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ラ・フォル・ジュルネ、 本場ナント レポート その1

今年3年ぶりに復活する東京のラ・フォル・ジュルネ。本場ナントでは通常開催に戻り、2月1日から5日まで盛大に開催されました。
今年のテーマは「Ode à la nuit 夜への讃歌」。
ナントの音楽祭の来し方や全体的な雰囲気は、某雑誌に記事が出る予定ですので (出たらこちらでも告知します)、ここでは実際に聴いたコンサートの感想や、出演音楽家たちとの会話の中から面白そうなものを拾って時系列に沿って綴っていきます。

ナントはすでにコロナ前の体制に

2020年、「ベートーヴェン」のテーマ(今年の東京のテーマです)で開催された直後に都市閉鎖となり、その後2年間大幅に規模を縮小していた本場ナントのフォルジュルネ。今年は、会場へのアクセス規制が解除され、中央キオスクも復活し、以前の活気がもどってきました!
今年のコンサートの数は約270(最盛期は350)。「夜」というテーマに即して、なんと真夜中や夜明けの7時30分からのコンサートも。

キオスクコンサート

ラ・フォルジュルネといえば会場中央に設けられたキオスクでの無料コンサート。チケットが取れなかった人でも、一部、有料コンサートと同じ内容のものを聴くことが出来るとあって、周りには常に多くの人だかりができています(トップ写真は、筆者撮影の今年のキオスクの様子)。
今年ざっと聴いてとくに感じたのは、ナントが首都のロワール・アトランティック地方圏の各地からやってきたアマチュアのブラスバンドチームが、素晴らしい演奏をしていたこと。コロナでキオスクが中止となる前も、アマチュアブラスバンドがたくさん演奏していましたが、ぶっちゃけ、中高の課外活動の域を出ることはほとんどありませんでした。
ところが、今年はどの団体もプロかと思うくらい上手くなっていて、思わず立ち止まって聴き入ったことも何度か。コロナの2年間の間にみっちり練習したのでしょうか。
毎年、テーマに沿ってどの団体も必ず演奏する曲というのがあるのですが、今年はムソルグスキーの『禿げ山の一夜』。1日に10回はやってたんではないかと思います。

中央キオスクでのブラスバンド演奏 © RomainCharrier-LaFolleJournee 2023

ナント音楽院や各地の音楽学校の生徒によるブラスバンド、独立した団体などさまざまで、規模も小アンサンブルからオーケストラ級のものまでいろいろですが、音楽を楽しむ心は皆同じ。この舞台で演奏するために熱心に練習を重ねてきたであろうことが想像されます。
ラ・フォルジュルネは、コンサートを聴くための音楽祭というだけでなく、一緒に奏でる機会を共有できる参加型の音楽祭でもあるのです。

次回からは、聴いたコンサートについて一言ずつコメントしていきます。

ナントのラ・フォルジュルネ公式サイトはこちら


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