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和裁開始

まあ、Yuzuの趣味なんですが…地味です。和裁です。周りを見回しても、裁縫仲間はいますけど、和裁仲間はいません。絶滅危惧種です。

日本の伝統工芸の殆どが、後継者いませんもんね。Yuzuの行きつけだった呉服屋さんも2年ほど前に暖簾をたたみましたし、悉皆屋さんも減りました。近所の着物を扱ってくれるクリーニング屋さんも店仕舞いをしたと聞きます。

Yuzuの着物コレクションに、あまり高価なものはありませんけど(中古やお値打ち品が殆どです!)、ほぼ唯一の銘柄物として「泥大島」があります。件の呉服屋さんが閉まるとき、在庫としてお持ちだったのを勧めてくださって、これが一生のうち最初で最後の機会だろうと思って購入しました。Yuzuが老衰で逝くとして、その頃には「泥大島?なにそれおいしいの?」みたいな感覚になってるかもしれません。

やる人、出来る人が周囲にほぼいないので、Yuzuの所には着物やら反物やら着物生地やらが集まってきます。今は手元に袷三着分の反物・胴裏・八掛があるのですが、知人・友人・親族からの全て頂き物です。Yuzu、一銭も払ってない (笑) 嬉しいけど、寂しいです。「もう縫わないから」「家の人も誰も仕立てて着ようとはしないから」という理由で来るんですもの…

嘆いても仕方ないので、縫います。今日は第一日目、経ち切りの日。

写真の反物は「江戸小紋」と呼ばれるもので、その名の通り江戸時代に発展したものだったと記憶しています。セミ・フォーマルな着物とされており、茶道や弓道で正装として用いることも出来ますが、帯を選べばカジュアルな感じで楽しむことも可。

Yuzuは、カナダで勝手に着物を着てうろついています。外食するときとか、弓道のお稽古行くときとか、美術館行くときとか、お茶する時とか。着付けのルールとか、適当に誤魔化しつつですね。伝統ルールも知ってますけど、従おうとすると着なくなっちゃうので☆

彼氏君に言わせると、浴衣だろうが地味なウールだろうが、着物というだけでぶっ飛んで衝撃的なビジュアルだからと力説されます。それを「これはカジュアルな着物だから!そうなんだから!!」と言い返し、着物にブーツでがつがつ歩いています。お婆になっても、そうやってがつがつ闊歩できるような人になりたいな。

最初は着付けから初めて、節約の為に着物の下着を縫い始めたのですが、こんなに長い付き合いになるとは思いませんでした。Yuzuが巡り合った和裁の先生が素晴らしく素敵な方だったという恩恵です。学校の先生や指導者に恵まれたという記憶は無いですが(というか幾人かは人として屑だった)、これだけは僥倖でした。今でも僥倖。人生の中で、一つでもそう言えることがあって良かった。

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