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#75 人の拍子感を笑うな(フランス組曲 No.2 アルマンド 3回目)

前回の続きです。

ヘンレ版のフランス組曲 第2番のアルマンドですが、先生がかつて習っていたであろう楽譜(カイザー版)でレッスンしなおすことになりました。

今回のダメ出し

やり直しと言っても、半分以上はアンナ版とほぼ同じなので、今までやったことがすべて無駄ということではありません。で、今回のダメ出しは以下の通り。

  • 同じ音型なのに、ソプラノとアルトが弾き分けられているところと、できていないところがある。

  • 全体的に淡々と弾きすぎ。フレーズを意識して強弱をつけて。

要するに弾き分けは、ソプラノとアルトを同じ音量にしていてはダメだそうです。どちらかを目立たせる、と。最初はアルトを目立たせようと思っていたのですが、同音を連打する部分はソプラノを目立たせて、一部、アルトのフレーズを強調する部分に修正して弾いたところ、先生が何も言わないので、それで弾くことにしました。

で、ある程度、なおったところで、先生がおそるおそる、

最後に速く弾いてみてはいかがでしょう。
この曲は4拍子なので。。。

と言ってきました。

拍子感って結局「○○○」?

シンフォニアのレッスンのときから、何度も何度も何度も何度も拍子感のダメ出しをされ続けましたが、今回のフランス組曲からは相当、拍子感についてダメ出しされることに嫌悪感を顔に出していたので、ある意味先生の反応はもっとも。

でも、拍子感が出る出ないって、そもそもテンポの問題も大きいですよね。

どんなにピアノが上手な人でもプロでも、極端な話、1拍=10秒とか、1分とか、1時間!とかで演奏したら、拍子感なんか出せるわけないんだし。。。
(出せるというのなら、やってもらおうじゃないか! でも、私はそんな演奏をわざわざ聴いて確かめるほど暇ではない)。

実際、先生のお手本演奏でも2拍子が4拍子に聴こえることなんてよくあるし。今やっているベートーヴェンのソナタ10番の2楽章とかまさにそう。先生の演奏でも、ちっとも2拍子に聴こえない。

逆にMIDIでただ打ち込んだだけの、フレーズ感も拍子感も強弱も何もない、ただのコンピュータの演奏でも、その曲を4拍子だと思って聞けば、ちゃんと、”私には”4拍子に聴こえたりする。

減点主義の意地悪な気持ちで聴けば、4拍子が8拍子に聴こえるし、2拍子は4拍子に聴こえる。。。逆に優しい素直な気持ちで聴けば、自分の思うままに、どんな演奏でも4拍子は4拍子に、2拍子は2拍子に聴こえる。。。

結局、拍子感って、最後は聴き手の

「気持ちの問題」

なのでは? とも思う今日この頃です。

音楽のリズムの取り方は、音楽の聴き手の自由。表拍で取ろうが、裏拍で取ろうが、何拍子でとろうが、好きでよい。
その代わり、弾き手にとっても自由なのだから、聴き手が受け取る拍子感やリズム感と違っても不思議でも何でもないのだから、聴き手はいちいち文句言わない。

それに、先生もレッスンでは拍子感のダメ出しをするだけで、どうすれば治るのかや、改善するのかは、大人相手ではわからないそうです。それだったら、もうダメ出しはいらないです。そして、いちいち自分の感覚で、人の拍子感を笑わないでほしい

でも、私は自分の拍子感を改善するつもりはない、とは言ってはいません。先生が教えられないのだから、自分で楽しみながら、好き勝手に試行錯誤しようと思っています。

最近の電子メトロノームの細かい機能をフル活用した練習とか、(ピアノの先生は皆それはダメだというけど)弾きながら思いっきり体でリズムを取る、左手で指揮とりながら弾いてみるなど、いろいろ試してみるつもりです。

ただ、最初は誰がなんと言おうと、拍を本来より細かくして弾いたり、極端な話、1拍子で弾きますけどね! これも試行錯誤の1つ。その方が譜読みが速く進むし、拍子感なんか気にせずに思うままに弾いたほうが、ピアノにおいて何よりも大事なモチベーションが保てるので。

テンポアップして合格

というわけで、日ごろレッスンでため込んでいた不満をnoteで吐き出しましたが、先生のリクエストについて戻ります。

私がどんなに拍子感がなくて8拍子にしか聴こえない演奏しても、速く弾けばそれなりに4拍子には聴こえるみたいで。。。

この曲は私は普通よりゆっくり弾いたほうがよい曲だと思っていますが、最後に先生のいう通り、テンポアップして弾きました。ダメ出しばかりの先生からも「4拍子に聴こえる」と言ってもらえて、3回目にして、フランス組曲 第2番 アルマンドは合格に。

次はクーラントです。

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