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券売機は難しい

 休日にお出かけしようと駅に向かった時だ。「そういやICカードにお金入ってなかったな」と券売機でチャージしようとしていたら、隣のおっちゃんに「兄ちゃん助けてくれんか?」と声をかけられた。

 「〇〇円の切符を買いたいんやけど、どこ押したらええか分からんのよ」。のぞいてみると、買えるだけのお金は入っているが、画面上にその金額のボタンがない。それもそのはず、この駅は私鉄の駅なのだが、この駅からその私鉄線内に〇〇円の切符は存在しない。この私鉄は距離が短く、端から端まで乗っても〇〇円より安い。

 「どこまで行かはるんですか?」と尋ねると「●●駅」と教えてくれた。その駅は別の会社の路線に乗り継がないと行けない駅だった。画面にその鉄道会社のボタンがあったので押すと、〇〇円のボタンが出てきた。

 「これでいけますよ」と教え、おっちゃんは無事に切符を購入できた。「ありがとう、最近の機械は難しくてかなわんわ」と言ってホームに向かっていった。

 「知らない人に頼られて、お礼を言われるのはいいもんだな」と思ったけれど「確かにあれは難しいよな」とも思った。特に私鉄線だと、改札を出ずに別の路線をまたぐ場合、たくさん操作をしなければならないので難しい。普段ICカードで済ませてしまうので気が付かなかった。

 JRでも、最近みどりの窓口が減って、代わりにみどりの券売機が増えた。新幹線や特急列車も含むので列車や指定席の選択もあり、さらに複雑になる。そりゃ旅行シーズンやゴールデンウイーク、盆正月のタイミングで券売機が混むのは当然だろう。

 いかに人件費が減るといっても券売機が買いづらいと、長蛇の列が進まず目的の列車に乗れなかったり、「やーめよ」って諦められたり、乗客の機会損失になってしまうのではないか。機械化もBtoCにおいては難しいなあと感じた休日だった。

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