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No:014【鈴の秘密】

・初めに
 前に他の記事で触れていた「鈴」の情報について、まとめて見ることにする。
「鈴」は、現在を生きる私達にとって、それほど珍しいものではなく、どこでも簡単に入手できるものであるが、古来より、「鈴」には、特別な神秘的なものとして、考えられていたらしい。そのため、何も知らない私達と違って、「鈴」の秘密を知る者たちは、その本質を隠して、自分たちだけで、その本質を共有している。
 今回は、その「鈴」の秘密について語ろうと思う。

・概要
【『鈴(すず)』/英語「bell」】
 音を出す道具のひとつ。土器や金属、陶器などでできた中空の
外身の中に小さな玉が入っており、全体を振り動かすことで
音を出すもの。
 ベル、ドラム、寺の鐘、神社の鈴、教会の鐘や呼び鈴などで
使われている。
 主に音を出して知らせることを目的として使用される。

○生まれ
縄文時代、クルミなどの木の実やマメを振ると外殻や鞘の中で種子が動いて鳴ることに着想を得て作られた道具とも言われており、マメや木の実の種子が殻や鞘とは、くっついておらず何処にもつながれていないのに外殻とともに成長するというのは、人間にとって、この上なく神秘的なものだと思われていた。
また、縄文時代には既に土鈴(どれい)と呼ばれる音を出す用途を意図して作られた器物が存在している。

土鈴(どれい)

〇漢字の成り立ち
「鈴」を「金」と「令」に分解すると理解できます。「令」はひざまずいて神のお告げを受けている人の形を表し、これに「金」を合わせて「神様を呼び、また送り出すときに用いる金属(楽器)」を表現している。

*鈴の種類*
『御守りの鈴』
これは魔除けや厄除けとして用いられている事が多く、持ち主の鈴の音を聞いた悪霊は近づく事すらしない効力を持っていた。
※考察すると、山などを歩く時、クマよけの鈴をつけて歩くことと同じ意味だと言える。

「巫女鈴」(神楽鈴)
神楽舞(かぐらまい)を舞うときに巫女が手に持って鳴らす
中心となる棒に取っ手とその上部に3段に分けて、小さな鈴を15(=3+5+7)個付けた「七五三鈴」等が使われる。これは「鈴なり」の言葉の語源ともなった。
※七五三の数字が使われている。

『本坪鈴(ほんつぼすず)』
神社のガラガラの名前。
賽銭箱の前にある拝殿(はいでん=参拝を行う場所)の頭上に吊るされている大きな鈴。
鈴を鳴らすための紐は鈴緒と言う。
本来鈴の清らかな澄んだ音色には、悪いものを祓う力があると信じられており、
その清々しい音色で参拝者を敬虔な気持ちにするとともに参拝者を祓い清め、神霊の発動を願うものと考えられている。

『熊鈴』
ヒグマは一般的に、人の存在に気づくと人を避けることのほうが多い。
鈴を鳴らすことにより人の存在をヒグマに知らせ、近距離でばったり出遭うのを防ぐことができる。

「御鈴(みすず/おりん)」
仏具の1つ。縁を棒で打ち鳴らして用いる。
「鈴台」と呼ばれる台の上に、「鈴布団」と呼ばれる中敷を置き、その上に「鈴」を乗せて用いる。

「除夜の鐘」
日本仏教にて年末年始に行われる年中行事の一つ。
12月31日の除夜(大晦日の夜)の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘を撞(つ)くことである。除夜の鐘は多くの寺で108回撞かれる。

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