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ある日私は障碍者になった(13)~年金生活者生活支援金<障害年金編>

はじめに

◆健康上の理由で仕事ができない状況が続けば、生活費の工面に悩まされることになります。おちおち療養なんてしていられない不安な日々が続きました。年内に概ね私が利用できそうな公的支援の概要がみえてきましたので簡単なまとめをしておきたいと思います。
◆合わせて偶然見つけた新しい制度もご紹介します。
◆いつの日か、私が実際に助けてもらった諸制度をまとめて本にできたらいいなとも考えています。マガジン「ある日私は障碍者になった」生温かく引き続き応援宜しくお願い致します。

【マガジン】

「申請主義」とは

行政サービスの利用は、原則本人からの申請がないと何も始まりません。それでいて刻々と時効の時計の針は進んでいきます。なんとも歯痒い制度設計です。私の感想を正直に申せば…

「税金や保険料徴収等は矢のような速さで届くけど、親切は歩いてこない」

逆に親切が歩いてきたときは「詐欺ではないのか?」まずは疑います。

経験した事のない役所手続申請は健康なときでも大変な作業です。体調が悪いときともなれば尚更です。平素から、よほど知識武装して世の中にアンテナを張っていないと制度から置いてけぼりをくらいます。「なんで誰も教えてくれなかったの!」は通用しません。

義務教育のなかで、いざという時に役に立つ制度の仕組みや申請の仕方を教わる機会があってもいいと思っています。丸腰で学生さんたちを社会に送り出すのは酷です。かといって、教員の負担をこれ以上増やすのも酷です。いや、YouTubeで勉強するZ世代にはいらぬお節介なのかもしれません。親世代の体験が全く通用しない時代、自分の身を守る知識・意識の重要性は高くなっていると考えています。

障害年金申請じぶんでやってみた

後日談もくわえてお話します。

私が倒れてから云十年たちます。その直前、私は社労士資格の勉強をしていました。試験に1度は挑戦しましたが不合格。そのとき一番苦手としていたはずの年金の知識が現在の私を助けてくれたのです。

「障害年金」というワードが切羽詰まったときに頭にふとよぎりました。

それから、ひたすらネット検索。申請に必要な書類を1つ1つ調べては、揃えていく地道な作業。困ったときは無料相談を受け付けてくれるサポートセンターのお世話にもなりました。

【ポイント】医師の診断書の有効期限は記載から3ヶ月です。全ての書類を提出するときに、それを超えてしまわないようにご留意ください。私がそうだったように、転院歴のある方は特にご注意ください。

書類の山になること必至ですので厚めのクリアファイル1冊に一式まとめておくことをお勧めします。私が揃えただけでもこれだけあります。

○年金請求書
○受診状況等証明書
○診断書(何通揃える必要があるかは本人の状況次第)
○病歴・就労状況等申立書
△年金裁定請求の遅延に関する申立書
△障害給付請求事由確認書
△障害給付 額改定請求書
○戸籍抄本
○住民票
○所得証明

(○:必須、△:必要に応じて)

障害年金の支給可否の判定は「医師の診断書」でほぼ決まると聞きます。審査の参考程度に、医師の知り得ない本人の日常生活等を補足するため「病歴・就労状況等申立書」を提出する必要があるそうです。

発病当初に遡って手帳や日記を開いて申立書を作成する作業は思いのほかツラかったです。思い出したくないことも思い出さねばなりません。無理が祟って何度か嘔吐やフラッシュバック。かなり状態が悪化しました。

社会保険労務士にお願いした場合、成功報酬の相場は支給決定された年金のおよそ2ヶ月分。別件がお財布事情を圧迫していたので、自分の人生経験と天秤にかけて無理を承知で勝負にでたわけです。できるところまで頑張ったものの、最後の一手で力尽き、社会保険労務士にお力添えを頂いて事なきを得ました。

【結論】私見ではありますが、家族の助けが期待できるならまだしも、1人で取り組むことは消耗が激しいのであまりお勧めできません。

障害年金申請から結果判定まで

支給の可否、等級認定のバラツキなく公平を期するために東京一括で書類審査されている昨今の状況をTwitter経由で教えて頂きました。従って、書類の審査結果までに少なくとも6ヶ月を要するのはスタンダード。申請内容が複雑であればあるほどプラスαの時間を要することを覚悟しておかねばなりません。

ポイント
①そこまで食いつなぐべし。他に使える制度はなんでも使うこと。
②支給の可否、等級がわからない以上は将来設計も立てづらいです。

「年金生活者支援給付金」に注目!

スマホでひたすら年金制度について調べたおかげで、アルゴリズム機能が働くという思わぬ副産物を得ました。表示されたYahoo!ニュースを読んでみて初めてこの制度の存在に気付かされました。

アンケート形式でお尋ねしたところ認知度3割。これを高いと見るから、低いと見るか。

なぜわざわざ申請書を別にする必要があるのかと調べていたら生活保護と併給でご利用の方には所得とみなされて不利になる事例もあるようです。ちょっと酷ではないですか?

①Yahoo!ニュース

私も対象者のような気がするのだけれど、どこに問い合わせればいいのだろうと悩んでいたら、厚労省HPに詳しい説明があると就労支援センターの担当さんが一緒に考えてくれました。

②厚労省HP

年金生活支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給するものです。(令和元年10月~)

老齢年金、障害年金、遺族年金それぞれ支給対象者とされる条件は異なりますのでリンクをご参照ください。ここにあるナビダイヤルに掛けてお尋ねしました結果、申請書一式を自宅に送付頂けることになりました。これも審査があるそうなので支給までにいくらか時間がかかることが予想されます。

障害年金の場合 2021年(令和3年10月時点)
障害等級2級:5,030円(月額)
障害等級1級:6,288円(月額)

1度申請してしまえば要件に該当しているうちは自動更新されるそうなので、これもまずは申請することが大切です。反対に要件不該当となれば自動的に支給が止まるのも’さすが’です。

【ポイント】年金生活者支援給付金は、健康保険の傷病手当と年金受給の併給調整対象外(健康保険組合確認)

③年金機構HP

「令和3年度の年金生活者支援給付金の簡易な請求書(はがき型)の送付について」
これは年金機構側から年金受給者にお知らせが届く流れを実際に地域の年金事務所で伺ってみました。

当該年度の7月までに前年度所得が確定し、年金機構がそれを把握。お知らせ発送は8月から。それが届いたならば9月までに申請→申請翌月から支給という流れ。この流れに添うとスムーズに初年度10月→翌9月の支給が受けられます。しかし、それ以外の時期に年金受給権が確定した人は窓口の案内だけが頼りです。

自分で申請漏れに気づいて申請しても、年内12月までならばなんとか支給サイクルの始点となる10月までは遡れるチャンスがあるようです。

他例外的な救済措置を受けられるケースも条文には書かれていますが、あまり実用的ではなく、混乱を招くので割愛します。お心当たりのある方は直接年金機構、年金事務所にお尋ねください。

さいごに

【お願い】2021年(令和3年)現在の情報です。社会保障制度は目まぐるしく変わっていくので、いま書いたことが来年には全く役に立たなくなっている可能性もあります。必ず御自身でしかるべきところに相談、確認をお願い致します。

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