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【インド詐欺】こうして僕はインドで37万円騙し取られました。


どうも、インドで詐欺に遭った快晴です。


1万2千字くらいと結構長いですが、

ぜひ、最後まで読んでみてください(^o^)



この出来事は、

僕が旅してきた中での一番の大事件です。

タイトルにある通り、

インドで37万円騙し取られました!!!


どうやったらそんな大金を騙し取られるの?!?!

って感じですよね(笑)


まるでコントのようなインド詐欺をお楽しみください!




この物語は、文字で表現される映画です。

この物語は、読むのではなく、観て下さい。

鑑賞中の、飲食、居眠り、おしゃべり等、

ご自由にどうぞ。


それでは、間も無く上映開始です。





こうして僕はインドで37万円騙し取られました。



【目次】

第一章 悪夢のはじまり

第二章 警察だョ!全員逮捕

第三章 僕は”金”を買った

第四章 ボス猿との別れ

第五章 人生を楽しもう


【登場人物】

僕:旅好き大学4年生。

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アンクル:街の首長。ボス猿。アルジャンのおじ。

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アルジャン:みんなをまとめるリーダー役。アンクルの甥っ子。

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トゥクトゥクドライバーの男(トゥク男)

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インド人友達1

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インド人友達2

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 第一章〜悪夢のはじまり〜

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 大学4年生の春。

学生最後の春休み。

物語はそこから始まる。



年明け早々の1月。

大学4回生の自分にとって学生生活最後の旅。

 

 

僕はインドへ旅に出た。

 

 

インドは2回目ということもあり、

初日から定番の詐欺に遭遇するもうまく切り抜け、

順調な旅路だった。

 

 

しかし、

これから37万円も騙し取られるとは、

1ミリも思ってもいなかった。。。

 

 

事件の発端は”ジャイプル”という街。

別名は”ピンクシティ”と呼ばれ、

インドの北西部に位置している。

 

 

僕は、ジャイプル駅に夜到着した。

宿の目星はつけていたものの、

予約していなかったのでまずは宿探し。


地図を見ながら探したけれど、

なかなか見つからず、

僕は途方に暮れていた。

 

そんな様子を見ていた、

あるトゥクトゥクドライバーの男が(以下、トゥク男)

僕に話しかけてきた。


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 「君はどこに行きたいんだい??」


「◯◯という宿に行きたいんだけど。」


「あー、その宿なら知ってるよ〜〜!」

 

 

話を聞くと、

”宿の場所を知っている”そうだ。


しかし、

ほっとしたのも束の間だった。


「でも、そこは満室だからもう泊まれないよ」


と言われた。



”え〜、そんなバカなーーー!!!”



インド人はよくウソつくので、

とりあえずその宿まで連れて行ってもらうことにした。

 

 

そしたら、、、



見事に満室。。。

 

 

”もう満室”は超ウソっぽかったけど本当だった(笑)

 


満室だったのでどうしようかと悩んでいると、

トゥク男がある宿をお勧めしてきた。

 

目星もここ以外なかったので、

トゥク男の紹介してくれる宿へ行くことにした。


宿は安くはなかったが、高くもなく、

まあまあいい感じの宿だった。

そして、ありがたいことにトゥク男が交渉してくれ、

少し値引きもしてくれた。

 

 

無事に宿にもチェックインでき、

ここでトゥク男とはお別れになるはずだった。

 

 

しかし、

特に予定も決めてなかった僕のことを知ったトゥク男は、

 

「明日、街を案内するからまた来るね〜!」

 

と言って帰って行った。。。

 

 


 

次の朝、宿にトゥク男がやって来た。

 

最初は街を案内してもらう気は全く無かった。

 

 

だけれど、

話をしていると、

ガイド料も悪くなく、

どうせ観光もする予定だったし、

なんだかんだ良くしてもらったので、

街案内をしてもらうことにした。

 

▼風の宮殿「ハワー・マハル」

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▼水の宮殿「ジャル・マハル」

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▼アンベール城

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▼モンキーテンプル

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ジャイプルの主な名所を回り、

アンベール城では、

「学生証なくても、忘れたと言い張れば安く行けるよ!」

モンキーテンプルでは、

「案内人にチップを要求されると思うけど、別に払わなくても良いよ!」

など、いろんなアドバイスをくれたりと、

楽しく街を案内してもらった。

 

 

 

街案内の最後は、

トゥク男オススメのタンドリーチキンのお店だった。

 

ここで、

トゥク男は友達も呼ぶから、

一緒に食べようと言ってきた。

 

 

そこでやってきた友達の名前は”アルジャン”。


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 僕はトゥク男とアルジャン、

3人でタンドリーチキンを食べ、

楽しく会話をしていた。

そんな会話の中でアルジャンが、

こんな提案をしてきた。

 

 

 

「明日ウエディングパーティーがあるけど来ないか?」

 

「普通では滅多にできない経験になると思うよ!」

 

 

 

アルジャンのアンクル(おじ)のところで、

明日ウエディングパーティーがあるとのことだ。

 

 

さらに、アルジャンはこう付け加えた。

 

 

「ウエディングパーティー後は2,3日ホームステイしていいよ!」


「そして、次の目的地に行くための駅に連れて行くし、電車のチケットも取ってあげるよ!」

 

 

”インドの結婚式なんて面白そう!”


と思った僕はあっさり、

「おっけい」の返事をし、

ウエディングパーティに行くことを約束した。


 

食事代はアルジャンたちが払ってくれ、

明日の朝7時に宿の前で会う約束をして別れた。

 

 


 

次の朝7時頃、

宿をチェックアウトした。


昨日約束したけど、

"本当に迎えに来るのか?"

"本当に行っても大丈夫なのか?"

ちょっと不安だった。


しかし、

迷っているうちに、

宿の前に車が到着した。


車にはトゥク男とアルジャン、

さらに、友達がもう1人乗っていた。


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”ウエディングパーティーだから友達が来るのも当然か”

 

と思い、車に乗り込み出発した。

 

 

アンクルの家はジャイプルから離れた小さな街にあり、

そこまでは4〜5時間ほどかかる。

 

 

朝7時に宿を出発し、

インド音楽を聴きながら走ること2時間。

朝食のため休憩をとった。

朝食はチャパティ、カレー、チャイ、ヨーグルト。

アルジャンたちのおごりだった。

 

 

そして、

またインド音楽をかけながら走った。

少し田舎まできたところで停車。

”もう着いたのかな〜”

と思ったが違った。


もう一人インド人の友達が車に乗ってきた。


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これまた、 

”ウエディングパーティーだから友達が来るのも当然か”

と思った。

 

 

ここから4人のインド人と僕で再出発。

またしばらく車で走ったところで、

今度は昼飯休憩。


昼ご飯を食べ終えたところで、

彼らがこんな提案をしてきた。

 

  

「今から売春宿に行かないか?」

 

「普通では滅多にできない経験だよ!」

 

 

 

何回か提案してきたが、

きっぱり断った。

 


そしたら、彼らは話し合い、

僕以外の4人が行くことになった。


まず最初はトゥク男と友達1が行くことになり、

 その間、僕たちはビール飲んだり雑談して暇つぶし。

▼最初に行った二人

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しばらくしたら、

最初に行った二人が戻ってきて、

待っていたアルジャンと友達2と交代して、

 僕と帰ってきた二人で暇つぶし。

▼後から行った二人

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そろそろ戻ってきそうな時間に、

二人を車で迎えに行くと、

 

 

 

アルジャンが猛ダッシュして帰ってきた。



しかも、泥だらけで。

 

 

 

すぐにどうしたのかと聞くと、、、

 

 

 

「警察に見つかって彼は捕まってしまった」

「だけど、自分は逃げることができた」


と息を切らしながら言った。

 


▼警察に捕まったしまったインド人友達2

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インドで売春は違法で、

見つかれば警察に捕まるのは当然。

 

 

「俺は逃げてきたから大丈夫、今からすぐ家に向かおう」

「あと、このことは絶対に内緒だからな」

 

とアルジャンは言い、

アンクルの家へとすぐに向かった。

 

 

 

そして夕方頃、

やっとアンクルの家に到着。


アンクルはこの街の首長で、

「ここではお金は出さなくていいから、欲しいものがあれば何でも遠慮なく言ってくれ」

と歓迎してくれた。


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また、話していると、

アンクルは今度日本に行く予定で、

行く都市と日程を僕に話してきて、

日本のことを色々と聞いてきた。


その中で

”お金のこと”を気にして聞いてきた。


「日本のお金はどんなやつなのか、見せて欲しい。」

と言ってきたので、

持っていた現金を見せた。


また、アンクルは自分のクレジットカードを出して、

「これは使えるのか?君もこれを持っているのか?」

と聞いたりしてきた。

 


そして日が暮れると、

夕食作りが始まり、

その様子を見学していた。


本場の家庭のカレーとナン作りは見ていて面白かった。

途中で停電になって、真っ暗になったけど、

全然焦りもしなかった対応には驚いた。

結構停電は頻繁になるのであろう。


そして、みんなで夕食のカレーを食べた。

 

 

 

夕食後、アルジャンたちが、

「僕に何か欲しいものはないか?」と聞いてきた。


僕は、水を頼むことにしてお金を渡した。

 

 

すると、それを見ていたアンクルが大激怒!!!

 

 

「お前たちはこの家のルールを知らないのか!」

「ゲストにはお金を払わせてはいけないだろ!」

「もう、この家から出て行け!!」


 とアルジャンの頭を叩きながら怒鳴った。

 

 

「君も欲しいものがあったら何で俺に言わないのだ。」

と、若干僕も怒られた。

 

 

大激怒したアンクルは、

家からアルジャンたちを追い出そうとしたが、

アルジャンが必死に謝り、追い出されずにすんだ。


水を買うお金を出しただけなのに、、、

そんなに怒るなんて。 

 


 

その後、

焚き火をして、

会話を楽しみ、

くつろいでいると、

突然、誰かが家に訪れてきた。

 


すると、

誰が来たのか分かったアルジャンが急いでこっちに来て言った。

 

 

 

「警察だ!!!!!」

 

 

 


  

 

第二話〜警察だョ!全員逮捕〜

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「警察だ!!!!!」

「あっちの部屋に入ろう!」

 

僕は突然のことに驚きすぎて、

何のことかわからなかったが、

アルジャンたちと一緒に部屋に入った。


 


数分後、

アンクルと二人の警察官が部屋に入って来た。

アンクルはもう何が起きているか信じられず混乱状態。

 

そこで警察はこう言ってきた。


 

「お前たちは全員逮捕だ!」

 


売春宿に行った時に捕まった、

彼の事情聴取や携帯の履歴などを調べると、

一緒にいたことが判明。

一緒にいた5人は共犯となり逮捕ということだ。


 

「えーー、なんてこったぁぁぁ!!!」

 「僕は全然関係ないやろー!!!」

 


 

ここでとりあえず、

英語が分からないフリ作戦開始。

(実際arrest[逮捕]やprison[刑務所]はわからなかった)

 


しかし、

そんなのお構いなしにまずパスポートを見せろと。

 


そんな中アンクルは、

「彼は私のゲストでただの旅行者なんだ!」

と必死に説得してくれたが全く意味なし。

 


それから警察はパスポートを撮ったり電話したり。

 


警察が電話をしている間、

部屋でアンクルは大大激怒!!!!

「お前たちは何てことをしたんだ!」

と小さな声ではあるが、

怒りのこもった声でアルジャンたちを叱っていた。

 

 


しばらくして、

確認を終えた警察が戻ってきた。

 

ここで、僕たちは最終手段に出た。

 

「お金でなんとか逮捕は勘弁してください。」



いわゆる賄賂での解決だ。

 

 

僕も一緒になり、みんなで土下座してお願いした。

アンクルやアルジャンは、

警察官の足にしがみつきながら必死にお願いした。

 


必死にお願いした結果、、、



とりあえずお金を出すことに。

 

みんな持っているだけのお金を出せと大騒ぎ。

 

すぐにアンクルも含めた僕以外の全員がお金を出した。

 

そして、

僕も現金でインドルピーと日本円約4万円を出した。

 

 

しかし、それでは全然足りないとのこと。

 

「クレジットカードも出すんだ!」

 

それからカードを持ってATMへ。

ATMでおろせる上限の約3万円引き出した。

 

 

しかし、まだまだ全然足りていないらしい。

他のみんなも出せるだけ全部出したと。

 

 

しばらく考えたアンクルは、

カードのキャッシングがもう限界なのであれば、

ショッピングならできるだろうと思い、

次のように言ってきた。


 

「明日、”金”を買いに行って、それを警察に渡す」

 


それしかもう方法はないと。

 


そして、

アンクルが警察と交渉すると警察は帰っていった。

 



警察が来て逮捕を宣告されるという、

あまりにも突然の出来事すぎて、

頭の中は大パニックだった。

 


警察が帰り、ひとまず落ち着いた。

 

アンクルはチャイを飲んで落ち着こうと、

チャイを持ってきてくれた。

でも実際、チャイなんて飲む余裕なんてなかった。


 チャイを飲みながら話を整理すると、

明日の朝、最初にいたジャイプルに戻り、

”金”を買いに行くことになった。

 

 

”全くとんでもない状況になってしまった...”

”今夜は眠れそうにないな...”

 


チャイを飲んだ後、

その日はもう寝ることになった。

 

寝る頃には、気持ちも少し落ち着き、

冷静さを取り戻すと、少しの異変に気付き始めた。

 

 

 逮捕されるという大事件が起きて、

全額を支払うことによって免れた日。

 

こんな日なのに、

スマホを呑気にいじっているし、

いびきをかきながら寝ているやつもいる。

 

”危機感なさすぎではないか!?”

 普通なら絶望的な状況になるであろうに。

 



そして、今までのことも振り返ってみた。

 

最初にトゥク男と出会った時は、

ぼったくりの値段を言ってきたり、

ツアーみたいなのを組ませようとしてきた...

 

アンクルの家に行く途中では、

ヒンディー語で話していた時もあったので、

作戦会議をしていたのかもしれない...

 

売春宿からアルジャンが走って戻ってきた時には、

僕が最初にどうしたのか聞いて、

他の二人は特に驚いた様子はなかった気がする...


アンクルと最初に話していた時、

やけにお金のことを気にしていた...

 

そもそも彼らが本当の警察官とも言い切れない...

 

 

ということは、、、

 

 


これまでのことは全部演技なのか?!?!



巧妙に組まれているし、演出がうますぎる。

まるでコントのようだ。


 

でも、

やはり何かおかしい。


”きっとこれは詐欺に違いない”


そう思った。


 


”よし、逃げよう!!!”

 

と思ったが、

僕はアンクルと他の4人と同じ部屋で寝ていた。

自分の荷物も離れた場所に置いてある。

 

また仮に部屋から出られたとしても、

この家には門があるし、

果たして乗り越えられるのか。

 

しかも、全然知らない小さな街だし、

ネットも使えないし、お金も全くない。

 

脱出できる可能性は低そうだし、

なんと言っても見つかってしまった時が怖い。



とりあえず、朝を待つことにした。

 

 

”この状況から一刻も早く解放されたい!”

これほど朝が来るのが待ち遠しいかったことは、

今までになかった。

 


絶対に今夜は眠れないと思っていたけれど、

朝までどうすることもできないので寝ることにした。

 


そして、次の朝。。。

 


 




〜第三章 僕は”金”を買った〜

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次の朝、、、

 

目が覚め、トイレに行こうとしたら、

「どこに行くのだ?」

とボス猿(アンクル)が言ってきた。

 

ボス猿は少し警戒している様子だった。

 


そして、ボス猿はこんな話をしてきた。

 

「俺が警察から守ってあげし、

日本に無事に返してあげるから安心してくれ。」

 

ボス猿からの質問には、

お決まりの言葉で返さなくてはならないという謎のルールがある。

 

「Thank you, uncle ! 」

 

どんな質問にもとりあえずこれだ。

アルジャンから言われている絶対のルールだ。

 


このようなルールがもう一つある。

 

「Are you happy ?」には、

 

「I'm happy !」

 

と答えなければならない。

 

アンクルはWin Winの関係を取りたいと思っている。

いくらハッピーではなくても、

そう答えなければいけない。

 

 

アンクルと話していると、

嬉しいことに日本までの航空券を買ってくれると。

 

それは、

”日本に帰っても送金してくれよ!”

という条件からだった。

 

”絶対に送金なんかしねーぞ!!!!”

 


しかし、

僕がタイ経由で帰国予定だったことを知っていたアルジャンが告げ口。

 

”余計なことを言いやがってアルジャンめ!!!”

 


そのことを知ったボス猿が、

いいアイディアを思いついたと言ってきた。

 

「タイまでのチケットを買うから、

タイで観光してから、

あとは自分の持ってる航空券で帰国するといい!」

 

”アホか!お金は全部お前たちが取っただろ!”

”お金ないのにタイで観光なんかできるかぁー!”

 

しかし、これには従うしかない。

 

僕「Thank you, uncle ! 」

 

アンクル「Are you happy ?」

 

僕「I'm happy !」


 

こうして僕はタイまでの航空券を買ってもらうことになった。

 

そして、

僕とボス猿とその子分たち(アルジャンたち)4人は、

ジャイプルに車で向かった。

 


途中で朝食休憩。

あまり朝食を食べる気分ではなかったので一度断った。

しかし、ボス猿がゴチャゴチャ言ってきたので、

 

「Thank you, uncle ! 」

「I'm happy !」

 

と言って朝食をもらった。

 

僕はお金を持っていないからもちろんお金はボス猿が。

”あれっ?朝食とれるくらい余裕あるお金あったの?”


でも、今はもうそんなことはどうだっていい。

 

”もういっそのこと、ここから走って逃げようか”

 

しかし、大きい荷物はトランクの中。

荷物の中には、

パソコン、ゴープロ、ミラーレス、ハードディスクと、

結構貴重品が入っていた。

 

これがなくなるのは結構痛いし、

データがなくなるのも痛すぎる。

 

しかも、

よくわからない場所だし、お金は当然ない。

仕方なく、また再出発。

 

この移動中にボス猿が、

コルカタ経由バンコク行きの航空券を、

電話で予約してくれた。

「航空券は今取った。この航空券は金を買った後で渡す」と。

 

 

それから長時間の移動の中で、

どうにかできないか考えていた。

 


クレジットカード機能を壊すことができないだろうか...

磁石みたいなものさえがあれば...

もういっそのことクレジットカードを捨ててしまおうか...

誰かに拾われない間は大丈夫になる...

 

でも、そんな状況になった場合に、

代わりに荷物を全部置いていけと言われたら、

かなりショックはかなりでかい。

 

打開策も見つからず、

いよいよ金ショップについてしまった。

 

 


そして、

金ショップに着いた瞬間、、、

 

 

 

「お、お腹が急に痛くなったぁぁぁ」

 

と言って、とりあえずトイレに駆け込んだ。

 

 

まず、クレジットカードを便器にの中に突っ込んだ。

”水で何とか壊れないかなー”

 

ついでに大便しながら作戦タイム。

「まだなのかー!?」

と外から聞こえてくる。

 

「紙がなーーーい!」

と言って紙を持ってこさせ時間を稼ぐ。


しかし、何の案も浮かばずにタイムアップ。

 

 

売り場では、

少し高級そうなチャイを飲んでいるボス猿が待っていた。

さすが金ショップのサービス。

 


そして、早速”金”を買おうと言ってきた。

 

 

もう最終手段。

暗証番号を間違えるしかない...


 

わざと速くボタンを押して打ち間違えたり、

とぼけながら2、3回打ち間違えた。

 



”ロックかかれーーー!!!”

 

 

 

その様子を見たボス猿が、

 

「ゆっくり正確に打て」と。

 

 

万事休す。

 

 

店員さんに助けてという渾身の表情をしたが...

 

 

 

 

 

 

 

 

ピー、ピピーー。。。

 

 

 

 

 

買ってしまった。


 

 一気には購入できないから、

支払いは何回かに分けることに。

 

 

ピー、ピピーー。。。

 

 

ピー、ピピーー。。。

 

 

 

途中で、またとぼけて打ち間違えたけれど、

ボス猿に注意され、

 

 

 

ピー、ピピーー。。。

 

 

は続いた。

 

 

 

 

 

そして、

僕はカード上限いっぱいの、

 

”金”30万円分を買った。

 


その片手でも十分に収まるサイズの金は、


僕の手に触れることはなく、


ボス猿のポケットの中に吸い込まれていった。

 
 

 



これで僕がインドで騙し取られた合計金額は、、、

 

 

37万!(ブルゾンちえみ風)

 

 

完全にやられてしまった。。。


 

そして、僕は空港へ向かうのであった。

 


 

 


 

第四章〜ボス猿との別れ〜

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30万円分の”金”を購入後、

 

インド人友達1とは金ショップでお別れした。

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そして、トゥク男とアルジャンとボス猿で出発。

 

まずは、航空券のEチケットをボス猿が取りに行った。

このEチケットと引き換えに、

日本に帰ってからも送金するための連絡先として、

携帯番号とメールアドレスを教えた。

(もちろんテキトーなやつ)

 

その時のメモ書きだが、フリーダイヤル(笑)

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この後、

アルジャンとトゥク男を途中で下ろしてお別れ。

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そして、

これからボス猿と共に空港に向かうのであるが、

途中でATMへ立ち寄った。

 

ボス猿がまだカードでお金を引き出そうとしている。

当然、上限まで使っているので引き出せるはずがない。


ここのATMがダメなら、こっちのATMはできるかもと、

3、4箇所のATMを回り続け、

必死にお金をおろそうとしていた。

 

結局、一切お金を引き出すことはできなかった。

 

この頃僕は、

お金はもうどうでもいいから、

ボス猿と一刻も早く別れたかった。

 

 

また、このようなことも思っていた。

”37万という金額はインドでは超絶大金だ。

しかし、人から奪ったお金ではいい人生は送れないだろう”

 

 

 

空港到着。

 

荷物を背負い、ボス猿とのお別れ。

 

車から荷物を降ろして、


最後に、何とも言えない悔しさから渾身の一言。

 

 

 

『絶対お前よりいい人生を送ってやるからなぁ!!!』

 

 

 

ボス猿に僕はこう言い放った。

 


しかし、

日本語で言ったので当然ボス猿はわからない。

英語でもう一回言ってくれと。

 


そして、

 


いろんな意味を込めての一言。

 

 

 

『Thank you ! 』

 

 

 

ボス猿は笑みを浮かべた。

 

 

そして、僕はボス猿に見送られながら、

 

Eチケットを握りしめて空港の中へ入った。

 

空港の中に入った瞬間、

 

今まで溜まっていた感情が溢れ出た。

 

 

 

大号泣。

 

 

 

本当に悔しくて悔しくて悔しくてたまらなかった。

 

 

 

空港に着いたらまずWi-Fiを探した。


空港のWi-Fiが繋がらなかったので、

Wi-Fi空港職員に、

 

「Wi-Fiどこですかぁー?」

 

って泣きながら、Wi-Fiを探し回った。

 

優しく接してくれる空港職員に感激。

 

さらに涙が溢れ出た。

 

 

 

それから落ち着きを取り戻そうと、

椅子に腰を下ろした。


そしたら、

僕の隣でその紙袋には到底入りそうにないサイズの物を、

紙袋がビリビリに破れながらも、

必死に入れようとしているインド人がいた。

 

僕はちょうどそれが収まりそうな袋を持っていたので、

彼に袋をあげた。

 

彼は、

「ありがとう。日本人はいつも親切だね。」

と言ってくれ、ホッコリした。

 

そして、

彼はお礼にということで、

”マンゴージュース”をくれた。

 

全く飲み物も食べ物もお金もない僕にとって、

それは史上最高の神様からの贈り物に思えた。

 

”ボス猿がやっていたのはWin Winじゃねーんだよ!”

”これこそがWin Winの関係なんだよ!”

 

と思い、

神のマンゴージュースを飲みながら、


また号泣した。

 




空港にいる間、

ボス猿に似ている顔を何回か見かけた。

もうあの顔はトラウマだったので、

ひたすら逃げまくった。

インド人はみんな同じ顔に見える(笑)

 

 

そして、

無事コルカタを経由してバンコクに向かった。

 



もともとは1ヶ月ほど滞在する予定だったインド。


しかし、

この大事件が終わったのはまだ2週間経ったくらい。

 

バンコクに着いたとしても、

自分の持っている帰国の日程は2週間先。

2週間もバンコクに滞在しなければならない。

 

もちろん、そんなお金はもうない。

 でも、もう進むしかない。。。

 


いざ、バンコクへ。

 





  

第5章〜人生を楽しもう〜

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ボス猿たちと一緒にいる間、

”ここから解放されたら一刻も早く実家に帰りたい!”

とずっと思っていた。


 

少し話がそれるが、

この頃僕は住んでいるという家はなかった。

大学4回生ということもあり、

大学もあと2,3回行けばよかった。

なので、住んでいたアパートは退去して、

4月になるまで旅をするという予定だった。

なので、特に帰国しても居場所がなかった。。。


 

しかし、

バンコクへ向かう途中でこう思い始めた。

 

”実家に帰ったら落ち着くことはできるだろう”

”でも、ボス猿にお前より絶対いい人生を送ると宣言した以上、絶対に人生を楽しんでやる!”

 


 

バンコク到着。

着いてから気付いたのだが、

もともとバンコク経由で帰国する予定だったので、

タイバーツを約4千円くらい持っていた。

全く別のところに入れておいたので、

今まで忘れていて運よくボス猿に渡さずに済んだ。

 

だが、これだけのお金で2週間過ごすのは結構厳しい。

”路上パフォーマンスをやればなんとかなるかもしれない!”

とも考えたが、

まずは、日本人宿に駆け込み相談することにした。

 


相談した結果、

このような場合は早く帰国した方がいいと。

 

路上パフォーマンスで2週間乗り切るというのも、

なかなか捨てがたかったが、

帰国する決定打が見つかった。

 

それは、、、

 


”最安値で帰国できる那覇経由での帰国”

 

 

 

そして、さらに最安値で関西へ戻るプランを選んだ。

 

沖縄滞在5日間!

 最&高。イェイ!!

絶対楽しんでやる!!!

 

翌日、沖縄へ行くことに決定。

 

クレジットカードは使えなかったので、

航空券は誰かにお願いするしかなかった。

ここは結局、僕の姉にお願いした。

 

インドで騙されてお金なくなって、

5日間沖縄に行くとか意味わからないけど、

バッチリ航空券を取ってくれた。

 


そして、翌日。

いざ、沖縄へ出発。

 

これまた別のとこに入れていた日本円を発見。

所持金2907円!

”よーし、沖縄堪能するぞー!”

 


別にあてもなく沖縄に来た訳ではない。

手伝えば3度の食事と寝床をもらえるあてがあった。

 

『ビーチロックビレッジ』

 

あの高橋歩さんたちが創った場所である。

山を開拓して作られたネイチャービレッジ。

メインはカフェと宿泊ができる場所。

 

ここは僕が沖縄に行った際には必ず訪れる場所だ。

事情を説明すると、

スタッフの方が快く受け入れてくれた。

 


ビーチロックは今帰仁という場所にある。

車で行くと3時間ほどかかり、

バスの運賃だと2000円ほどかかる。

所持金が少ない今こそ、

ヒッチハイクの出番!


スケッチブックとペンは、

物価の安いバンコクであらかじめ買っていた。

あと、乗せてもらった時のお礼として、

ドライマンゴーも買っていた。

 

まずは、名護市を目指してヒッチハイク開始。

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空港前の道に立っていると、

通りかかった男性が声をかけてくれた。

「ここから名護に向かう車はいないと思うよ〜」

「高速の入り口近くまでなら、送ってあげるよ。」

空港前のモノレールで働いている方でった。

この男性のおかげで、

ヒッチハイクするのに最適な高速の入り口に来れた。

 

本当にありがたい。

お礼にドライマンゴーを渡してお別れ。

 

 

高速入り口でヒッチハイク再開。

1台のワゴン車が停まってくれた。

車の中には野球用品がいっぱいで、

スポーツメーカーで働いている男性だった。 

「高速は途中で降りるけど、$♪×¥&%#までは送って行けるよ!」

沖縄は変わった地名が多いので全然聞き取れない(笑)。

進めるのは間違えないから、乗せてもらうことに。

この男性には、乗せて頂いた上にお弁当まで頂いた。

 

本当にありがたい。

お礼にドライマンゴーを渡してお別れ。

 

 

頂いたお弁当を食べて、ヒッチハイク再開。

今度も1台のワゴン車が停まってくれた。

この車の中には、野菜や卵がいっぱい積んであった。

荷物を配送中の男性だった。

「配送しながら行くけど、$♪×¥&%#までは送って行けるよ!」

これまた地名は聞き取れなかったけど、

進めるのは間違えない。

途中いくつかのお店に配送しながら進んだ。

僕も卵や野菜運びを手伝った。

お店の裏側に持って行くのではなく、

そのまま売り場に並べた。

売り場のスペースを買っているので、

直接売り場に並べていいそうだ。

貴重な経験ができたし、手伝ったお礼にとジュースを頂いた。

 

本当にありがたい。

お礼にドライマンゴーを渡してお別れ。

 

 

頂いたジュースを飲んで、ヒッチハイク再開。

今度は1台の軽自動車が停まってくれた。

2人でドライブ中のお母さんと娘さんだった。

ドライブ中だったから、

なんと僕の目的地のビーチロックまで行って頂けると!

 

 本当にありがたい。


さらに、帰りもヒッチハイクをすると話していると、

帰りもビーチロックから空港まで送って頂けると!


 本当に本当にありがたい。

お礼にドライマンゴーを渡して、

また4日後に乗せて頂くことに。

 


こうして僕は、

4台を乗り継ぎビーチロックに辿り着くことができた。

 


翌日からの3日間、ビーチロックの手伝い。

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そして、

最後に乗せて頂いた方に空港まで送ってもらった。

本当にありがたい!

 

こうして無事関西空港に帰ることができた。

 

結局、沖縄では300円しか使わなかった。

(ビーチロックで食べた沖縄そば代)

 


そして友達の家に着いたが、

急遽帰国したから予定は全くない。

住んでいた家も退去したから、居候状態。

これからどうしようかな...

 

当初の予定ではあと1週間後の帰国。

とりあえず本来の予定だった、

バンコクのフライトをキャンセルしようと思ったが、

LCCの航空券だったのでキャンセルはできない。

 

 

ここで”画期的なアイディア”を思いついた!

 

今からバンコクへの片道航空券を買えば、

その片道料金だけで行けることになる!

 

もうキャンセルできないし、

あと片道分だけ払って行けるのであれば、

それはお得なのではないかと考えた。

さらに、もう一つ思ったことがあった。

 

インドでの被害額は、37万円。

来月には、37万円引き落とされると思っていた。


でも、良く考えたら、、、

4万円は現金だったから、引き落としは33万円!

 

”4万円浮いたぁ!”

 

お分かりだと思うが、

これから片道航空券を買ったら出費が増えるし、

実際に4万円は浮いていない。

 

だけど、僕にはこれでよかった。

ボス猿に誓った通り、

 


”僕は人生を楽しむ!”

 

 

 

学生最後の春休みを楽しもうとお金は貯めていた。

しかし、この大事件のせいで速攻でなくなった。

だから、できる限り楽しむしかない。

 


そして、3泊4日でタイを満喫しに行った。

もちろん最安値の那覇経由で。


 

前日に決めて、少ない荷物でふらっと行ってくる!

一度はこんな感じで行ってみたかったんだぁ〜。


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僕はあの時、

ボス猿に誓った。



『絶対お前よりいい人生を送ってやるからなぁ!!』




僕は人生を楽しむ。



オリャァー!!!!!

 


 



【完】






まるでコントのようなインド詐欺をお楽しみ頂けたでしょうか。

この当時は絶望的でしたが、

今では僕の一生ものの鉄板ネタです。

僕はこの出来事を胸に刻み、

人生を謳歌していきます!!


最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。






追伸:

僕と同じような詐欺にあった方の記事を見つけました。

僕とほとんど同じ手口で、

マジで一緒の詐欺師なのではないかと思いました。


僕がこの事件にあったのが、

2018年1月頃で、

彼は僕の後に被害に遭っています。

この手口の詐欺を知らずに、

被害にあった方がいるのは正直悔しいです。




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