M#17 globe「Perfume of love」

長く重いイントロで始まるこの曲を聴くたび、
将来なんて夢見ることさえできなかったあの頃を思い出します。

今回の音楽感想は、
globeの1998年のシングル「Perfume of love」です。

1998年の秋、「wanna Be A Dreammaker」から始まった4連続発売シングルの最後を飾ったのがこの曲です。
当時、この曲を聴いたとき、心が揺さぶられました。
「なんだ、この曲、すごい……!」
と打ち震えました。

globeの好きな曲は何曲もありますが、いつ私的ベストを作成しても「Perfume of love」が外れることはありません。

悪夢の最後に出てきたこの曲は本当に「魔力」を秘めていて、
終わった後に胸に残る衝動は私の拙い語彙力では言い表せない重さがあります。

こんなにすごい名曲なのに、
4連続シングルのトリなのに、
オリコンチャート1位を獲得することはできなかったんですよね。。。

当時、人気がピークに達していて、小室哲哉自身もリサーチしていたというL'Arc〜en〜Cielの「snow drop」に阻まれてしまいました。。
1998年のラルクはすごかったんですよね、本当に。
「winter fall」に始まり、
春に「DIVE TO BLUE」、
夏の3枚同時シングル「HONEY」「浸食」「花葬」、
そして秋に2週連続で発売されるのが「snow drop」と「forbidden lover」……
全部1位だったなぁ。今でも全部わかるなぁ……


脱線してしまいました。。

globeの「Perfume of love」は名曲なのに、2位で終わったという話でした。
実質、globeの最盛期はこの曲で終わりを告げたんじゃないかなと思っていて、
その後も「still growin' up」「try this shoot」「Many Classic Moments」「seize the light」など私が好きなシングルは発売されていくのですが
一般的な認識としてはだいぶ薄くなっていくのかなと。

「ASAYAN」のオーディション企画内でも小室哲哉は自ら「自分は90年代の人」というような発言もされていましたが
1998年のこの頃がglobeの最盛期の終わりだったのかなと思います。

それでも「Perfume of love」はその最後の輝きとして、色褪せない名曲だと思っています。

歌詞の世界観は悪夢の最後だけあって
大切な君から離れていかなければいけないこと、その悲しさ、切なさがこれでもかと綴られています。
KEIKOの歌唱も胸を締め付けるような切なさがこれでもかと響いてきます。

君の名前も繋いだ手のぬくもりも忘れずにいたい、
でも離れて忘れていかなければ、前には歩けないとも知っている主人公。

そんな主人公が、未来でまた大切だったその人と運命が繋がるようにしていることが一番と二番で現されていると思っているのですが
「身体中に香水をかけて気付かせてみたい」
「心の中魔法をかけて気付かせてみたい」

身体と心、それぞれで「かけている」わけですよね。

すべては忘れたくない大切な人とまた運命が繋がるように。

都会で一人残る主人公が君を忘れないために。

香りだけ残って、と最後は締められるわけですが
身体にも心にもかかったものは、君にも残ったのか、そしていつかまた運命が絡まる日は来るのか、
もし来たならもう主人公は怖い夢を見ずにすむのか、
この曲では明確な未来は示されず終わります。

まぁ、私の個人的解釈に過ぎないのですが……。


今でも秋から冬になるとこの曲を思い出すことがあります。
もう25年も経っているのに、未だに、
1998年頃の私が住んでいた冷たい部屋の記憶と一緒に思い出したりします。

「Perfume of love」は香りではなく、胸を締め付けるような思いを残していったんだなと思います。






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