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【ピアノと白内障 #1】ピアノ演奏に合わせた眼内レンズ選択を決心

70代とか80代とかになるまでに100%発症するといわれている病気。それが白内障。当時としては長生きしたピアノの魔術師 F. リストも晩年、白内障に苦しめられたそうです。

私の場合、実は40代の比較的若いうちから「白内障がありますね」と眼科医から指摘されていました。ボールをぶつけるなど目に衝撃を受けたり、アトピー体質だったりすると、早期に発症するそうです。

ただ、すぐに手術をする必要はなく、視力低下など見え方に不便を感じていなければ様子見ということなので、ある意味放置していました。。。

急激な視力低下で病院に行く

ところが1年半前ごろから左目コントラストの低下を感じ、さらにそれから半年経った1年前から急激に視力が低下しました。左目は明るい場所だと白くかすんでかなりまぶしく、ほとんど見えない状態に。薄暗い場所だと部屋の様子程度は何とかわかりますが、PCの文字やピアノの楽譜などは眼鏡で矯正してもかなり大きな文字でないと判別できなくなってしまいました。

なので、急遽、 眼科に定評がある近くの大きな病院に行くことに。診断の結果、典型的なアトピー性白内障で、片目だけ発症したり、視力低下の進行が速いのが特徴とのこと。かなりひどい状態なので早速手術を勧められました。

ただ、そのとき医師に言われた言葉に戸惑うことに。。。

あなたは強度近視でコンタクトレンズを常用していない。片目手術の場合、近くにピントを合わせれば、今までと同じように眼鏡をかけて生活できますよ。30cm。右目に合わせて20cmにもできる。でも、一生、近視になってしまうけどね。片方が悪くなくても両目とも手術する人もいます。遠くに合わせる場合は、両目手術しないと眼鏡が使えなくなってしまうので。どうしますか?

まだ右目は見えるのに両目手術はできることならしたくはないのが正直な気持ち。でも、一生近視という言葉にどうも引っ掛かりを感じます。なので、その場では手術の決断はせず、検討してから再度受診することにしました。

セオリーに従って一生、近視になる?

自分で調べてみてわかりましたが、白内障手術は保険診療で手術できる単焦点眼内レンズを選択する人が大半。患者は60代以上の人が多いし、安価だから当然ですね。

単焦点眼内レンズの場合、よく見える距離を遠方(2m~∞→-0.5D~0D)、中間(50cm~1m→-2D~-1D)、近方(30~40cm→ー3.0D~-2.5D)のいずれかに合わせて手術しますが、正視(=遠方合わせの0D)にする人が多いそうです(見えない距離はそれぞれ眼鏡を使って矯正)。

すごい強度近視の人も遠方合わせにすれば近視が治るので喜ばれるそう。QOLが改善し、生活が一変するわけです。しかし、これは両目手術をする場合。。。

片目だけ白内障が進行した人は、基本的に非手術眼の視力に合わせるのがセオリーなんだそう。左右の目に大きな視力差(2D以上)がある不同視の状態だと、眼鏡で矯正できなくなってしまうからです。

※2D以上だと左右の目で結像する像の大きさがはっきり異なってしまい、立体視ができなくなってしまうとのこと。

※ちなみにDディオプター(屈折度)のことで、コンタクトレンズのパッケージにPWRの数値として書かれています。私の眼鏡は-7.0D。コンタクトレンズ(夏のリゾート地のみで使ってます)はそれより低矯正した-6.0D。-6.0D以下の人は強度近視とされます。つまり、私は約14.3cm(=1m÷7.0)くらいに目を近づけないとピントが合わないド近眼です。

ならば、仕方がないかと一時はセオリー通りに医師が言う-3.0D(→1m÷3.0=33cm)の近方合わせにしようと決心しかけました。強度近視だったのが30cmの距離が見える普通の近視に改善し、今まで通り遠近両用メガネをかけて過ごせるんだから、それでいいじゃないか、と。

でも、本当にその選択でいいのだろうか? 

ピアノのために一生に一度のチャンスを生かす

白内障手術は、ある意味、近視を治すことができる一生に一度のチャンスです(※眼内レンズは目の中で癒着してしまうので、原則レンズ入れ替え手術は不可)

それをみすみす捨ててしまうのはあまりにももったいない
これからもまだまだピアノを弾くし(仕事も運転とかも当然)。

私は子供の頃から眼鏡をかけていて、球技などのスポーツで苦労し、ピアノに関してもどんどん近視が進んで、楽譜が見えにくいときが多く、弾きづらかったです。そして、老眼が始まっている現在でも苦労しています。

楽譜が見づらいときは無意識に距離を調整しようとし、姿勢が悪くなります。以前習っていた先生(強制退会の先生)に何度も、

お爺さんみたいに背を後ろにそらして弾いています
・頭を頻繁に動かしながら弾くのをやめてください

等、よく苦言を呈されていました。。。

後ろに重心が移動すれば鍵盤に重みを乗せられずタッチが貧弱になるし、頭を動かせばバランスが崩れるし、思わずメガネがずれてミスタッチで演奏が止まる。。。

しかも、以前の教室に在籍した末期の頃は、左目がほぼ見えなくなり、跳躍時によく音を外し、楽譜から目を離すと復帰できない、いわゆる「落ちる」状態も頻発しました。

そのたびに先生から私の不真面目さを非難する冷たい視線にさらされました。

以前の先生の言うこと自体は間違ってはいないと思いますが、ピアノがうまく弾けないのは練習不足だけではなく、視力が影響している、ということを私は強く強く認識していました。

でも、ピアノの先生にとっては、そんなのものはただの言い訳にすぎないようです。

確かに目が見えないピアニストもいるくらいだし、目よりも耳のほうが大事で、聴力に集中して目をつぶって弾けるくらいにならないと、ということなら私の練習不足は確かに否めないですしね。

でも、ピアノ演奏に最適な眼内レンズを選んで白内障手術すれば今よりも確実かつ簡単にピアノ演奏のパフォーマンスは上がるはず。。。

そんな信念というかを捨てることができなかったので、あえてセオリーを無視し、両目手術や高価な多焦点眼内レンズの選択を検討し、術前検査と多焦点眼内レンズ選択のカウンセリングを受けることにしました。

(長くなったので次回に続きます)

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