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リーダーになる前に教えを請いたかった7つのこと

リーダーになって多くの失敗をしてきましたが、これらを体系的に教えてくれる人がいたら、もっと違うところで失敗ができたなと思うことが何度もあって、下記のツイートになりました。

色んな方に共感いただき、noteで読みたい内容のアンケートをとったところ、

noteでも読んでみたいと反応をいただき、「リーダーになる前に教えを請いたかった7つのこと」について、詳しく書いてみました。

これからリーダーを目指す方、リーダになり悩んでいる方々に何かのご参考になれば嬉しいです。

①定量データを用いた戦略策定

セールス1人1人やチーム成績や目標は定量ですが、意外と営業戦略は感覚だったりすることが多いんです。

自分も知らぬ間にそうなっていたことに気付かされたのは、私のメンターとの出会いでした。話を聞いたときに愕然、目から鱗でした。

自分が当事者でのめり込んでいればいるほど、感情や感覚が入り、冷静な目でみることができなくなります。それを防ぐために、例えば

・マーケットの可能性を数字で表す
・自分たちの実力を過去の売上結果から考察する
・訪問数でチーム員の行動分析をする

をやることで一歩引いて物事を見ることができ、事実を捉えることができます。是非定量データを眺める時間を作ってみてください(より詳しく知りたい方は下記のnoteを是非ご覧ください)。

②戦略とは何かを捨て、極端に集中すること

前職で、COOから営業に緊急招集がかかり、その際、営業TOPとこんなやりとりがありました。

C「営業は絶対にクレーム対応をするな」
T「とはいえ、営業にしか交渉できない場面もありますよね?」
C「例外は認めない」
T「どんな結果になってもいいんですね?」
C「とにかくコンサルに任せろ」

後日、このやり取りが非常に疑問だったため、COOに真意を聞いてみました。

C「本来クレームを無くすのはコンサルや開発の仕事でしょ?誰もが営業頼みになってるからね、本来の仕事をそれぞれの部署がやる姿に戻したかったんだよ」
私「でも、営業がやるざるを得ない場面もありますよね?」
C「そりゃそうだよね」
私「ではなぜあの時、例外は認めないと言ったんですか?」
C「あそこでおれが例外を認めたら、それこそ変わらないでしょ?あ、別にいいんだ、営業に頼ったままでって。」

なるほど、目先で営業が手を出さず交渉負けして、会社が失うものがあっても、本質的なクレームを起こさないサポートや製品開発をすることの方が本質的な問題解決になると。

組織を大きく変えるためには、捨てることを決め、解決したいことに極端に集中することなんだ、ということに気付けました。

③戦略を浸透させるわかりやすいフレーズが必要

私のメンターに組織改革のイロハを教えていただいた際に気付かされたことの一つとして、「わかりやすいフレーズ」の設定があります。

私が以前やった組織改革では

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に設定しました。この数字には

・営業チームで1位になれる売上
・マーケットの可能性からこれだけ売れたら、変革できたと言える水準
・会社全体の未来を変えられる売上

という意味があって、チームメンバーが理解し、腹落ちしていく過程でチームの合言葉になっていきました
(フレーズの重要性をより詳しく知りたい方は前掲のnote:bit.ly/33Wwh1o を是非ご覧ください)。

④浸透するまで繰り返し言い続けること

③で掲げた「48億」をとにかくチームメンバーに浸透するまで繰り返し伝え続けました。

1ヶ月に1回の全体ミーティングを2年間、1週間に1回の営業マネージャーのミーティングで「48億」円のゴールを常に意識して2年間ディスカッションを続けました

本当に何回「48億」って言ったんだろ。。。

こうして、営業チームのリーダーにも、チームメンバーにも「48億」が刷り込まれていった訳です。

チーム創立3年を経て、後輩にチームを託しましたが、私の時代には残念ながら48億には到達できていませんでした。

次の年、無事後輩たちが48億を超える売上を達成してくれた瞬間に、それをわざわざアメリカにいる私に伝えてきてくれたんです。

これで「あぁ、伝え続けてきた『48億』というフレーズがみんなに浸透していたんだ」とわかりました。

⑤メンバー配置の重要性

「48億」を達成するには、新製品を売っていかなければならなく、一部の人間しか新製品が売れる確信がない状況でした。

最初は全員に「既存製品を売るな、新製品を売ることに集中しよう」とし、チームメンバーの自主性に任せましたが、全くうまく行きません。

その時の構図を振り返ってみると、こうです。

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つまり一般的にセールスは単価が仮に低くても確実に売れるモノに反応し、高くて不確実なモノは選ばない性質だということです。

既存製品か新製品かという選択肢が営業の中にある限り状況は変わらない、つまり選択肢がない状況を作るしかない、との結論に至ったんです。

具体的には新製品に注力する部隊を新設、一切既存製品にタッチさせない環境を作りました。これで組織全体のお尻に火がついたんです。

この結果から、単に戦略を作るだけではダメで、実行するメンバーの心理を鑑みた組織を構築する重要性を学びました。

⑥違和感を無視せず、早めの対処

組織に新しいメンバーが加入、これまで支えてくれた先輩が新たなチャレンジをするために退職、チームメンバーの入れ替えがありました。

何か言葉にはできないちぐはぐさがある少し嫌な感覚もありましたが、チームワークは前年と変わらず良い状態にあり、違和感を言葉にすることはありませんでした。

この違和感の無視が、11ヶ月目にして、年間目標の達成率10%台という低空飛行をつくる原因になるとは。

この経験を経て、以後は下記のような自分なりのミーティング手法を意識的に実行するようになりました。

このミーティングが何度自分の危機を救ってくれたのか、本当におススメです。ぜひやってみてください。

⑦腹を割った議論を作る難しさ

⑥でも触れましたが、残り1ヶ月となり、目標売上の10%台、チーム内もどことなく白けた雰囲気がある、マネージャーのFがボソッと言い始めたところから、大激論は始まりました。

F「目標達成、無理じゃないですか?」
私「これだけ案件があるのに?」
F「それはそうかもしれないけど、この状況なら下方修正した方が良いかと」
私「皆、同意見ですか?同意見だとするなら達成は到底できないので、下方修正を決断するしかないですが、どうですか?」

 (沈黙)

 T「皆でやろうって決めた目標なのに、達成できる案件もあってここで諦めるとかダサくないっすか?」

マネージャーTの本音が、他のマネージャーの心に火をつけ、激論、崩壊寸前、でも最終的には下方修正せず皆で走りきることを決め、これがきっかけでチームが一つになっていきました。

1年最後の月に、怒涛の受注ラッシュ。なんとか最終日に100%を超えたところで着地した奇跡の達成でした。

振り返ると、前年度の最後にチームを去った先輩が腹割った議論をするために嫌われ役を買って出てくれていて、それで議論がまとまっていたことにやっと気付けたんですよね。

本来はそれをリーダー自体の私がやっていかなきゃいけないのに。

自分のファシリテーション能力を磨くのはもちろんのことですが、磨くのには時間がかかります。その間を埋めるために、私は下記のような工夫をして、本音を引き出すミーティングをしてました。

<本音を引き出すミーティングの工夫>
・テーマ設定
 違和感の吐き出しや中長期テーマでの課題
・実施場所
 気分をかえ、社外スペースやオフサイトの活用
 ・参加メンバー
 外部講師を招聘し、外部の人からモノを言ってもらうこと

ぜひお試しください。

まとめ🌮

リーダーは奥が深く、何年やっても失敗はつきもの。私が経験したことの多くは誰かが経験し、誰かは知っているもの。

でも暗黙知であることが多く、形式知になっていないことが多いんです。それをできる限り、noteに残すことで、無駄な悩みや失敗を次世代の人には経験させたくないという想いから書きました。

すぐやれる工夫として、下記を挙げました。

・定量データを眺める時間を作る
・本質的な問題解決は捨てることを決める
・わかりやすいフレーズを作る
・フレーズを理解してもらい、浸透させる
・実行される戦略を考える
・違和感を洗い出す
・会議の工夫で本音を引き出す

悩んでいる人こそ、明日から一つでも良いのでチャレンジしてみてください。わからないことや相談したいことがあれば、Twitterでお待ちしています。

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