見出し画像

活動報告23(2022年9月)

プロジェクト薬箱「3D CAD編(Fusion360 / 01)」
 今月は、2年越しで進めてきたコロナ対策の別プロジェクトについて、特許出願用の図面が完成したのでその報告から。出願するようになってから5年程経過するが、現在までの活動を総括すると、アイデアの洗練度や製図手法の違いから大きく3期に分けることができる。
 
まず、手探りの第1期。特許出願や製図のことを全く知らなかったのでプレゼンの延長ととらえ、PowerPointを使って製図を行った。立体図や透視図も作図しており、今更ながら信じ難い思いだ。この手法で2件出願。
 次に医療機器の開発支援ワークショップを経験し2年程経過した後の第2期。アイデアが複雑化し製図技術も向上したが、製図ソフトについては試行錯誤した時期でもある。最初は、弁理士の使用を真似てMicrosoft Visioを試した。設計図やダイアグラムなどの作図を行うためのソフトウェアであり、使い勝手は良かったのだが、価格が折り合わず断念。2D CADソフトも試してみたが、直感的に使用できず、出願書類上もこれ程の精度が不要なので早々と断念。最終的に落ち着いたのはdraw.io。本来は、フローチャートやオフィスのレイアウト図、ネットワーク図を作成するソフトで、Visioに近い使用感。ネット上の使用記事も多く、Visioよりも多用されている模様。ブラウザ版やデスクトップ版もあり、何といっても無料で使えるというのが最大の利点。これで4件分の出願図面を作成。
 そして、コロナ禍を経験してさらに2年程経過した現在の第3期。draw ioに何ら欠点はなかったが、最近の3Dプリンタの進化に興味を惹かれ、製図ソフトとして3D CADを試してみたくなる。UI作成でも痛感しているが、現在ではどうしてもデザイン性が求められており、訴求力を高めるためにも3D表示は必須ではないだろうか。最初は、iOSのShaperを無料の試用期間中にいじってみる。タブレット端末との親和性が最高で、直感的な操作も可能なのでソフトが買い切りだったら購入した可能性が高い。しかし、サブスクしかないので断念。毎日使用しないものに対して、サブスクは抵抗が強い。最終的にたどりついたのは、DMM Akibaスタッフからも勧められたFusion360。調べてみると、3D CADにおいてほぼ標準となっており、個人使用ならば無料で使用できるとのこと。
 
そこで、13冊目:小原照記 、藤村祐爾(2019)「Fusion360マスターズガイド ベーシック編改訂第2版」を購入。数年前のCore i5ノートPCで動作するか不安だったけど、ソリッドモデルなら落ちることもなく通常使用できることを確認。さて、参考書の記述通りに実行すれば問題ないが、いざ自分で製図してみると本から外れる事態が多発するので、うまくいかない。図面には謎の記号が大量に自動設定されて意味不明な上に、移動やコピーですら直感的な操作を受け付けない。数多くの疑問が湧くが、参考書には記載なくネットで検索して解決策を探る日々。本当にこれが業界標準ソフトなのかと、何度も使用断念が頭をよぎる。文句を言いつつ我慢強く操作を続けて、4週間程経過してようやく慣れてきた(タイトル画右は習作のトーテム)。
 確かに初心者泣かせの操作方法ではあるが、ソリッドモデルならグラフィックボードがなくても安定して動作し、しかも無料で個人使用できるということは相当なことなのだろうと実感。しかも、想像もできない程の高機能をその奥に秘めている。
 
自分の得たコツとしては、Fusion360の流儀に自分を合わせるということ。具体的には、3Dモデルを作成するにあたり、どの平面から押し出すのがもっとも効率的なのかを事前に考える。また、Fusion360で表現しやすいように、頭の中のイメージを適宜修正する必要もある、といったところか。最終的にできあがった図面は、やはり3Dモデルなので、表現力が高く弁理士も驚く程。また、一旦モデルを作成すれば、任意の断面図作成も容易といるメリットもある。
 Fusion360には、他の3Dモデルやレンダリング機能もあるが、今の自分にはこのソリッドモデルだけで充分。使用中に色々文句言ってすみませんでした、と謝っておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?