で
ずっとこんな日々のままならなぁって思っていました。

好きな人との時間はずっと続いていくと思っていたし、
どんな夢も叶うような気がしていました。
が、そんなに人生は優しいものではなく
この1年後ぐらいからまた人生は下り坂に入っていきました……。

この時代は、穏やかな日々だったせいか
発売されたのは2月ながら
私はこの曲を聴くと澄んだ空の春の日々を思い出します。
少し冷たいけれど優しい風が吹いているあの坂を登っていた記憶とリンクして
たまにあの場所「帰りたいなぁ」と思ったりもします。
あの場所に行ったところでもう誰もいなくて
夢の跡みたいなものしかないのですが。

それでいいと思ってますし、
いまの日々はしっかり受け入れていきたいと思っています。

この曲は、失った過去を悲しませるんじゃなくて
あんな時代もあったなぁと優しい気持ちになれる曲です。

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