イスタンブール、アタテュルク空港

イスタンブールのアタテュルク空港。
留学中にたびたび使っていた。
イスタンブール観光自体はほとんどしなかったものの、あの空港で何時間も過ごしたので、あの雑多だけれどどこか幸せな空気はよく覚えている。

私にとってのアタテュルク空港は、バンプオブチキンの音楽と結びついている。
単にアタテュルク空港経由でどこか行く時に、バンプの音楽を延々聴いていたというだけなのだけど。
留学先の閉鎖的な女子寮、そしていろいろなしがらみのある母国からさえも自由になれたような高揚感を覚えていたアタテュルク空港での時間は、とにかくバンプの音楽によって思い起こされるものなのだ。

そんなアタテュルク空港で多数の死傷者の出るテロがあった。胸の詰まる思いだった。言葉が出てこなかった。
飛行機から降りたばかりのぼーっとした頭で、世界のいろんな服を着た人たちがひっきりなしに行き交うのを眺めていた空港でのあの時間は、もうどこかにいってしまったのかもしれない。そんなことすら感じた。

久々にバンプを聴いて、常に挑むような気持ちでいた留学中の日々と、そこから抜け出すときいつも初めに通過していたアタテュルク空港でのぼんやりとした時間、そしてあの空港でテロがあったというニュースを思い出して、ふと悲しい気持ちになる。
こんな悲しい気持ちになるべきでないから、誰かが誰かを殺すなんて、あってはならないことなのかもしれないな、と思った。

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