次の日曜日、いよいよ昇段試験だ。
毎週稽古に参加して、業の精度を上げるために、懸命に励んだ。
稽古をつけてくれている先輩から、3年近くもやっていれば、もう立派な居合人だとお褒めの言葉を頂いた。
だが、3年近くやっていても、いつも師匠から間違いの指摘を受ける箇所は同じ所ばかりだ。
体の小さい者は、相手に大きく見せるようにしなければならないと教わった。
前屈みになったり、体を沈ませたりしてはいけない。
刀を力任せに振っているから、いつまで経っても治らないのだろうか。
刀は、正しく、速く、力強く、美しく運用してこそ生かされる。
荒く乱暴に扱うのではなく、もう少し労わるように、丁重に振ってやるのが良いのかもしれない。
もう少し、刀に優しく触れることにしてみよう。

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