コタニ アユミ

農ライフ研究所代表/ 農ジャーナリスト/ 野菜をつくるアナウンサー/ベジアナ/ 世界農…

コタニ アユミ

農ライフ研究所代表/ 農ジャーナリスト/ 野菜をつくるアナウンサー/ベジアナ/ 世界農業遺産専門家  地域の伝統・民族文化、環境が喜ぶ農を取材、執筆、動画で記録、発信。自分のあたまで考える、自分の言葉を見つけることをだいじに、ウケたらよろこび、すべるのを恐れず、希望を胸に。

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最近の記事

能登で何が起きているのか。なにが問題なのか。どう進めばいいのか。みんなで考えませんか。

5/7(火)から農政ジャーナリスト研究会4回シリーズで 能登半島地震シリーズが始まります 能登半島地震~復興への展望 第1回は「3.11の教訓から能登の復興を考える」 高橋博之さん(雨風太陽 代表)に伺います。 能登半島地震は、人口減少と高齢化が進む農山漁村の課題を改めて浮き彫りにしました。 住民避難の長期化に加え、農地や漁港など生産設備の被害も大きく、農林水産業や伝統産業の再開は厳しい状況です。 被災者の暮らしと生業をどう取り戻していくのか、復興の在り方が問われています。

    • 「タネの交換会」作業見学会に参加して~タネとは受け継ぎ、託す手紙~

      「誌上タネ交換会」ってなに!? 1940年に創立の老舗出版社「農文協」で、昨日3 月 26 日(水)取材と見学会が開かれ、埼玉の戸田市にある農文協(一般社団法人 農山漁村文化協会)へ行ってきました。 農家を伝えるドキュメンタリー映画「百姓の百の声」(柴田昌平監督)を見て、おもしろそうだなー、「現代農業」の編集部すごいなーと思って、行って見たかったからだ。 農家のための月刊誌『現代農業』では、毎年「誌上タネ交換会」というイベントを開催。 今年で6回目になるという。 『現代

      • JA全農兵庫×労働力マッチング!淡路島へハクサイの収穫体験で感動したこと

        皆さんこんにちは。 野菜をつくるベジアナです。 淡路島へハクサイの収穫体験取材に行ってきました。 一日からでも気軽に農業現場で働くことができるJA全農兵庫とパートナー企業の労働力マッチング! 農業の仕事を体験すると起こるイノベーションについて考えました。 まずはこちらの4コマフォト漫画をごらんください~ ①農業への意識が変わる ②ハクサイをいとおし~~~く思う ③農家さんに感謝する これは大きなイノベーションですよね JA全農兵庫が企業と取り組む『人手不足の解決法』、

        • 農民詩人,星寛治さんの教え。歩み続けることが大事、たとえ足跡が消えても…

          「有機農業」を社会に、地域ぐるみで広める、活動の農家リーダーの草分け的存在であり、農民詩人でもあった星寛治さんが、去年12月、88歳でなくなった。 東京でも偲ぶ会をやろうと有志が集まり、昨日、東京農大で開かれました。 山形県高畠町有機農業提携センターの作付会議に合わせて開かれたらしい。 有機農業研究家の吉田太郎さんに教えて頂き、出席させて頂きました。 星さんといえば、高畠の有機農業のリーダーで農民詩人として知らない人はいない、けれど、もしも知らなかったとしても、 有吉佐和

        能登で何が起きているのか。なにが問題なのか。どう進めばいいのか。みんなで考えませんか。

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        • わたしたちの暮らしを豊かにする100の提案
          57本

        記事

          金沢から帰ってきて考えたこと。

          4日から昨日6日の朝まで金沢へ帰っていました。 社会人1年目から10年住んだ金沢は、わたしにとって故郷。 だから帰省です。 去年11月に「能登の世界農業遺産」のシンポジウムが和倉温泉であり、 その帰りに立ち寄った金沢で、昔からの知り合いのお店(赤城)が50周年記念の会を1月5日に開催するというので、もともと行く予定になっていたのだった。 元日の大地震を受けて、帰るべきかどうか迷ったが、 赤城さんへ電話をすると、予定通り開催すると言うので、帰ってきました。金沢へ帰るといつも

          金沢から帰ってきて考えたこと。

          環境か経済か、はもう古い。そういう社会は構造を変えなければならない

          Q、農業はどうしても経済が優先され、環境は後回しにされがちですが、これからはどのように考えればよいのでしょうか? という積年の疑問に、先生はこうおっしゃった。 A. 環境を大事にした農業は儲からないという社会構造は変えなければならない。 わたしはふるえた。 解を頂いてしまったのだ。 その答えの一つが、FAOが認定する「世界農業遺産」。(緑の革命の反省から生まれたプランBとして、伝統農業ととりまく農業システムを評価する)。 そしてその考えを発展途上国だけでなく、先進

          環境か経済か、はもう古い。そういう社会は構造を変えなければならない

          「自助、共助、公助」が大原則。食の問題を自分ごとに!わが家の自給と地域の自給が国の自給につながる

          おはようございます。 1月3日、朝8時前、きょうは嬉しい電話で飛び起きた。 秋田県由利本荘の有名な酪農家で、天皇杯もとった経営成績優秀な生産者であり、 地域および酪農連盟のリーダーでもある柴田牧場さんからであった。 夫人の誠子ちゃんとは仲良しなのだが、夫の輝じいの声だったので、 何があったのかと思って姿勢を正して聞くと、 「今朝の新聞読んだよ」であった。 どんなこと書いてるかと思って読んだら、そういうこと書いてたんだな。 うちも「由利牛」という和牛を東京のデパートで扱ってもら

          「自助、共助、公助」が大原則。食の問題を自分ごとに!わが家の自給と地域の自給が国の自給につながる

          NHKのアナウンサーはなぜ叫んだのか。そのとき、ことばで命は守れるか。

          NHKの女性アナウンサーの声が変わった 元日の夕方、16時10分、突如起こった能登半島の大地震。 NHKのアナウンサーの呼びかけがXで波紋を呼んでいる。 東京の拙宅でも普通じゃない長い揺れが続き、思わずテレビを付けたら、 地震ニュース速報から、津波警報に切り替わり、 たちまちアナウンスが尋常じゃないテンションになった。 逃げてください、いますぐ高いところに逃げてください。 とりわけ、 「東日本大震災のときを思い出してください」というフレーズ。 あのときの津波での逃げ遅

          NHKのアナウンサーはなぜ叫んだのか。そのとき、ことばで命は守れるか。

          雪の鳴子温泉の上流、お店では販売しないお米!鳴子の米プロジェクトの旅

          雪の鳴子温泉を訪ねてきました。 NPOで運営する「むすびや」 「ゆきむすび」という品種で、もっちもち。 うるち米ともち米の中間の性質をもつ「低アミロース米」。モチモチ感と粘りがあり、冷めても硬くなりにくい特徴があり、おむすびやお弁当に〇適! お店の中に積み上げられた新米の袋。鳴子の米プロジェクト「ゆきむすび」 こちらのお米は販売していません なぜならCSAだから。 CSA=コミュニティがサポートするアグリカルチャー。 地域支援型農業の先駆け。 地元鳴子温泉のお米を観光

          雪の鳴子温泉の上流、お店では販売しないお米!鳴子の米プロジェクトの旅

          やる気スイッチドーパミンと「運動脳」と神様のこと。

          こんにちは。 ここ数日、なぜかブログの閲覧数が伸びている。 取り立てて情報性のある記事を書いたわけでもないのに、なぜだか理由はわからない。 もともと大きな分母ではないので、たまたま何かが重なって、そういうこともあるのだろう。 それより、閲覧数が伸びたことで、もっとも影響を受けたのは、わたしの内面である。 読んでくれている人がいるんだなと思うと、書く気になるというのが人間というものだ。 「スマホ脳」、「最強脳」、「運動脳」 「スマホ脳」という本がコロナ禍で流行った。 スマ

          やる気スイッチドーパミンと「運動脳」と神様のこと。

          徳島にし阿波の傾斜地農業と、   「そば米雑炊」を今に伝えるご夫婦

          徳島県つるぎ町。 「にし阿波」と呼ばれる地域は四国の中でもとりわけ急傾斜が多い。 一般には、石積みをしたり、土を積み上げて階段状の「段々畑」にするが、あまりに急傾斜ゆえに、この地域では「土をナナメのまま」作付けする方法が選択されてきた。 「傾斜地農耕システム」と呼ばれ、国連FAOの世界農業遺産に認定された。 日本じゅうの農村を旅して感じるのは、日本人の半分は山岳民族なんじゃないかということだ。 平野部に人口が集中したのはせいぜい昭和からこっち100年ぐらいでそれまで人

          徳島にし阿波の傾斜地農業と、   「そば米雑炊」を今に伝えるご夫婦

          丹波篠山の黒枝豆の収穫に行ってきた!みんなで集まって喜びを分け合おう~  お手伝いボランティア@全農

          丹波篠山の黒枝豆は10月が最盛期ー!毎年、10月5日頃が解禁と決まっていて、今年は10月7日に解禁! 農家にとって、もっとも大忙しの週間の真っ只中。 収穫作業の援農ボランティアの取材に行ってきました! 人手が足りない時だけ労働力となって支援する、手伝いたい人と農家のマッチング事業 「労働力支援」を始めたのは、JA全農兵庫。 一般のバイトだと、面接があったり、スケジュール調整、シフト決めなど、 実際に現場で働くまでに様々な手続きが必要になるほか、 雇用契約などルールも

          丹波篠山の黒枝豆の収穫に行ってきた!みんなで集まって喜びを分け合おう~  お手伝いボランティア@全農

          「小農が国を救う~日本人は農なき国を望むのか」農民作家山下惣一さんの番組を見て

          農なき国を望むのか 小農が国を救う 「日本人は農なき国を望むのか~農民作家山下惣一さんの生涯」 NHKで放送されました。 佐賀県唐津市から闘う農民作家として国政や社会に物申してきた山下さんの生き方は、 視聴者に多くのインパクトを与えました。 1961年、農業基本法制定の年、国はみかん栽培を奨励し、 新婚だった山下さんは妻と山にみかんの苗を植えます。しかし木が成長した頃、価格は暴落。 20キロで200円に。行政に苦情を言うと、「植えたのはあなたたちでしょう」と開き直られます。

          「小農が国を救う~日本人は農なき国を望むのか」農民作家山下惣一さんの番組を見て

          日本人は農なき国を望むのか~農民作家山下惣一さんNHK特集。1000人声を届けよう♪

          「日本人は農なき国を望むのか~農民作家山下惣一の生涯」 9月23日(土) 朝 6:10からNHKで放送~ 食べることに関わる人は必見!つまり全員。 去年夏、佐賀の農民作家・山下惣一さんが亡くなった。 農産物の輸入自由化に反対の立場をとり、「地産地消」「身土不二」という言葉の大切さを訴えた山下さんの生涯。 みんなで見て #感想をNHKに送ろう!#1000人の声を届けよう! というキャンペーンを山下惣一さんが共同代表を務めていた #小農学会 で呼びかけています。

          日本人は農なき国を望むのか~農民作家山下惣一さんNHK特集。1000人声を届けよう♪

          世界農業遺産「阿蘇の草原の維持と持続的農業」

          農家が作った1000年の風景 阿蘇の草原は自然にできた風景ではなく、何百年、いや文献に残っているだけで千年以上かけて、 人々の手により創り上げられた風景である。 そのことが、世界農業遺産を取材している私にとって、もっとも心動かされる事実である。つまり農家が風景を作り上げたということが。 日本農業新聞に4月から連載中の「世界農業遺産」の特集。 ◎未来に続く農の道~小谷あゆみの世界農業遺産リポートで 熊本「阿蘇の草原の維持と持続的農業」を訪ねました。 新聞コラム掲載8/7の

          世界農業遺産「阿蘇の草原の維持と持続的農業」

          人にも牛にも環境にもよいヘルシーな食、「喜ばれる」食料生産を広めるには

          先日「自然放牧」の番組を見て、感じたことを書き出したら、長くなり過ぎて読みづらくなったので、解説をここに分けました。 自然放牧、林間放牧とは 自然放牧、林間放牧という牛の飼い方がある。 一般的な放牧が、草地の管理をより綿密に行うことに対し、草地もあれば森もある場所に牛を放つため、より粗放的な飼い方だと筆者は考える。 アグロフォレストリーという、 いま世界で注目されている農業と林業を合わせた方法と共通している。 牛舎は不要、牧草を食べてくれれば飼料を買わずに済む。(低コ

          人にも牛にも環境にもよいヘルシーな食、「喜ばれる」食料生産を広めるには