20161227雪山エリカsmall

制作過程『3小節で綴る いのち』ご提供イラスト

「白銀を解かさぬ赤で灯るエリカ」

candycandyさんの句集の中で、この句を目にした瞬間に絵が思い浮かびました。真っ白な世界の中で毅然と灯る紅色。句集のテーマである「いのち」は、当然うさぎ。解かさず与える存在。

一瞬、生態系とは無関係にうさぎの目をエリカを映した赤にするか、とも思いましたが、即座にやはり黒だろう、そうでなくてはならない、と決しました。次には、数多くの画像をどんどん観ていきます。

私は下手です。そう書くと謙遜と思われたり、フォローしてくださる優しい方もいるかも知れませんが、努力不足の言い訳を含めても下手です。本当に基礎ができて、かつ感覚が鋭く、神経も行き届いている方は、noterの中にもいらっしゃいますが筆の一走りで森羅万象を表現します。

私のような凡人は、とにかく納得がいくまで描き込むか、逆に線を省略していくか。これは、別に卑下しているのではなく、至らぬ自分でも粘り強く描き込むことで、自分が思い浮かべた絵に近づいていく「技術」を身に着けてきたこと自体は誇りに思っています。

グラデーションで空を表現します。

色合いが気に入らないので、Color Dodgeのレイヤを重ねて調節します。

ざっくりと手前の雪の形を作ります。

ざくざくと雪の陰影を描いていきます。

エリカが雪を割るところを描きます。

こんなに荒いです。ツールは、エアブラシ、鉛筆、ペンで試行錯誤しています。まだ自分の中で法則はできていません。

エリカを描きます。

これまた、こんなに荒いです。鉛筆ツール太さ0.6mm程度でこつこつ線を重ねて、色を重ねていきます。

うさぎを描きます。

例によって毛を一本一本、エアブラシ、鉛筆、ペンで重ねていきます。ちょうど実際のうさぎを撫でるように優しく慈しむように描いていくので、苦になりません。目も色を厚塗りしていきます。

一旦完成です。でも構図と色のバランスが気に入りません。

右上のうさぎを描いたレイヤを反転させて、位置を調節し、影を直します。

Overlayで色調を整えます。この後、Glowで光を調整して、完成です。

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今日、奇しくも青牙さんも投稿されていましたけど、私は表現や創作の中で、「死」を扱うことは好みません。良くコマーシャルなどで「子供と動物」が鉄板と言われていますが、それ以上に「死」は好き嫌いとは関係なく誰にでも訪れるものであり、「共感」を得る最も安直な記号だと思うからです。「性」や「愛」やまして「優しさ」とは一線を画した次元で。ここで言うのは、あくまでも表現、創作の記号としての「死」なので、リアルと混同されても迷惑です。そして、記号としての「死」を見事に活用した(と、私が勝手に感じる)創作物は素晴らしいと思います。

ちなみに私はnoteをSNSとは思っていないので、投稿されたものは全て表現、創作物と受け止めています。従って投稿内容において「死」が安直に使われていると私が勝手に感じた場合は、好きになれません。天使うさぎたちが、(ブラックぷーくんとプーレンジャーを除いて)リアルに天に召された実際に一緒に過ごしたうさぎたちなのも、そういうことです。

candycandyさんの句集を目にして、絵を描きたい、と思ったのは、正にそのような気持ちからです。いのちを慈しむ。