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ギターのリフレットを出すにあたって、参考にしたもの

リフレット=フレットの交換。

リフレットに出すということほど、悩ましいリペアもないんじゃないですかね?
何よりも、一本のギターで様々なフレットを比較実験して試すことはまず不可能です。
そんな実験に耐えられるギターがあるのでしょうか?
金銭的にもきついものがありますね。
そのため、フレットのサイズや材質の違いからくる音や弾き心地の変化のレビューはほとんどリペアマンやギタリスト側の主観にゆだねられます。

主観にゆだねられるということは、情報が玉石混交になってしまうということを意味しています。
(まぁ、インターネットそのものがそういうものなんですけど。)

そこで今回、自分のメインギターをリフレットに出した私が参考にしたHP等をご紹介したいと思います。


静岡のY.O.Sギター工房さん

参照元はこちら

個人的にはもっとも分かりやすい説明でした。
特にフレットの高さと幅に対する具体的な言及は非常に参考になります。
私なりに要約すると、
フレットは高さ×幅×硬さ(素材)で考えると良い。

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(Y.O.Sさんのブログをもとに作成)

以上の表に加えて、硬さが組み合わさります。

ふつう:ニッケルシルバー
カタめ:フリーダムSpeedy(ステンレス)
バリカタ:Jescarのステンレス

こんな感じでしょうか。

つまり、27の組み合わせで考えると分かりやすい、ということですね。
27の組み合わせは多すぎるような気がしますが、元のギターのフレットサイズによって入れられるフレットが変わってくるようなので、実際にチョイスする際は多くても6つくらいには絞られるかと思います。

ここからサウンドや演奏性の話になるのですが、私がプロではないうえに、今まで意識的にフレットサイズの違いについて考えてギターを弾いてこなかったため、そのあたりへの言及は避けておきます。
気になる方は、Y.O.Sさんのブログを覗いてみてください。


Fender公式

じゃあ結局、何にもわからないじゃん、という声が聞こえてきそうですが、そこで参考になったのがフェンダー公式の言及です。

6230:フェンダーの楽器に採用されている中で最小のモデル
(.078″ x .043″)
6150:ヴィンテージジャンボ/幅は広めだが6230よりも低い 
(.102″ x .042″)
6105:ナロートール/近年主流のモデル
(.090″ x .055″)
6100:ジャンボ/現行のフレットワイヤーの中で最も大きい
 (.110″ x .055″)
6130:ミディアムジャンボ
(.106″ x .036″).

多くの方が、フェンダーの最近のモデルを試奏したことがあるかと思いますが、
American Professionalがナロートール(2.286mm×1.397mm)
(Y.O.Sさん基準:高さ×幅=高×中
American Performerがジャンボ(2.794mm×1.397mm)
(Y.O.Sさん基準:高さ×幅=高×太
American Ultraがミディアムジャンボ(2.6924mm×0.9144mm)
(Y.O.Sさん基準:高さ×幅=低×太
となります。
ちなみに、
6230(フェンダー最小)は1.9812mm×1.0922mm
(Y.O.Sさん基準:高さ×幅=低×細)
6150(ヴィンテージジャンボ)は2.5908mm×1.0668mm
(Y.O.Sさん基準:高さ×幅=低×中)
です。
これらはフェンダー公式で見当たらなかったので、おそらくカスタムショップ製で、ヴィンテージ志向のものやらテクニカル系のものやらに採用されているのではないでしょうか。
上記の表に当てはめると、こんな感じ。

画像3


いずれにしても、フェンダーのレギュラーラインナップであるウルトラ、プロフェッショナル、パフォーマーを弾いたことがない人はそう多くないと思いますし、大体どこの楽器店にも置いてあると思うので、気になった場合は試すことも可能かと思います。
これらを試奏してみれば、なんとなくフレットサイズの感触はつかめるかと思います。


素材による音の違いはどうなんだよ問題

これに関しては、主観以上のものが出てこないので、なんとも言えないのですが、
「ステンレスはキンキンした音になる」
とおっしゃっている方が非常に多い印象です。

また主観的な部分も大きいのでY.O.SさんのブログでもEQでアジャスト可能と述べられていますが、サウンドへの言及は非常に慎重なものです。
一方で、fujico overdriveさんのリーダーさんはブログで、

ステンレス・フレットへの交換でよく言われる「ハイが出る」とか「エッジが立った」は、生音には確かにシャリっとした感じがあるが、暫く弾いていれば気にならなくなるし、アンプを通したサウンドではシャリっとした感じは無く、ダイナミズムが広がる感じで心地良い。ステンレス・フレットへの交換はこれで3本目だが、全て同じ印象。

と語られています。
総括すれば、ハイが出るようになる(倍音が増える?)ことは事実だが、それほど大きな影響はなく、EQで何とかなる程度、といったところでしょうか。
SuhrのギターのClassic S(ストラト)がステンレスフレットを採用していることから考えると、ステンレスはモダンなギターの音色だといえるかもしれません。


私の結論

最終的に私は、
①アメリカンプロフェッショナルを試奏したときに弾きやすいと感じた
→いわゆるナロートール(Y.O.Sさん基準:高さ×幅=高×中)に。
②メインギターが決まっておりできる限りフレットまわりのリペアを減らしたい
③モダンなギターが基本的に好きで、たとえキンキンしたとしてもEQで何とかなるという言及を信じる
→ステンレスフレットに。
ということで、ナロートールのステンレスフレットでリペアに出しました。

メイプル指板なので、塗装の分、作業に時間がかかっています。
正直、メイプル指板のリフレットのレビューってほとんど見たことない(塗装の分、料金と時間がかかるのが要因?)ので、ギターが帰ってきた際にはまた主観的なレビューをしようかと思います。

2020/6/29追記。
帰ってきたのでレビューしました。


最後に

最後になりましたが、引用させていただいた個人ブログであるY.O.Sさんとfujico overdriveさんに感謝申し上げます。

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