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花のことばはあなたには聞こえますか?

春の訪れにはどんな時にも温まる気持ちとともに、目線がそれとなく花へと向く。不思議と言えば不思議な現象だ。

自然にあふれ 小さな野の花や、雪解けを待っていたかのように咲きはじめる " 天然 " の花はまさに個性を持ち、ひとつひとつがお喋りをはじめる。

そんな自然の中で生まれたわたしの特技のひとつは「花とはなす」ことだ。

というよりも、ごく普通に聞こえてくる。挨拶はもちろん、「今日はわたしすごく気分がいいの。お日さまも風もばつぐんだわ。」「いやあーこの土が良くってねー、僕のからだの成長に一躍買ってくれているんだよ」

もちろんそれは春にかぎるわけじゃない。季節を告げるのも花たちのひとつの " しごと " と " 誇り " だ。「今年もおはよう、変わりはない?」「どうかしら、わたしのこの彩?いいでしょ?」子どものわたしが道草をして日が暮れる頃に帰宅して、少し叱られる原因もちょっとはそこにある。話が尽きないわけなのだから。

大人になると、ある程度こちらからも話しかけるようになる。時には悩みも相談する。人間よりも正解をくれることもある。鉢植えや、切り花の気持ちもわかり始めてきた。すごい成長だなぁ。もしかしたら、わたしが花に育てられてきたという感じもある。見かける時も、想像している時も気づけば口もとは微笑んでいるからそれは間違いなさそうだ。笑


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