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最近の化粧品のトレンドについて

日本に帰国したときに、デパートでまとめて化粧品を買うことが多い。日本のブランドは優秀なので、日本でないと買えないものを買う。

ただ、最近、日本のブランドも多少イギリスでも買えるようになったりして、なんというか昔ほど「絶対にこれほしい。」というものもだんだん少なくなってますが。

2019年に日本に帰国した際、デパートで化粧品を買った。そこの店員さんと話していて、たまたま流れでイギリスに住んでいるという話になって、そこで「イギリスではどのブランドが一番人気があるのですか?」と聞かれた。答えを言うまでにちょっと時間を稼ぎたかったので「このデパートで一番売り上げのあるカウンターはどこですか?」と聞いたら、「シャネルです」と言われた。

そうですか、という感じで。

イギリスで売れ線というか、いつもデパートで一番いいところに陣取っているブランドは、たぶんボビイブラウンである。そして次はMACのような気がする。そのままそれを彼女に言うと「ええっ」と驚いていた。

ボビイは昔から人気があるブランドだが、キャサリン妃がお嫁に行ったとき、ここの製品をかなり使ったとして話題になった。キャサリン妃はプロのメークを頼まないで、セルフメークしたと言われており、セレクトも自分でしたという。そこからずっと高値安定というか、根強く人気があるブランドである。

いつも思うのだが、日本人は白人は色が白いと思い込んでいる節があるが、そうでもないというか。確かに色が白い人は多いがそれと同じくらい、色が浅黒いというか、日本の基準だと色黒になるのではないかと思われる白人の人もいる。(キャサリン妃なんかそっちの人だと思う。)

どこかの血が混ざっていてそうだという人もいれば、そうでないという人もいる。

なので化粧品の色も見ていると、白いのが充実しているというよりは中レンジのグラデーションが充実しているイメージである。日本ほど色白白塗りにはあまりこだわっていない。

そういう意味ではボビーブラウンのカラーパレットは中レンジが充実しているので、人気があるのかなと思う。プラス、このブランドはモデルを有名人を使わない。そしてパッケージなどもきゃぴきゃぴしていない。色味はかわいい色もたくさんあるが、クールとかかっこいいイメージの色が多い。かわいすぎず、スタイリッシュ過ぎず、そしてダサくない。中庸という感じであろうか。正直、海外でビジネスマンとして成功したかったら、今まである化粧品全部捨てて、ボビイにするのがいいと思う。あくまでも私のイメージだが、成功しているこっちのビジネスウーマンの顔はだいたいボビイにお世話になっているのではないかと思わせる顔が多いので。

そして、もう一つ、人気があるなと思われるブランドはMACである。このブランドはカナダのメークアップアーティストが創業し、エスティローダーが買い取ったという過去がある。ちなみにボビイブラウンもボビイさんが創業して、エスティローダーに売った過去がある。

メークアップアーティストが作ったブランドなので、あくまでもメーク用具は絵具というか、道具扱いであり、パッケージなども地味もしくはシンプル、シャネルやディオールのような装飾的なブランドではない。持っているだけで気分が上がるというよりは使って結果を出すようなブランドである。

このブランドの普及具合や使われ方を見ると、外人さんの化粧品に対するスタンスがちょっと日本人とは違うような気がするなあ、と思うことが多い。化粧品は自分を綺麗にする絵具なのである。それ以上でも以下でもない。一定の予算内で自分を最高にきれいに見せてくれる絵具。自分の意志で選んで、ガンガン使い倒す。日本人からすれば雑だなと思うけど、道具だから、何?と言われそうな感じである。だからパッケージに装飾もあまりいらないし、コマーシャルキャラクターやらコマーシャルソングは関係ない。

ある程度、自分の主観で使えて、そして自分を綺麗に見せてくれる道具であるというのが考え方のような気がする。そこに嗜好性(匂い、パッケージ、使い心地、宣伝など)が加わって独自性を出しているブランドもあることはあるが、主力にはなっていない。そういうブランドもあるわね、好きなら使えばいいのよ、というスタンスなので、シャネルとかゲランとか、日本で人気と言われているブランドは、イギリスでは主力にはあまりならない。

そして、最近富みに思うのが、イメージキャラクターやブランドのイメージが昔の白人ぽい人から遠ざかれば遠ざかるほど、売り上げが上がるような気がするのだ。

やはり日本でデパコスと呼ばれているブランドのイメージキャラクターは白人ぽい人が多いような気がする。フランス系のブランドで顕著かなという気がするのだ。そして、日本のブランドもその辺に追随して、白人のモデルを使っているような気がする。

今イギリスでスックという日本の化粧品ブランドが超人気だが、ここは白人を使わずアジア系のモデルをずっと使っている。海外戦略としてはどうかと思われそうだが、そういうもの関係なく売れ続けているし、世界中の高級デパートが扱いたいブランドに成長している。

大陸はどうだか知らないが、イギリスで限っていえば、白人がメジャーではなく、白人も人種の一種という考え方が多い。そして、今までの白人至上主義の揺り戻しもあるのだろうが、人種に考慮した色展開が増え、そしてモデルなども白人だけではなくなった。昔の白人くさい化粧より、もっと多様性が出てきて、カラーパレットも完全に変わったような気がする。

その辺の動きをうまくマーケティングしていかないと乗り遅れる感じがするのである。そういう意味ではボビイもMACもこのトレンドにばっちり乗っているブランドであると思われる。(というよりは創業当初からそういうスタンスだったのでこのトレンドを作ってけん引している企業と言えようか。)

翻って日本であるが、最近どこ行きたいのか、あまりよくわからない。韓国の化粧もよくわからないが、なんとなく、やっぱり韓国人のアイドルなどを見ていると「白人になりたいんだろうなあ」と思うことが多い。中国の整形などを見てもそう思うことが多い。日本の息が長い某セレブ姉妹も「白人になりたいんだろうなあ」と思うことが多い。この辺はもう、しょうがないというか我々はそういうカルチャーで戦後何十年と来てしまったのでしょうがないとは思うが、そのうちそういう価値観などもどんどん変わっていくのだろうか。

外国がどちらかというと脱白人中心メーキャップから離れて行って、まだ日本やアジアはそこにいるという感じなので、最近こっちで主流となっているメークとアジアではやっているメークにかなりギャップが出てきたなあと感じることが多い。

ヨーロッパはほぼほぼロックダウンでここ1年はメークのトレンドどころでなく、新作も入ってきてない状態なので、日本のインスタなどを見ていても、更に差があるような気がしている。

早く気兼ねなくメークできる環境にならないかな。






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