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「今まで見た成長の中で、最も振れ幅が大きい体験だった」キャリアチェンジのきっかけとなった社会人フェローシップ-vol.2

※本記事はvol.1の続きの記事になります。vol.1はこちらからご覧ください。

Aya Kitano
小6から2年間インドネシアで暮らした経験から、いつか国際協力に貢献したいと考え、自己研鑽を続けている。大学院の修士課程では「人間の安全保障」をテーマとしてバングラデシュの社会開発を研究。修了後、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人にて9年間勤務し、日本を含むアジア地域の人事・採用を担当。在職中にMoGに参加したことがvery50との出会いのきっかけ。

■現地に行ってから
・後半日程で遂げた驚くべき成長
 MoGの日程は、後半に向かうにつれて一層、目まぐるしく進行していきます。英語を使っての観光客へのアンケート調査、集めた情報に基づく議論とアイディア出し、工房を訪問して現地スタッフと協働しながらの試作品製作、製品を包むパッケージの資材調達、主要施設への営業活動など、いくつかの小チームに分かれて様々な議論やタスクが同時進行で行われていきます。

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各チームがワークに取り組む様子

 壁一面の模造紙ワークをきっかけに、プロジェクトの進め方に糸口を見出したメンバーは、そこから後半に向けて驚くべき行動力を発揮し、段違いの成長を遂げました。私がそれまで目の当たりにしてきた「成長」と名のつく現象の中で、このときのメンバーの成長ほど振れ幅の大きいものは無かったと言っても過言ではないくらい、それはもう、ものすごく大きな変化でした。

 英語が苦手でうなだれていたメンバーには、基本的なフレーズをいくつか伝えたところ、それらを駆使してまさかの30件以上の街頭インタビューを成功させてきたと言うので、私は度肝を抜かれました。製品制作のチームは、工房で失敗したと言って悔しがって宿へ戻ってきたと思ったら、夜な夜な改善策を調べて製作工程を練り直し、翌日には見事な成功を収め、一気に量産体制を実現させていきました。営業活動のチームは、その日のうちに10件の施設を回ると宣言して街へ繰り出したと思ったら、時間より前に達成できたので、更に追加で回って数件成功させてきた、とのこと。序盤の頃に質問の一つも出てこなかった彼女/彼らと同一人物とは思えないほど、積極的で、挑戦しては失敗し、そして確実に乗り越えていきました。

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起業家にも積極的に提案が出来るようになった生徒たち

 このようにして、後半の期間は、メンバーが自発的に動く体制へと完全に切り替わっていきました。もはや私がしゃしゃり出るような余白は1ミリも残されておらず、私はただただメンバーからの指示に従ってタスクを手伝うと共に、彼女/彼らの見事な成果に感動し、「すごいね、やったね!」と褒めちぎり、そして時々、「もっとできるよ、やってみようよ!」と更なる挑戦を仕掛けてみる、そんな数日間でした。

■帰国後、MoGを振り返って思うこと
 実はこのプロジェクトの最終日、私は自身の大学院(博士課程)の入学行事が重なってしまい、どうしても一足先に帰国しなければならず、最終成果の発表の場に同席することが叶いませんでした。引き続き滞在するスタッフに引率を託しつつ、後ろ髪を引かれる思いでカンボジアを後にした私は、気づいたらフライトのほぼ全ての時間を、メンバーの一人ひとりに向けたメッセージを執筆することに費やしていました。プロジェクトを通じて私が見つけた一人ひとりの良いところ、成長したポイント、これからもっと成長できると思えたところなど、プロジェクトの一日一日を丁寧に思い返しながら書き出しました。そして空港到着と同時にスタッフ宛にメールで送信し、メンバーへ届けてもらいました。

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みんなと移動中に撮った1枚
(プロジェクトに夢中すぎてみんなと一緒に撮れていたのはこれだけでした)

 自宅に到着する頃、スマートフォンに送られてきた写真には、メンバーが心を込めて創り上げた完成品と、それらを手にした貧困層の人びとのたくさんの笑顔がありました。自らの成長に満足するだけでなく、貧困という大きな社会課題に対して、たしかな成果を形にしたのだということを、メンバーが私に見せてくれたのだと思います。フェローとしての私の存在や伝えたメッセージが、メンバーにとってどのくらい役立つものであったのか定かではありませんが、何かほんの少しでも、挑戦に向けて背中を押すきっかけになれていたようであれば嬉しく思います。

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最終成果を支援対象の家庭に届けました

 その後、私は正式にvery50のスタッフとなり、更に大規模なMoGの運営やフェロー制度の立ち上げに深く関わることになりました。very50のスタッフとしての私の新たな挑戦に火をつけてくれたのは、間違いなく、あのときの高校生メンバーたちです。MoG中にメンバーの皆が見せてくれたイキイキとした表情、大人も顔負けのアイディア、果敢な挑戦と失敗と粘り強さの数々、そして眼を見張るほどの成長に大きな刺激を受けたからこそ、今の私がいます。

 世界に向けて挑戦し成長する舞台をたくさんの高校生に届けたい、そして、高校生のエネルギーに負けないくらいパワフルな社会人たちに、挑戦を続ける大人のロールモデルとして、MoGフェローに参加してもらいたいーー。そんな野心を胸に、私はこれからも、very50での挑戦を続けていきたいと思っています。


■フェローを考えている方への一言

 「社会課題の解決に向けて、社会起業家と協働し、高校生と共に挑む」、それがMoGフェローです。現時点で所属している会社や組織の枠を超えて、また、社会人や ”大人” という立場さえも取っ払い、多様なステークホルダーと共に真剣に社会問題に取り組むこと。これこそまさに、真の意味での「ダイバーシティ・マネジメント」ではないでしょうか。この経験から得られる学びは、将来どんなキャリアを描くにあたっても、必ず活かされる大切な栄養素になるはずです。ぜひ、挑戦の一歩を踏み出してください!

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日に日にたくましくなる後ろ姿にみんなの成長を感じていました

フェローシップ制度に興味のある方は、以下より詳細をご覧ください。
社会人フェローシッププログラムHP:https://www.very50-fellowship.com/
very50 HP:https://very50.com/