2022/08/28 リゾバ3日目 ポパーイ

・朝5時ごろ、急にサイレンが鳴り「〜警報、〜警報」という電子音声が寮内に響いた。「緊急水底警報」みたいに聞こえたのでスマホで調べてみたけどそんな警報はなく、何事だろうと思いながら布団の中で身じろぎしていると、2分ほどして音が止んだ。誰かが避難しているような音もしなかったので、呑気にそのまま再び眠りについた。

・朝7時に出勤すると、停電の話で持ちきりだった。私はすでに寝ていたから気付かなかったが、どうやら昨晩ちょうど日が変わるころに停電が起こり、マネージャーや支配人は夜通し奔走していたらしい。ようやく電力が復旧したのが朝5時。警報は復旧と共に起こった誤作動だろうとのことだった。

・山奥の宿だからライフラインの復旧がかなり大変で、思ったよりも災害然とした雰囲気が漂っていた。電力がなくなったらスマホも使えなくなるわけで、そしたら私はこんなところで生きていけない。電気が戻ってよかったなぁと心底ホッとした。


・朝9時半、水が止まった。館内全体の水が使えなくなり、温泉だけが湧いている状態になった。当然調理場の作業はストップしたし、温泉も清掃中だったようでそのまま使用停止となった。フロントは今日来る予定だったお客さんに「水も食事も温泉もない状態での素泊まりなら可能です」という旨を連絡して、まあ当然みんなキャンセルしたので、事実上休館になってしまった。

・朝の停電騒動もあって山奥の災害に対する恐怖が植え付けられていたので、水が止まったと言われて戦慄してしまった。飲み水は?お風呂は?トイレは?

・マネージャーに「あのぉ〜生活用水ってどんな感じになるんですかね…?」と尋ねてみると「お風呂はねぇーとりあえずパス!飲み水は自販機にあるやつをみんなで飲むとして、トイレは…まぁ男なんだしさ、川にお願いしますよ!笑笑」と通達された。急にサバイバル感出されても困るんですけど…そんなんなら帰阪しますよ…

・2時間ほど経ち、支配人が来て「役場にかけ合ってみたらタンク車寄越してくれるって」と伝えられた。みんな大喜びでよかったよかったとはしゃいでいたが、私はアルバイトで来た人間に男なんだから川で用を足せと言い放つような奴らとうまくやっていける気がせず、本心からは喜べなかった。つくづく他人を苦手になるのが早いな私は。

「役場にかけ合ってみたらタンク車寄越してくれるって」←これ田舎の言葉すぎる。役場にかけ合うのもタンク車寄越すのも田舎の人しかやらん。

・タンク車が来るまでは時間がかかるらしく、まだお風呂やトイレを我慢する必要があるとのことで、じゃああんまり何も口にしない方がいいかぁと空腹のまま過ごすことになった。なんでこんな山奥でこんな仕打ちを受けなきゃいけないんだ。時給制だから働いてないあいだは給料も出ないし。不平不満が止まらなくなってきた。

・何も口にしないで部屋にこもってようかなと思ったらまた料理長が「これ揚げたけど客来ないしお前が持ってけ」とカツをくれた。おい!ありがとう!!カロリー!!!トイレ!!!!

アルミカツ


・リゾートバイトに応募した当初は「大自然の中で悠々暮らしながらお金も稼げるなんていいことづくめやね」と思っていたのだが、3日くらい働いてみて考えを改めた。私は大自然を見るのが好きなのであって、肌で感じるのは苦手だ。見渡す限りのきれいな草原に立つのは好きだけど、そこに座って土に気づくのは苦手だ。旅館の窓から森や海を眺めるのは好きだけど、そこに踏み入ってアドベンチャーに興じるのは苦手だ。虫は見るのも触るのも嫌いだ。

・生粋のシティボーイだもんで…名古屋の古本屋で90年台のPOPEYEを扱ってる時がいちばん楽しかったかもしれない。なぜならシティボーイだから。大須で古着みて缶ビール飲みながら大通公園散歩してる時がいちばん楽しかったかもしれない!なぜなら私はシティボーイだから!!なのになんでこんな山奥にいなきゃいけないの!!!

・Twitter見たらみんなスプラ前夜祭してるしさぁ〜バイトのLINEはちいかわの一番くじがどうのこうので盛り上がってるしさぁ〜置いてけぼりかい!

・温泉も入れないし、noteも書き終わったし、勉強でもするかな…ほな……

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