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ピラティスについて思うこと

私は普段ぼやぼやしている。
どれくらいぼやぼやしているかというと、一人暮らしをしているマンションの洗面所の床に「配管アリ」と書かれていることに気づくのに、3年かかったほどだ。

自宅から代々木上原駅まで徒歩10分強で行けることに気づいたのはそのさらに半年後だ(気づいたというより人に教えてもらって知った)。今はその代々木上原駅でピラティスを習い始めてもうすぐ5か月になる。

軽い気持ちで始めたのだが、ピラティスの動きは地味でゆっくり。それでいて見た目以上にキツい。ダンスのように激しい運動が好きな私には1か月を過ぎてもピラティスのおもしろさが全くわからず。しかし最初に設定した月15,000円で通い放題のコースは4か月は変更できない。とにかくそのまま通い続けることにした。

ピラティスのレッスンでは「首を根っこから引っこ抜いて」や「頭のてっぺんからお尻まで串刺しにして」などのワードが飛び交い、私は自分を引っこ抜いたり串刺しにしたりしながらなんとかついていく。どんなエクササイズでもそうかもしれないが、その最中はすんなり受け入れても後から振り返ると「?」と思ってしまう言葉というのはある。以前ジャイロキネシスというエクササイズのレッスンを受けていた時は「第三の目を開いて」「頭からアンテナを出して宇宙まで伸ばして」と言われ、私は必死にそれらを自分の中に探した。あの時、私は確かに第三の目を開けたし、宇宙とだってつながれた。本当だ。

ある時、ピラティスのレッスン中に「背骨からひねることによって体を右(左)にひねる」という感覚がふいにわかった時があった。それまではただ先生の動きを真似をしていたのだが、「ああこういうことか!」とその動きの意図するところが腑に落ちた。なんというか、背骨をひねる感覚は頭をひねる感覚に似ている。脳の普段使わない部分を使う感覚で、パズルの答えがわかった時のようなスッキリ感。やっぱりなんでもそうだけど、それまでわからなかったことがわかるようになるのは楽しい。

昨日のレッスンでは「筋肉じゃなくて骨を伸ばして」と言われる。「骨を伸ばすってどういうこと。。?」 また私の脳があっちこっち動き始める。

ピラティスを始める前に比べて太ももの裏の筋肉がついてきた。軽い気持ちで踏み出したけど、足取りは確かだ。もう少し、続けてみる。

ピラティスを終えて家に帰った私は洗面所に向かって着替えを放り投げる。
それにしても、この床はひどいと思いませんか?

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