2022/08/25 リゾバ0日目
・飛行機で、私のちょうど前の席に座った子供が、外に何が見えるとかすごく揺れるとか怖いとか楽しいとか、母親に対して一生懸命伝えている。私が白髪の上品なおばあさんなら「元気でよろしねぇ」と思えたのだが、睡眠3時間で朝イチの便に乗り込んだ余裕のない学生としては「頼むから寝させて」と狭量な感想を抱いてしまう。
・とはいえ安易に子供を黙らせるべきでもないような気もする。伸びやかにキャッキャ騒がせている方が利発な子に育つかもしれないし。そう思うと甲高くて喧しい声もまぁ許せてきた。
・子供は他人のリソースを食い潰して大きくなっていく。お金や時間のみならず、まわりの心のキャパシティも容赦なく使い込む。子供の一挙手一投足を喜ばしく思うのはその親か子供好きな人くらいで、ガキが…静かにしろ…と内心キレつつも我慢しなければならない人だって公の場にはたくさんいる。そんな事情など知らぬ存ぜぬといった様子で身勝手にスクスクしてるんだから恐ろしい。
・でもまあ子供は悪くない。強いて言うなら嗜めない親が悪いけど、親が完全に子を制御するべきっていうのもなんか怖いし、もはやどうしようもないのかもしれない。子供って無敵だ。
・「子供が泣くのは仕方ないけど、せめて親が申し訳なさそうにしろ」みたいな意見をたまに見聞きする。まあわからなくもないけど、あれを他人に強要するのはちょっと違うよな。外からとやかく言うことではない。てか「申し訳なさそうにしてたら許してやるよ」ってスタンス意地悪すぎる。
・そんなことを考えながらヘッドフォンを装着したらいつのまにか眠っていて、着陸の衝撃で目を覚ました。
・空港ではいくつかやるべきことがあったので、重たいキャリーケースを引きずりながらウロウロした。30分もすれば電車が出てしまうので、それまでに全てのタスクをこなす必要があった。
・構内のドラッグストアで旅先のあれこれを買い揃えていると、店先で子供の泣き声が聞こえた。お母さんお母さんと喚いていて、どうやら迷子のようだった。本来なら大人である私は困っている子供に手を差し伸べるべきなのだが、なぜかスッと通り過ぎてしまった。通り過ぎたあと、2秒もしないうちにすごい自己嫌悪に襲われたので踵を返したが、そのときすでに案内所の方が駆け寄ってきていた。私は出る幕をなくし、モヤモヤのやり場もなく空港をあとにした。
・電車で子連れが乗ってくれば席を空けるし、スーパーで子供がぶつかってくれば少しおどけてやったりもするのに、泣いている迷子を瞬発的に助けることができなかった。急いでいたからだと信じたいが、機内での子供に対するヘイトを別の子供にぶつけてしまった可能性を捨てきれず、嫌になってしまう。というか子供にヘイトをぶつけるような大人であってはならない。必ずしも愛して可愛がる必要はないけど、成熟度の差を踏まえた言動を心がけるべきだ。いや心がけるとかではなく、自然とそうあるべきなんだ、大人は。だから「急いでいたから」というのもヘンで、もっとこう、本能的に、大丈夫!?って感じになりたかった。
・リゾートバイト0日目はこのように始まりました。
・働く場所自体はだいたい満足。寮がちょっと年季入りすぎなのと、宿の周りでバッタが異常繁殖していること(ガチでキモすぎる)以外は、とてもいいかんじ!温泉も最高だし人も優しいし自然も豊かだし星空も綺麗だし。
・あっでもまかないがちょっとアレでしたね。募集ページでは「美味しいまかない付き!」って触れ込みだったのに、現地に来てみたら「レストランの営業が終わると、このへんに、バイキングの残りが下げられるので、それを、各自で、たべます」と言われて驚いてしまった。いや別に残飯ってわけじゃないし、味も美味しいんだけど、なんか、釣られたみたいで、なんか。
・あとWi-Fiもなかった。本ッ当に厳しい。これに関しては当然あるものと考えていた私の甘えだ。山奥にくるんだし確認しておくべきだった。幸い4Gなので通信自体は問題なくできるんだけど、無制限じゃなくなったのがだいぶストレスだ。まあいざとなったらギガ買うかな。スマホないと死んじゃう。
・あとこれも私が悪いんだけど、Switchを持ってき忘れたせいでスプラ3ができない。悔しいよ。まあでもどうせWi-Fiないんだしできねーか。ハハハ。
・いやダメだ。気を抜くと悪いところばかり目についてしまうのは私のよくない性格だ。明日からしばらく働くんだし、良いところを見ていこう。温泉に入ってすべすべぽかぽかなまま寝よう。おやすみなさい。
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