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ぶつかりおじさん

数年前、私は初めて
「ぶつかりおじさん」の標的にされた。
混んでたわけでもない日のホームで。
こちらにめがけて突っ込んでくるおじさんに
すぐに気づき、避けたがずっと追いかけてきた。
走り逃げ切れたが怖かった。


そして数か月前にも起きた。
改札に向かうために構内を歩いていたら
私より先を歩いていた女性に
おじさんの肩が触れ思い切りぶつかった。
そしてそのまま私にも突っ込んできた。
急いでかわしたが、
もし気づかなかったらと思うと
恐怖でしかなかった。
女性はスマホを操作していたから
避けることができなかった。
でも、ぶつかっていい理由になるのか?
私は前を見て歩いていた。
女性だからぶつかっていくのか?


どうしてわざとぶつかるのだろうか。
パートナーに
「駅でわざとぶつかられたことある?」
と聞いてみると「ない」と答えた。
そしてこう続けた
「そんなことなんでする必要があるか分からない。
ぶつかりおじさんの存在すら知らなかった。」と。

「存在しない女性たち」
という本で読んだことがある。
このような女性を対象にした
攻撃は男性の目の前で行われることは少なく
男性が認識できていないことがあると。
まさしくこのような現象なのだなと感じた。


あるラジオ番組で「ぶつかりおじさん」
について男性2人で話していた。
目撃した男性は
「どうしてあげればよかったのだろう」と
悩んでいる様子だった。
もう一方の男性は
「危険だから駅員を呼ぶしかない」と。
どうしてあげればよかったのだろうと
思い悩んだ男性に私はありがたいと思った。


ぶつかられた女性は衝撃に痛み、
そして恐怖と不安を感じる。
追いかけようとしても既にいなかったり、
恐怖で動けない人もいるだろう。
結局、女性は男性に力では敵わない。
だから女性は沈黙せざるおえない。



「危険だから」と言った
男性の言い分も理解出来る。
危険な目に遭いたくないのは
誰にでもある当たり前の感情だ。
せめて女性の身を案じたりするだけでもいい。
見て見ぬふりはしないでほしい。
そして自分はこんなことはしない
という意識を持っていただけるだけでいい
そしたら、
「ぶつかりおじさん」は絶滅するのではと思う。


本日はこの辺で。

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