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▶建築レポ #62『旧琵琶湖ホテル』

洋館巡りを始めてから「和洋折衷建築」や「擬洋風建築」なるものを知りました。

「和洋折衷建築」とは、近代日本において建てられた和風建築と洋風建築の要素を意図的に折衷した建物で、「擬洋風建築」とは、木造日本建築に西洋建築の特徴的意匠や、時には中国風の要素を混合した建物とあります。

今回は「和洋折衷建築」の一つである旧琵琶湖ホテル(びわ湖大津館)を訪れました。

旧琵琶湖ホテル は、1934年(昭和9年)、外国人観光客の誘致を目的に滋賀県内初の国際観光ホテルとして建築されました。

設計は、大阪の中央公会堂や東京神田のニコライ堂などを手掛けた建築家、東京美術学校の岡田信一郎氏の事務所に委託され、弟の捷五郎氏が担当。

桃山風破風造を特徴とした昭和モダンなホテルとして設計。

旧琵琶湖ホテル時代には、『湖国の迎賓館』として昭和天皇を始め皇族やヘレン・ケラー、ジョン・ウエイン、川端康成・志賀直哉・三島由紀夫など多分野の著名人が宿泊するなど、格式を持ったホテルとして営業していたようですが、 1998年(平成10年)、琵琶湖ホテルが新しく浜大津に移転することになり、この建物の取り壊しを惜しむ多くの市民の声に応え、大津市が耐震と改修保存を行い、2002年(平成14年)4月から柳が崎湖畔公園 びわ湖大津館として新たに開館。

特筆すべきは、「謎の小部屋」です。
それは何のために造られ、何に使用されたのか定かでないということです。

使用目的が定かでない理由は、1945年(昭和20年)に米軍に接収され、第八軍の休養ホテルに指定された期間があったから??

いずれにしましても、美しいデザインのキーボックス、

レトロな両替所、

味わい深いクリンカータイル。

※このタイルは「修復工事中に発見された」のだそう。

見どころ満載の旧琵琶湖ホテル。
こうした美しい建築物が残されていることは有難く、この先もずっと大切に保存されることを祈るばかりです。

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