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美術オタクのパリ1人旅②ルーヴル美術館

パリ2日目、いよいよ観光開始です。到着日の記録はこちら。

ルーヴル美術館へ

まずは今旅の一番の目的、ルーヴル美術館へ。観たい絵がとにかく沢山あるのと、広すぎて1日で回るのは無理だとわかっていたので今回は2日間予約し、2回に分けて訪れるスケジュールを組みました。

1日目のルーヴルは、パリミュージアムパス+9時の時間指定予約で。ルーヴルには入り口が何箇所かありますが、時間予約者だけが並べる「カルーセル・ド・ルーヴル」という地下口へ行きました。
8:20頃ついて1番乗り(笑)我ながら日本人の真面目さをひしと感じる。開館15分前くらいからぞろぞろ集まりだし、後ろには大行列が。

ミュージアムパスの番号があれば、ルーヴルの公式サイトから無料で時間指定予約ができます。入場の際は両方のバーコードをかざす必要あり。

門が開くとまず荷物検査。コートと鞄をX検査にかけつつ、金属探知機ゲート(?)を通ります。あれだけの行列ながら、これが1レーンしかなかった。
ナポレオンホールと呼ばれるガラスのピラミッドの真下にあたるホールについて、バーコードをかざして入場。ルーヴルはドゥノン翼、リシュユー翼、シュリー翼の3棟に大きく分かれていて、それぞれに向かう入口があります。建物内で繋がっているのでどこから入っても良いのですが、私はまずモナリザを目指したかったので、彼女がいるドゥノン翼から入りました。

早起きと下調べが身を結んで、モナリザへはなんと一番に到着!スタッフ以外は私だけという贅沢な時間を数分間堪能しました。

ガラスケースで囲まれているうえ、写真で見えている柵の外にもう一つ柵があるのでこれが一番近くで見れるモナリザ。
遠かった&小さかったけど、世界の宝を守るためなら文句なんてありません。距離なんて関係なく、本物のオーラはすごかった。素晴らしかった。

すぐに人だかり

モナリザと同じ部屋、向かい側にあるのはヴェロネーゼ作「カナの婚礼」、ルーヴルで一番大きな作品です。
元々はナポレオンがイタリア侵攻中に略奪したもの。その後の講和条約でイタリアは返還を要求するも当時のルーヴル館長が「大きすぎて無理」と主張し、そのままフランスに残ることとなったという経緯があります。

開館直後のグランド・ギャラリー。

壁掛けではなくて表裏を同時に見せるために通路ど真ん中に展示されている絵画。
全く同じ瞬間を2つの視点から観ている…と思いきや、ギャラリー入口から見える側とその裏面では、よく見ると時間が少し進んでいるんです。

下にいる人物の腕の掴む位置、襲っている側の顔が少し険しくなっていることからも、反撃に出だした瞬間でしょうか。表を見て、半周回って裏を見に行く間の数秒の時間が、絵画に閉じ込められている。

見たい作品を目指して効率よく回るのも良いけども、時間をじっくり取って、知らない作品と新しい出会いをするのも楽しい。
ふと見つけた、捕えられている半魚人。

お前は誰なんや・・・

観たかった「えび足の少年」。
正直すぎるまでの写実主義で、障害を抱えた少年を屈託ない笑顔で描いた作品。タイトルにもある足、曲がった手首、低身長、欠けた歯、までは画像でも伝わるのですが、実物を見て初めて「あ、この子斜視だ」ということに気づきました。実物を見ないと得られない気づきってやっぱりあるよなと改めて感じた瞬間。

えび足の少年 - ホセ・デ・リベーラ

サモトラケのニケ。
本物はもう、ため息が出るくらいかっこよくてかっこよくて、ここで、生まれて初めて「彫刻が好き」という感情に目覚めます。
腹部にうすく張り付いている布の質感、重なった羽根の繊細さが本当に美しい。これが石だなんて信じられない。

サモトラケのニケ- 作者不詳

ニケは発見されたときの位置や角度から、「左側4分の3の位置から見る」のが最も美しいのだそう。(作品の傍に、そのことを解説したプレートあり)
ニケの一部が初めて発見されたのは1863年ですが、1950年に右手のみ(指が一部欠損)が見つかっていて、それも近くにガラスケースに展示されていました。
本来の姿がどうなのか想像はするものの、この「不完全だからこそ美しい」という感情はニケを目の前にすると強く感じます。

「ダリュの階段」を一段一段上るとニケに辿り着く。「ダヴィンチ・コード」と「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を観てから行ったので、あのシーンの階段だ…!とどきどきした。

日本語が聞こえると思ったら日本人の団体客と日本人ガイドさんで、それとな〜く近づいて、詳しい説明を一緒に聞かせていただきました(笑)ガイドさんの説明、やっぱりわかりやすくて面白い。

「民衆を導く自由の女神」は修復中でした。またくるね!

ジェリコー作「メデューズ号の筏」、想像以上に大きくて迫力がすごかった。実際の難破船の事故を題材にした作品です。

絵画だけでなく、天井もすごいルーヴル。ふと上を見るとこんなだったりします。気が抜けん。
星の表現ってこの時代から★だったんだなぁとときめいた時の1枚。



リシュユー翼、シュリー翼はドゥノン翼に比べると混んでいないので終始観やすかったです。でも見逃せない名作がたくさん。

左から、金(ギャンブル)、酒、女に気をつけろという意味が込められた「いかさま師」。右端のカモにされている青年の顔がまたさあ、超うぶで騙されやすそうでもう・・・

「いかさま師」- ジョルジュ・ラ・トゥール

「プシュケとアモル」は昨年国立新美術館で開催された「ルーヴル美術館展 愛を描く」で来日しており、ポスターに採用された目玉作品。
その展覧会にも行っていたので、1年ぶりにまた会えたねえと嬉しくなりました。

「プシュケとアモル」- ジェラール 

一番好きな画家、フェルメール。
ルーヴルにはフェルメール作品が2つ所蔵されているのですがもう一つの「レースを編む女」は修復か貸出中なのか、展示されていませんでした。
フェルメールらしい左側の窓からの柔らかい光、繊細な点で表現されるハイライト、重厚な布の模様・・・全然周囲に人がいなかったので、目の前の特等席で延々と見つめていました。

天文学者 - ヨハネス・フェルメール

ノーマークだったけど、見つけた瞬間にわかったエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランが描いた肖像画。マリー=アントワネットに気に入られ、専属画家となった女性画家です。
彼女が描く肖像画は、「美しい」というか本当に「可愛い」。頬の紅潮とか、紅の色とか、笑顔とか、女性だから描ける繊細なポイントが詰まってる。マリーが独り占めしたいと思った気持ちもわかります。

可愛い・・・😭♡

仲間の遺体を運ぶアモルたちを描いた「アモルの葬列」。葬列・・・なのになんか楽しそうなのが絶妙な1枚。

アモルの葬列 - アントワーヌ・カロン
こいつの顔がツボすぎて


ムキムキ赤ちゃん。何そのポーズ

結局、1日目は6時間半滞在。この日は土曜日で、2日目の予約日が月曜日だったのですがルーヴルは平日に常にどこかのエリアを閉鎖してメンテナンスをしているので、月曜日に入れないとわかっていたエリアを全部回りました。
閉鎖スケジュールはルーヴル公式サイトに公開されているので、どうしても観たい作品がある場合はその展示場所と閉鎖スケジュールを確認してから予約日を決めることをお勧めします。


絵画だけではなく、彫刻、壁画、当時のアクセサリー、エジプトのミイラの棺、タペストリー、石碑、、、もう書ききれない程の世界の歴史が詰まった建物でした。美術館というより歴史の貯蔵庫。

死ぬまでに行きたい、とずっとずっと思っていたルーヴル。
自分の稼いだお金で、自分で航空券を手配して、手段も全部自分で調べて行った。自分の力で夢を叶えた、大切な日になりました。

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