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美術オタクのパリ1人旅⑥オペラガルニエ

初海外の美術オタクがパリ1人旅した記録。ここまでの話はこちらから!

オペラ・ガルニエ(オペラ座)へ行きました。
といってもオペラ公演を鑑賞したわけではなく、入場チケットを購入しての建物見学です。
美術館ではないものの、内部は宮殿のような「豪華絢爛」の一言。360度どこを見たらいいのかわからなくなるくらい、見応えがあって大感動でした…!

事前チケット購入

オペラ座はミュージアムパス対象外なので、事前のチケット購入がおすすめ。公式サイトから買えて、価格は15€でした。
サイトは仏語or英語ですが、ChromeでページごとGoogle翻訳すれば問題なし。日時指定して購入し、バウチャーをPDF保存&一応それを印刷して持って行きました。(が、この後落とし穴あり…後述します)

入場

見学の場合、入場口はガルニエ宮正面ではなく建物の左手(ギャラリーラファイエット方面)にある門から入ります。

建築家シャルル・ガルニエの名前がある、このオブジェが目印

ちなみに楽しみにしていたオペラガルニエの正面外観はなんと工事中。正面がBOTTEGA VENETAの広告で覆われていました(笑)

本当はこんな美しい建物を拝めるはずだった…

開館時間である10時に予約。15分前くらいに到着すると、門はまだ空いておらず、門の前の歩道に人がごった返している状況でした。
10時ぴったりに門が開くものの、美術館のように事前に列のレーンが作られているわけではなく、なんとなく列ができるような状態(もちろん日本人のように秩序よく並ぶ人は少なく、割り込みも多々)。
門を開けたスタッフが「予約者こっち、チケット持ってない人はあっち!」と説明はしているものの、レーンがないのでよくわからず。ガードマンに「I have a reservation」とバウチャーを見せて列を教えてもらいました。その列も結構分かりにくかったので、間違って当日券購入の列に並んでしまわないように注意が必要です。

建物内に入り、もう一つゲートがあります。ここでチケットの有無を確認していたのですが、何やらバーコードをピッとしている様子。が、私が持っているバウチャーにはピッとできるようなバーコードはない

あれ?と思い、ピッとされる列に並ぶのを躊躇っていると、私のすぐ前に同じようなバウチャーを持った韓国人の女の子が。彼女もそのゲートではねられてしまったようで、バウチャーを持った私を見るなり「この紙じゃダメみたい」と英語で話しかけてくれました。そのまま2人でどうしようかと作戦会議。とりあえずインフォメーションセンター探そ!となり、2人で広いロビーを歩いてそれらしきものを探すとありました、インフォメーションセンター。
話している感じ、彼女の方が圧倒的に英語力があったので「私が聞いてくるからここで待ってて!」とグイグイ引っ張ってくれる韓国ガール。た、頼もしい、、、!!

結果、バウチャーで購入済みの確認が取れたからなのかチケットを受け取りました。このバーコードで無事入場。

引き換えてもらったチケット

インフォメーションセンターに来ている人はほぼいなかったので、予約時点でこのバーコード付きチケットを手にいれる方法が他にあるんだろうか。もしくはチケット手配サービスやツアーを利用する場合などは、会社側がここまで手配してくれるのかもしれません。少しヒヤッとしたけど、韓国ガールのおかげで助かりました。話しかけてくれてありがとう😭

個人旅行で行く方で、予約時点でバウチャーしか手元にない場合はご注意ください!

マルク・シャガールの「夢の花束」

ここだけでも十分満足してしまうような豪華絢爛なロビーを抜けて、客席に向かいます。壁も床も椅子も全て深い朱色のベルベット生地というなんともラグジュアリーなホール、その天井を飾るのがマルク・シャガールが描いた天井画「夢の花束」です。

「夢の花束」マルク・シャガール

見上げた瞬間「うわ・・・」と声が出てしまった。周りを取り囲む装飾は圧倒的なバロックなのに、そこに収まるシャガールの唯一無二の画風。古典的な内装とシャガールは一見異質な組み合わせで、でもこの天井にはシャガール以外にはありえないと思い知らされるとても胸を打たれる光景でした。

天井画にはオペラ作品の様々な場面が描かれているそう。私はオペラは全くの無知なのでただシャガールの絵として楽しみました。エッフェル塔があったり、不思議な生物?がいたり、色使いもシャガールらしいタッチも全てが素晴らしくて美しくて、ずっと見上げていたかった。

ステージは公演のセットを組み立て中?でした

元々オペラ座の天井には、ジュール=ウジェーヌ・ルヌヴーという人物による歴史画が描かれていました。1964年、当時のオペラ座の舞台監督がシャガールに天井画の制作を依頼し、もとあった絵の上からシャガールの絵が取り付けられます。しかしシャガールの個性的な画風から「調和が乱れる」として当時相当な批判もあったとか。そして今でも「シャガールを取り外してもう一度ルヴヌーの絵を」という声はあがり続けているのだそうです。(元々の絵はシャガールの絵の下に無傷で残っていて、上から「夢の花束」を重ねているだけの状態なので、物理的には可能…)

ルヴヌーの天井画の模写は、オルセー美術館にあります。私は今これを書きながら模写があることを知りました… 見たかった!!

大休憩室

オペラ座には「大休憩室」と呼ばれる広間があり、ここもま〜〜〜すごかった。壁を見ても天井を見ても、全てがキラッキラ。大休憩室というけれど、全く休憩できる気がしない(笑)

今でも、ここで晩餐会などが開かれるそうです。

この部屋の天井画は、バロック感強めで古典的な、言うならば”収まりの良い画風”の絵。パウル・ジャック・エメ・ボウドリーという人物が描いたものだそうです。これを見ると、シャガールをメインホールの天井画に採用したことがいかに挑戦的だったか、なおさら想像できる。

ロビーの床もモザイクタイルでとても丁寧に作られていて、デザインがめちゃめちゃかわいかった!天井を見上げたり写真を撮っている周りの人たちに「みんな、床!床も見て!!」と心の中で思っていました(笑)


「夢の花束」が想像の何十倍も素晴らしくて、大満足。
パリに行く予定があれば、ぜひ工程に組み込んでほしい場所です。次はオペラ観劇もしたいなあ。

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