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イヌだけど、心は「九分」ネコ。


みなさんには、憧れがありますか?

あの人のようにカッコよく生きたい。人気者になりたい。絵が上手くなりたい。面白くなりたい。かわいくなりたい。

そう思うと同時に、そうじゃない今の自分がちっぽけに思えて辛くなったりすることもあるでしょう。

でも、その健気な思いは決して否定されるものではありません。がんばってるあなたはいつだって素敵なのです。

そんなあなたを応援する、とあるキャラクターの物語をご紹介いたします。


くぶねこ


くぶねこは、イヌだけどネコに憧れています

イヌだけど、心は九分ネコ

いつも猫じゃらしを持っていて 猫のつもりで生活しています



ネコの被り物をしていますが、ネコを被っているわけではありません

ネコの自由にさに憧れ、日々ネコになるために頑張っているのです



河原に捨てられていたのを今の飼い主に拾われ ネコと一緒に育てられました 

ついついワン!と、言いそうなのをこらえてニャー

だから口癖は「ワンだニャー



そんな頑張り屋のくぶねこですが とても朝が弱いというなかなかネコっぷり



雪が降っても じっとしてます



ネコになりたいけれど やはり犬であることには逆らえず 

食事はドッグフードとキャットフードの割合が五分五分




朝食が終われば、ネコになるためのストレッチ

徐々にネコの部分を高めていきます




今日は調子がいいので、そのままネコパンチの練習です

ワン、ツー ワン・ツー 

じゃなくて

ニャン・ツー ニャン・ツー!




汗をかいたら お洗濯

パーン!と気持ちい音が響きます

ネコの被り物は やぶれても直して大事に使います




さて、今日は街までおでかけです

おばあちゃんにもらったマフラーと鞄はくぶねこのお気に入り

「おばあちゃんに会いたいワンだニャー・・・」




ちょっと小腹が減ったので にくまんをパクリ・・・とする前に耳をつけてみる

なんだかネコに見えてきた 

「やっぱりネコってかわいいワンだニャー」





暮れなずむ河原

明日に力を持ちすまいと 必死で走り回る野球少年たち

その向こうにはさっきまで買い物をしていた街が広がります

そんな光景を見つめながら河原でたそがれるこの時間もまた くぶねこのお気に入り


自分は一体 何者なんだろう?

ちょっと大人なくぶねこです



ずいぶんと暗くなってしまいました

早く帰らないといけません

「おばあちゃんは 『暗くなる前に』 が口癖だったワン・・・だニャー」



おばあちゃんの言うとおり 早く帰るべきだったのかも

「ほーら、ネコじゃらしですよ〜」



みんなで飲むミルクは格別においしくてくぶねこは嬉しくなりました

おばあちゃんの作ってくれたマフラーと鞄

うらやましいって 言ってくれたよ




くぶねこはコタツの中で 今日あったことを思い出していました

「今日はいろいろあったワンだニャー」



・・・





くぶねこは大変なことを思い出しました



あーあー ちょっと河原でたそがれすぎたかな

明日の朝 見に行ってみよう

すっかり疲れてしまったくぶねこは 知らないうちに コタツの中で眠ってしまいました


その日の晩 くぶねこは夢を見ました


夢の中ではおばあちゃんがマフラーと鞄をくれました

くぶねこはその温かい夢の中でも おばあちゃんにもたれかかり そのまま眠ってしまいました

「おばあちゃんありがとうワンだニャー」



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